型ゆえに、最初は形を感じ型にはまり、硬く固まるものです。心身と感覚が整ってきたら、ようやく心地よく一体になっていくのです。

これは、遠回りして先の先にいく手段です。すぐに少し声がよくなることを目指すのなら、マッサージや整体で充分です。

型通りに行うことに対しては、嫌な感じ、変な感じというのをもってよいのです。素直なら、これまでと違うことをするのに違和感を感じるものです。それを絶対に正しいとして、そう感覚しなくなるとしたら、感性の鈍化です。

喉の強化というのは、目指すものではなく結果です。プロセスでは、その負担を不安定から心地よさに変えていくのです。

 それには、そこと反する嫌な感じを実感できることが必要です。量や時間をかけることは、それを知るためにあるのでしょう。つまりは、無駄を知るための無駄のようなものとして、必要なのです。

 「トレーニングは、必要悪」と言ってきたのも、そういうことです。そうして、どっぷりと、はまるためではなく、抜けるためにするのです。