韓国半導体メーカー、中国企業からフッ化水素を調達 | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

1つ前のエントリー(https://ameblo.jp/brendy6m/entry-12494883907.html)の続報です。

 

本日未明の産経新聞によれば、

https://www.sankei.com/economy/news/190717/ecn1907170004-n1.html

 

・中国紙、上海証券報の電子版は16日、中国の化学企業、浜化集団(山東省)が韓国の半導体メーカーからフッ化水素を受注したと報じた、

  

・報道は日本の措置との関連を指摘した上で、浜化集団が製品検査などを経て韓国企業と正式な協力関係を結んだとしている、

 

とのことです。

 

韓国の2大半導体企業はサムスン電子とSKハイニクスですが、後者が昨日の時点で「日本企業以外からのフッ化水素の調達については今後検討する」と答えているので、おそらくこの韓国半導体メーカーというのはサムスン電子のことでしょう。

  

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あるネット記事(http://www.sai-trend.site/futtkasuiso_befa/)に浜化集団に関する以下の情報が掲載されていました。

 

会社名:浜化集団(べファー・グループ)

設立:2007年

本社住所:山東省濱州市黄河五路869号

上場市場:上海市場(2010年2月上場)

URL:http://www.befar.com.cn/

売上高:2018年決算で67億5100万元(日本円で約1005億円)

 

事業内容:本社のある山東省を中心に化学品の基幹原料となるクロールアルカリ製品を製造する。主力製品は酸化プロピレン、トリクロロエチレン、苛性ソーダ。また、フッ化水素も製造する。中国国内では、「中国化学工業業界技術革新モデル企業」としても有名な企業。

 

中国はフッ化水素で20%のシェアを誇るが、浜化集団はその代表的なメーカーという印象。

この話題があってか7月16日の株式市場では9%も株価が上昇しています。

 

 

同社のホームページを見てみると、浜化集団の主力製品は、苛性ソーダ、三塩化ビニール、四塩化ビニール、油田補助薬剤などと説明されていますが、フッ化水素についての説明はないようです。

 

ちなみに、同社の主力製品についての簡単な説明は以下のとおり。

 

・苛性ソーダ:低純度の水酸化ナトリウムのことで、化学繊維、紙、パルプ、化学薬品、食品工業、石鹸精製などの広く用いられる。

 

・酸化プロピレン:FRP(繊維強化プラスチック)に代表されるプラスチック製品の原料。

 

・トリクロロエチレン(三塩化ビニール):主として金属製品などの洗浄溶剤として用いられる有機塩素化合物。

 

・四塩化ビニール:床材などで使用。

 

そして、朝日新聞によれば、浜化集団は2018年7月にフッ化水素酸の量産を実現していると報道されています。

(7月17日 朝日新聞、

https://www.asahi.com/articles/DA3S14099321.html

 

つまり、同社がフッ化水素をサプライヤーとして供給開始してからおよそ1年しか実績がないということになります。

  

1つ前の韓国関連のエントリーでも書きましたが、エッチングガス(高純度フッ化水素)であれば何でも良いという訳ではなく、代替品のエッチングガス(フッ化水素)が日本製と同等の純度99.999%であっても、不純物の粒子の大きさや種類が半導体の微細な製造工程に適合しなければ使えない可能性があるようです。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/13/2019071380010_2.html

 

 

半導体製造の各工程の模式図

https://kotobukibune.at.webry.info/201811/article_10.html

 

 

エッチング工程の説明

http://www.inte.sakura.ne.jp/test/raichi/tdry/tdry.html

 

 

現在の高品質半導体の微細製造工程では10ナノメートル・オーダー以下の超精密処理がおこなわれているということなので、不純物粒子の中に同等程度の大きさのものが含まれていれば、半導体内の微細電子回路の誤動作のリスクが高くなる(不良品リスクが高まる)ということを意味します。

 

産経新聞によれば、「浜化集団が製品検査などを経て韓国企業と正式な協力関係を結んだ」とあり、一定の検査確認を終えていることはわかりますが、

 

実際の半導体製造ラインで使用可能かどうかの判定は、2〜3ヶ月ほど製造ラインを実際に動かし、中国産のフッ化水素に対して各工程を細かく調整しながら、実施検証した後になります。

 

2〜3ヶ月後に完了する予定の韓国半導体メーカーの実施検証の結果を待ちたいと思います。