本筋とズレ | 発声・せりふ・歌唱のためのヴォイストレーニングの知恵[NEW]

発声・せりふ・歌唱のためのヴォイストレーニングの知恵[NEW]

声、発声、セリフ、ことば、歌唱、表現、舞台、身体、聞くこと、芸能、日本文化、伝統、発音、業界、ヴォイトレに関心のある人に

“科学的トレーニング法”などがもてはやされている今や、生理学的な数値や動きを可視化したデータなどで一喜一憂している人が増えているのは、仕方のないことかもしれません。しかし、そのために真に深めるということがなおざりにされているように思えてなりません。

歌を、カラオケの機器の判定で楽しむならまだしも、点数アップに賭けるとなると、ただのゲームとなるのです。

しかし、そういう分野ができ、そういうことを目指す人やそれを助けるトレーナーが出ることについては、否定や批判するつもりはありません。趣味や娯楽、健康や生きがいとしてアマチュアイズムの中で活用されるのは、何事であれ、よいことでしょう。

私が一貫して述べているのは、そうしたものと異なるのではなく、その中にもある本筋としての芸道ということです。

裾野が広がったことでアマチュアからプロが出てくるのはよいことです。しかし、問題は、そのプロのレベルの向上のことです。ハイレベルになるのなら歓迎ですが、向上心と実力のキープがなされないと、ただ、もったいないことになるということです。