ニーズとウォンツ 第二回目です。
それでは、第一回目の時のAさん、Bさんのニーズをウォンツを掘り下げてみようと思います。
■Aさんの場合
Aさんは、「座っていきたいので、1本送らせていきます」と答えています。
つまり、Aさんは時間がかかってでも座って快適に目的地に着くことが一番と考えています。
ということは、Aさんにとっての本当のニーズは「快適に目的地に着く」ということで、
そのためには、「電車を1本送らせてもかまわないと思っている」=「座りたい」がウォンツになります。
さて、ここからがマーケティング目線です。
では、この「座りたい」を実現するために、鉄道会社がAさんの利用駅を始発にして座れるようにダイヤを工夫したとします。
これで売り上げは上がるでしょうか?
答えは、わからないです。
なぜなら「座りたい」は、Aさんのウォンツだからです。
Aさんのニーズは「会社に行く」です。
なので、たとえばAさんにとって、さらに快適に目的地に着く手段が与えられれば、Aさんはそっちを選択します。
この先、Aさんが出世をして運転手が毎日家まで迎えに来てくれたとするなら、Aさんは車で出社する確率が高いです。なぜならAさんは「快適に会社に行きたい」のであり「電車に乗って会社に行きたい」とは答えていないからです。
実は、ブームの商品などはこれとほぼ同じマーケティング手法で、ウォンツありきの商品だったりします。
つまり、「ほかの人が持っていてはやっているから自分も欲しい」といったウォンツだけであり、「その商品がなければいけない」といったニーズ(=持続性・目的)がないのです。
結果としてその商品は長く市場にとどまることは少ないです。
ブランド品や高級な車などは、特にこのウォンツのみで消費活動をしているものが多いです。
欲しいかどうか聞かれれば「欲しい」と回答されますが、その商品でなければ絶対にダメ!といった人は少ないので、結果として購入までは至らないことが多いです。
このような商品はどうように戦略を立てるべきなのか。
それは、もう少し下で紹介したいと思います。
では、Bさんはどうでしょうか。
Bさんは、「最初にきた電車に乗る」といっていることから、Bさんのウォンツは、「すぐにでも会社に行きたい」となります。
Aさんと違い、快適に会社に行きたいとは答えていません。
まとめますと、
Aさんのニーズ 快適に会社へ行く
Aさんのウォンツ 座って電車に乗りたい
Bさんのニーズ 早く会社へ行く
Bさんのウォンツ とりあえず早く電車に乗りたい
となります。
Aさんには指定席を、Bさんには快速電車を増やすなどを戦略としてとれば、結果として二人のニーズとウォンツを満たすことになります。
つまり、ニーズの中にさらに一歩踏み出したニーズを見つければ、それがライバルとの差別化となり結果として売り上げの増加に結びつきます。
ここでの注意は、あくまで付加価値であるウォンツをニーズとして勘違いしてしまうと、誤った戦略をとってしまうということです。
では、ニーズもウォンツもない商品はどのようにして販売戦略を立てるのかという問題にあたります。
そのときは、ニーズを起こすようなイベント、たとえば試食やサンプルの配布などをおこなったり、広告を展開して商品に対するイメージをよくしてウォンツを喚起したりします。
ニーズとウォンツは、人間の無意識を考える必要がでてくるのでややこしいですが、戦略を立てる上でニーズの中にもさらに一歩踏み出したニーズを考え、ニーズとウォンツを勘違いしないことがもっとも重要になります。