インビクタス/負けざる者たち / 2009年米 | TDR&MOVIE

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インビクタス/負けざる者たち / INVICTUS

反アパルトヘイト運動に参加し、1964年国家反逆罪としてロベン島に収監されていたネルソン・マンデラ。
四半世紀あまりも投獄されていたマンデラは1990年に釈放。
1994年に行われた全人種の参加した選挙にて大統領に就任し新政権を樹立。
マンデラ大統領の自国をひとつにするという目標に向けた、心温まるエピソードがここに描かれる。

イーストウッド監督の得意とするところのひとつ<民族問題>というテーマ。
南アフリカ共和国の歴史のひとつ『アパルトヘイト』。
制度廃止後、彼らの国がどのような歩みがあったのかという、デリケートな題材を扱ったこの作品。
後に誕生したネルソン・マンデラ氏のとった行動と、ジョン・カーリン原作の小説を元に作成された、今作。
物語はマンデラ大統領誕生から。
肌の色で分裂してしまった国を、どのようにしてひとつにしたのかという、彼が残した功績のひとつを映像化。
その功績に一役買ったのは、自国開催されるラグビーワールドカップだった。

南アフリカ共和国がどういう国で、アパルトヘイトとは?とか、マンデラ大統領って?ラグビーのルールは?
と、何もかもが未知な私が観にいったのですが・・・心配は杞憂に…
最初から最後まで、目が話せぬ展開と、テンポ良く進むストーリーに、引き込まれていきました。
重くなるであろう題材も、イーストウッド監督の手にかかれば、それはとても素敵な作品をなるのでした。

マンデラ大統領演じるはモーガン・フリーマン。今回は主演と製作総指揮と二役。
大統領自身も、もし自分を演じてくれるのならモーガン・フリーマンにと言っていたとのこと。
ジョン・カーリンの描いた作品に興味を持っていたフリーマンと正に相思相愛。
作品を観た後に、実際の大統領の映像を観ましたが、ソックリではないけれど、
モーガン演じるマンデラのその雰囲気そのままに、演説のシーンなども、かなり似ていました。
アクセントなど、かなりこだわった様子。
誰にも平等に優しく接するマンデラ大統領。
平和を愛するその心が、フリーマンを通して、伝わってくるようでした。
特に就任後の官邸に入るシーン。
自分たちの荷物をまとめる白人たちに対する言葉にいきなりホロっと来ましたよ。

そして、キーパーソンとなるチームキャプテン役のフランソワ・ピナールには、大好きなマット・デイモン!
実際はかなりの大男であったピナールを、その存在感で大きく演じていました。
マンデラ大統領を立てるように、ややキャラクターを抑えたようにも感じました。
アパルトヘイトの象徴的存在であったラグビーチーム<スプリングボクス>。
弱小だったチームだったが、マンデラの思いを受け止めたピナールが、チームメイトと共に精気を上げ試合に挑んでいく。
ラグビーのルールはあまりわからないけれど、試合のシーンは手に汗握りました。

マンデラ大統領の警護にあたる、白人と黒人たちの交流もとても良かったです。
最初は反発するものの、思いはひとつ。
大統領を護ることから、ラグビーに理解を示し、彼らと共に自国をまとめ、盛り上げていこうとする心。
きれいに描いていましたが、実際はもっとお互いに警戒心いっぱいだったと思います。
まずは自分の近くの人間からという、マンデラ大統領の意図するところ。
そんな彼らの関係の描き方もまた、イーストウッド監督独特の雰囲気を醸し出していました。

マンデラ大統領の素晴らしい愛国心。自国をひとつにしようとする、その決意。
チームキャプテンのピナールとの固い約束。
ピナールの大統領に対して生まれた敬愛。
ワールドカップで優勝をすることによって得られた、民族がひとつになることの素晴らしさ。
少しずつ少しずつ、変わっていく南アフリカ共和国という国をこの作品を通して感じることが出来ました。

『グラントリノ』でイーストウッドの奏でる音楽はステキだなって思った私。
今作もまた、息子カイルの音楽が、一役買っていました。

そうそう…白人の警官と黒人の少年の絡みも台詞こそ無かったものの、とても心が温まりました。

監督 クリント・イーストウッド
製作総指揮 モーガン・フリーマン、ティム・ムーア
原作 ジョン・カーリン
音楽 カイル・イーストウッド、マイケル・スティーヴンス
脚本 アンソニー・ペッカム
出演 モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ、パトリック・モフォケン、マット・スターン、ジュリアン・ルイス・ジョーンズ、アッジョア・アンドー、マルグリット・ウィートリー、レレティ・クマロ、パトリック・リスター、ペニー・ダウニー
上映時間 134分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id335400/