翌日、念のためにと実家へ行った。

「待ってたよう」

母の第一声に思わずため息がこぼれた。居間の障子が破られ、キッチン以外にフンが落ちていた。どこから彼らは出入りしている?昨日は家の外回りとキッチンだけの確認をしてもらったが、それだけでは済まなかったということだ。ネズミが室内をふらついているのだ。

 

 再度夫の友人が来てくれて、ペンライトのようなものを持ち、各部屋を丹念に見てくれた。

「こんなところにも?」

って所にフンを見つけた。


 殺鼠剤と粘着シートを数カ所に置いてくれた。母にもきちんと知らせる。こういうこと、母はとても神経質なので、紙に書く。

「どこに薬をどれだけ置いたのか、どこに粘着シートを何枚置いたのか」

同時にそれを妹にも伝えた。


これが家じゅうのそこかしこに置いてある😖

 

 夜、妹から電話があった。

「お姉ちゃん、ありがとう。ところで、粘着シートってあのゴキブリホイホイみたいなのだよね?」

「そうそう」

「で、それって屋根付き?」

「はっ?屋根?そんなものついてませんよ」

ネズミのおうちを想像して笑えた。

「じゃ、むき出しね。ちょっと苦手かも‥‥‥」

 

 それが得意な人なんていないと思う。でも私は妹よりはましなのかな?

 

 次の日も実家に行って各所を恐る恐る確認する。殺鼠剤がケースごとひっくり返ってばらまかれている。明らかにここを通った形跡はあるものの、捕獲には至っていない。ホッとするような残念なような複雑な気持ち。

 

 すると、ケアしていなかった隣室で、障子紙が破られていた。が、そこは雪見障子になっていて、ガラスがはめ込んであるので出られなかったと思われる。ってことは、敵はこの部屋に潜んでいるのか?どこから入り込んだ?出入り自由ってこと?思わず身を小さくして目を拡げてキョロキョロした。

 

 ネズミとの格闘、いつまで続くやら。ひと月はとうに過ぎた。妹か私がほぼ毎日のように実家に行って、形跡があると思われるところの写真を撮る。少しの変化も見逃さないように。庭に落ちていた障子紙、テーブルに無造作に置いてあったチラシの端には何か所かの噛み切られた痕?私のスマホには多くのそれらの写真が納まっていく。

 

 私たち、警視庁捜査班の刑事のごとし。早く犯人確保に至りたい。

 

 続きます