産経ニュース『公明・遠山清彦国際局長 慰安婦問題「日本の立場は変わらないことを発信すべきだ」』 | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

2017年4月3日 21時半ころ、産経ニュースに表題タイトルの記事が掲載されました。
http://www.sankei.com/politics/news/170403/plt1704030055-n1.html

 

 

釜山総領事館前の慰安婦像を問題視し、1月9日に一時帰国させていた駐韓日本大使を本日4月4日(火)に帰任させる日本政府の決定について、公明党の衆議院議員・党国際局長のコメントが報道されています。

 

(1)公明党の遠山清彦国際局長は3日、岸田文雄外相が長嶺安政駐韓大使らを4日に帰任させる方針を表明したことについて、韓国の政情が不安定なことを踏まえ「韓国との2国間関係の重要性を考えれば、正確な情報収集が必要だとわれわれも考えている。帰任の判断は評価できる」と述べた。国会内で記者団に語った。

 

(2)日韓両政府は平成27年12月、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」されるとの「日韓合意」を締結したが、韓国側は釜山の日本総領事館前の慰安婦像をいまだ撤去していない。

 

(3)遠山氏はこの点について「今回の大使の帰任によって、日本の国会議員や政党、政府の立場が変わることは一切ない。そのことも合わせて明確に発信していく必要がある」と強調した。

 

 

いかがでしょうか?

 

 

個人的には今回の駐韓日本大使の帰任については賛成できません。

次期韓国政権を担う可能性がある陣営に対する情報収集や関係構築はたしかに重要なことだと思いますが、駐韓大使帰任のカードを切るほどの条件・状況だったのか?残念ながら日本の報道からは、どのような条件・状況のもと日本政府が今回の判断に踏み切ったのか知ることができません。

 

韓国側が駐韓大使の一時帰国に対して、コンタクトを拒んでいるなどの状況であるならばやむを得なかったかもしれないなとは思います。

その場合の「韓国側」が意味するのは、韓国政府側という意味と、それ以外の野党側の韓国大統領候補側という意味になりますが、この局面で重要なのは後者の野党側の韓国大統領候補側とのコンタクトでしょう。

支持率調査で約3割の支持を得ていた韓国最大野党「共に民主党」の前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏が4月3日の党の予備選で党の公認候補に選出されました。同党の他の候補達の支持率も加算すれば支持率としては5割前後になり圧倒的です。

この陣営との関係を構築を図る目的で、駐韓大使帰任という「譲歩」を手土産にコンタクトしようとしているのでしょうか?

ある種の理屈としては理解はできますが、現在までにいくどもメディア報道されてきた情報に基づけば、駐韓大使を帰任させたところで、文在寅氏の強行な反日(・親北)路線が変わる可能性はかなり低いと思います。低い可能性なのはわかっているが、一縷の可能性に賭けてみたのかもしれませんが、、、

 

今朝、4月3日23時台に、同じく産経ニュースに『慰安婦像「韓国側の行動次第」だったはずが…日本政府チグハグな対応』という記事が掲載されました。
http://www.sankei.com/politics/news/170403/plt1704030057-n1.html

 

ポイントだけ抜粋すると、

 

(6)大統領選をめぐっては、韓国の最大野党「共に民主党」が3日、予想通り文在寅(ムンジェイン)前代表を党公認候補に選出した。文氏は像撤去に向けた「韓国政府の努力」を明記した一昨年の日韓合意破棄に言及しており、大統領選期間中から文氏サイドに働きかける必要があると判断した。

 

(7)日本政府には黄(ファン)教安(ギョアン)大統領代行への期待感もある。黄氏は韓国外務省よりも事態収拾に前向きとされ、直接説得する機会を模索したが、「外交儀礼上は長嶺氏でなければ黄氏に会えない」(外務省幹部)という事情があった。

 

(8)だが、長嶺氏帰任は、日本側が像撤去を重視していないとの誤ったメッセージになりかねない。慰安婦像の問題に進展がない中、長嶺氏らの帰任時期は韓国側の行動次第と説明してきた。今回の措置は、この方針と明らかに矛盾する。

 

(9)「まったくそんなことはありません!」

岸田文雄外相は、慰安婦をめぐる日本の意図が誤解される可能性を記者団に問われると、珍しく声を荒らげた。「日本の覚悟は再三韓国政府に伝えている」とも強調したが、日本の「覚悟」が韓国政府や文氏に届く保証はどこにもない。

 

 

上述したように、(6)について、次期大統領候補との関係構築の可能性を探ってみること自体は理解できますが、だからといって駐韓大使帰任カードを切るほどの局面だったのか? 大使帰任カードを切った場合の勝算確率がいかほどのものと予想していたのか? 疑問に思います。

国と国との外交ルート以外でも他にもルートはあったのではなかろうか、と思います。韓国に進出している民間法人ルートとか、日韓議員連盟ルートとか。

もしもそういうルートの使用もおぼつかないほど日本外務省が官僚的であり、組織として(まるで死後硬直のように)硬直していたというのならば、いち日本国民としてはそのような外務官僚しか得ることができなかった不幸を嘆くしかありません。

 

(7)についてですが、日本政府・外務省側が黄教安・現大統領代行を説得して自体収集を図る可能性を模索したようです。理論的には0ではありませんが、現代行政権の首班を説得したところで、それが次期政権へ自動的に引き継がれる可能性など0に等しいと思います。ほとんど焼け石に水です。

過去数十年にわたる日韓関係の歴史をも振り返るならば、正直言いますけど、今回の日本政府・外務省の対応に対しても、困難な状況を前に右往左往し軽挙妄動をしていると批判されてもやむを得ないのではなかろうかと思います。

 

(8)と(9)で、駐韓大使帰任という判断が日本側が像撤去を重視していないとの誤ったメッセージを韓国側に送ることになりかねないのではないかと記者らに問われ、岸田外相が「そんなことはない」と珍しく声を荒げたとのことです。

 

外相としては痛いところを突かれたと思ったのでしょう。
別の言い方をするならば、十分作戦を練って、高い確率で作戦の成功が見込まれるような状況ならば、もちろん自信もあるでしょうから、そのような記者の質問にも余裕で笑みを浮かべ、冷静に「そんなことはありません」と答えていたと思います。


私は今回は駐韓大使帰任というカードを切るべきではなかったと思います。勝算のほとんどない勝負に短絡的に挑んでもエネルギーの無駄使いです。

 

おそらく強行な反日・親北政権となるであろう次期韓国政権とも、慰安婦問題や歴史認識問題については「がぶりよつ」で向かいあって、日本政府として言うべきことは言い続ける。そのような腰の据わった対応がなぜ日本政府・外務省にできないのか? 戦後70年以上も立つのに???

 

これも、もしかしたら突き詰めると、東京裁判史観に行き着くのでしょうか?

人々にいったん植え付けられた考え・思想というのは時代を超えて、何世代にもわたって将来の人々にも影響を与え続ける。そういう歴史的な事実を、特に日本の政治家、官僚達、経済団体のトップらにはきちんと肝に銘じて欲しいと思います。

 

あるいは、可能性としては、北朝鮮問題に対応を迫られている米国が、この局面では日米韓三カ国の協力を重要視し、日本に韓国との宥和を早急に図るよう圧力をかけられたということもあるかもしれません。

しかし、現在のトランプ政権では国務省を含む役所の高官人事がまだきちんと進んでいないという情報も漏れ伝えられてきているので、そんな状況の米国側から果たしてそんな圧力があるものなのか?いささか疑問に思います。