韓国大統領「戦時作戦統制権の移譲は当然のこと」 | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

 

戦時作戦統制権とは、朝鮮半島有事の際に作戦を指揮する権限のことです。1950年からの朝鮮戦争と米軍主体の国連軍派遣により、韓国は「作戦指揮権」をマッカーサー国連軍司令官に移譲し、その後、米韓連合軍司令官(在韓米軍司令官を兼務)に継承されました。

 

1988年に登場した盧泰愚政権の時代に作戦統帥権の移譲要求が高まり、その時は、1994年にまずは平時の作戦統制権が移譲され、戦時の作戦統帥権は米韓連合軍司令官が保持したままとなりました。

 

2003年に誕生した盧武鉉政権は「自主国防」を主張し戦時統制権も要求。2007年に2012年4月の移譲で合意されたが、韓国内では戦時の対応能力などが不安視され、李明博政権時代の2010年に移譲を2015年12月に先送りすると決まっていました。

http://www.sankei.com/world/news/141024/wor1410240038-n1.html

 

2014年10月に行われた米韓国防相による米韓安保協議会で、2015年に予定されていた戦時作戦統制権移管を再度延期し、2020年代中ごろを目標に移譲することを合意します。

https://ja.wikipedia.org/wiki/米韓連合司令部

 

 

、、、という経過を簡単にまとめると、韓国では、左派政権の時に、親北・反米傾向が強まって安全保障を独力でおこなおうとするため戦時作戦統帥権を欲しがり、逆に、保守政権の時には、反北・親米傾向が強まり、また韓国軍単独での作戦指揮能力が十分でないため、安全保障は米軍と共同で確保しようとする考えが強まる傾向があることがわかります。

 

 

 

左派の文在寅政権でふたたび?

  

     

       

さて、2017年6月22日の韓国紙・ハンギョレ新聞は以下の記事を伝えています。

  

文大統領は、戦時作戦統制権の移管について、「主権国家として、極めて当然のこと」だと述べ、大統領選期間に提示した「任期中に戦時作戦統制権の移管を推進する」という公約を再確認した。

 

文大統領はワシントンポストとのインタビューで、「韓米両国は韓国が独自に戦時作戦統制権を行使できる条件が整えば、それを移譲することに合意した」とし、「両国は連合司令部体制を通じて長い間、連合作戦能力を発展させてきたため、韓国が戦作権を持つようになっても、連合司令部が維持される限り、韓国の安保や在韓米軍の安全は十分に守ることができる」と強調した。

 

これに先立ち、韓米両国は昨年、韓米安保協議会(SCM)直後「韓国軍が完全に主要能力を持った時、戦作権を移管する」と明らかにした。

 

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27705.html

 

韓国の文在寅大統領。ハンギョレ新聞がワシントンポスト紙のホームページに掲載された写真をキャプチャー。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27705.html

 

 

   

どうやら、左派の文在寅政権が戦時作戦統帥権の移譲を求める考えを表明したとのことです。

 

 

果たして三度目の正直となるのか? それとも二度あることは三度あるになるのか?

 

 

 

戦時作戦統帥権を韓国に移譲して果たして?

     

           

※2016年4月26日 産経新聞 の産経WESTに掲載された記事から一部抜粋します。

http://www.sankei.com/west/news/160425/wst1604250006-n2.html

 

 

韓国軍だけが悩みの種

  

     

韓国という国家が消滅せず今も存在しているのは、朝鮮戦争(1950-53)で米軍中心の国連軍を率いたマシュー・リッジウェイ将軍の功績が一つの理由だ。同戦争で中国軍(表向きは義勇軍)が参戦してからの、困難な“後半戦”をしのいだ名将は自著「THE KOREAN WAR」(日本語版・恒文社)で、韓国軍のありのままの姿を描写している。

 

「韓国軍の態度だけが私の悩みだった。進撃する中国軍は韓国軍部隊を次々と敗走させ、そのたび韓国軍は補充困難な、高価な多数の(米国供与の)装備を放棄した」。

  

        

同様の描写は度々出てくる。51年5月の東部中央戦区では、中国軍の攻勢に韓国軍が「戦線の遙か後方まで駆逐され」た。そして「退却する韓国軍が放棄した装備は、肩をすくめるだけで済むものではなかった。それは完全装備の数個師団を充分に装備できた」と嘆いている。武器を放り出して敵前逃亡するのは韓国軍の常だったようだ。

 

にもかかわらず、当時の韓国大統領の李承晩は「非武装の巨大な韓国の人的資源を米国の武器で武装させれば、米軍の兵員は少なくて済む」といった主張を繰り返し、リッジウェイを不快にした。

 

 

見下す中国

 

リッジウェイによれば「李大統領の第一の課題は、彼の軍隊に充分な統率力を確立することであった」が、李大統領自身が、戦争勃発時に民衆や軍を置き去りにして韓国南部へ逃走を続けた人物だ。そんな最高司令官に倣ったのか、韓国軍の敵前逃亡癖はなおらなかった。

 

リッジウェイは「第一線から全ての韓国師団を引き上げ、訓練する時間が必要」と結論づけている。しかし、誰より韓国軍を弱兵と見下し軽蔑していたのは中国軍だった。戦線に突破口を開こうとする際、中国軍は、英軍やトルコ軍、米軍の担当戦線区域ではなく、常に韓国軍の担当区域を攻撃し、もくろみ通り韓国軍は総崩れとなった。リッジウェイによれば「韓国軍1個師団の崩壊によって、他の国連軍部隊の各側面が危険にさらされ、彼らもまた後退を余儀なくされた」。

 

こんな戦いぶりが3年以上続き、ようやく中国・北朝鮮軍と国連軍の間で停戦交渉が結ばれようとしたとき、李承晩は、“反乱”を起こす。停戦の前提条件のひとつだった捕虜交換を阻止するため、収容所の看守に捕虜釈放を命じ、北朝鮮軍捕虜を市中に解き放ったのだ。反日かつ反共だった李承晩は、朝鮮半島全土が韓国のもの、つまり自分のものになるまで戦争を続けるよう望んだ。

 

 

米国だけが残った

 

国連軍参加各国の態度ははっきりしていた。その声をまとめれば「そんなに戦争を続けたいなら、あなたたちだけでやりなさい」。

 

第二次大戦を戦い抜いてわずか5年後、地の果ての極東で小国の内戦に縛り付けられる理由がどこにあるのか-。

 

国連軍は予定通り停戦協定を結び、日本統治も含め極東の安定に責任を持つ米軍を除いて韓国を去った。

 

2013年、韓国紙の中央日報はこの捕虜釈放について「李承晩は韓国の単独行動でいくらでも停戦体制を崩すことができるという点を世界に知らせた」と、李承晩の“外交力”を肯定的に評価している。こういった「韓国は常に正しい」式の見立ては韓国以外では通用しない。

 

韓国軍の敵前逃亡について苦言を呈したリッジウェイは、日本ではダグラス・マッカーサーほど知名度は高くないが、米国では「最高の軍人」との評価が確定している。朝鮮戦争当時、中国軍の人海戦術に押され士気阻喪した米第8軍を戦闘集団としてよみがえらせた手腕は、米陸軍で統率(リーダーシップ)の手本として今も信奉されるとともに、一般のビジネス書にも組織運営の理想として取り上げられている。そのリッジウェイの著書によって、多くの米国民が、「本当の朝鮮戦争」を知っているのだ。そして、上官と部下が揃って逃げる韓国軍の実態も-。

 

 

 

米国の同盟国への軍事支援の条件

  

 

2016年4月26日 産経新聞の記事は次のように結んでいます。

 

『米国の“軍事支援”の姿勢は明確だ。例えば日本の尖閣諸島について今年2月、米太平洋軍のハリス司令官は、尖閣諸島をめぐり中国が日本を攻撃してくれば、「米国は間違いなく、日本を防衛する」と述べたが、

 

一方で「米軍が尖閣の防衛義務を果たすからといって、日本が自らの努力を怠れば、米軍が出動する前提が崩れるということだ」と強調している。祖国が侵攻されたら、まずはその国の国民が戦うべきだという当然の主張だ

http://www.sankei.com/west/news/160425/wst1604250006-n2.html

 

 

 

果たして現在の韓国軍・韓国社会は、60年前の韓国軍・韓国社会の自己中心的で他力本願的な価値感から根本的な脱却を果たしているのでしょうか? 

 

 

そのような価値感の脱却を果たしていなければ、戦時作戦統帥権のみを韓国軍に移譲したところで、自国を守ることなどできないでしょう。米軍は韓国軍との共同作成を早々と諦め、日本と共同で敵と戦う選択肢を選ぶかもしれません。

 

 

あるいは米軍も頃合いを見て撤退することもあり得るでしょう。この場合、あまり想像したくないことではありますが、朝鮮半島全体が共産化してしまうでしょう。すなわち、地政学的に、日本の安全保障環境は今よりも何倍も厳しくなります。今から百年前の日本は、当時、南下政策を採用していたロシアの進出を阻むため、条約を締結し、日韓併合をおこない、自国の安全保障を図ろうとしました(#1)。

 

  

そして、日本の現在の安全保障体制は、有事に、同盟国の米国がいつでも出動できる状態になっているのでしょうか?

 

 

日本と韓国。双方に共通していることは、どちらも自国独自の軍事力だけで自国の安全保障を確保できないことでしょう。

 

 

 

(#1) 1910年8月22日に、韓国併合条約が漢城(現在のソウル特別市)で寺内正毅統監と李完用首相により調印され、同月29日に裁可公布により発効、大日本帝国は大韓帝国を併合し、その領土であった朝鮮半島を領有します。いわゆる日韓併合です。

 

条約締結の前には日本国内では反対論も強く、伊藤博文は反対論者でした。

http://ironna.jp/theme/233

 

朝鮮半島は日本の安全保障にとって地政学的に最重要な位置にあります。日清戦争、日露戦争を戦い、韓国を自主独立の国に生まれ変わらせて、当時、極東で南下政策を取っていた大国ロシアの侵略を阻もうとしましたが、結局、当時の大韓帝国にはそれを達成できるような条件も能力も整っていませんでした。

http://jdjapan.blog.fc2.com/blog-entry-26.html

 

いろんな見方があるのは承知していますが、少なくとも当時の日本にとって、日韓併合は自国の安全保障上、止むを得ざる措置でした。