夫の友人と3人でアルコールを囲んだ。
その方は昨年、奥様をがんで亡くされた。ご自身も現在がんと闘っておられる。今はお子さんもそれぞれ独立し、1人で生活なさっている。1年で家のこと、なんでもこなせるようになったようだ。すごいことだなあと私は思う。
闘病だけでも大変だろうに、その上、あまりやったことのない家事も、とは。私はここぞとばかりに発言した。
「夫は何もしないし、やろうともしないんですよね~」
彼が言うには
「ウチの場合はさ、カミさんが今までもちょこちょこ入院歴があったから、そのたびにマニュアルを作ってくれて、だんだん難易度も上がり、できるようになった。急に何もかも、は無理だよ。beachanも1週間ぐらい家出しみたら?」
だって。
「いや~、夫は1週間程度じゃ、ダメだと思う。何にもしないで1週間過ごせそう。私が帰ってくると思えば、洗濯物だって1週間貯める根性あり。最低でもひと月が必要だわ」
って私は笑いながら応えておいた。夫は
「オレは寮生活もしたことがあるから、いざとなったらできる」
って言い張る。いっつもそう。
でも今まで、何十年も何もしなかった人が、
「はい、今日からは自分でやってください」
と言われて、できますか?買い物はできる、食べることは外食すればいい、洗濯機もあるし、掃除機もある、そういうこととは違うんですよ。第1にやる気の問題だ。
「やろうと思えばできるけど、面倒くさい」
になる。私だって、たかだか3日旅行して、戻ったときのあの家事の面倒くささったらありゃしない。そして、細かい名もなき家事、これが曲者だ。
夫のこの40年の家事歴を振り返ってみる。料理、トイレ掃除、ゴミ出し(分別を含める)、洗濯物たたみ、ゼロ。食器洗い、洗濯、10回ほど。こうなったら、それ以外のこと、自ずと知れたもの。
日頃、夫が何もしないことへの不満もあって、私は
「私がいなくなったらどうするの?」
と言った。友人もいるから、こういう会話もまろやかになりやすい。2人だけだと険悪になりがち。
そしたら、笑いながら
「いいよ~、そんなに心配してもらわなくても大丈夫だよ~」
って言われた。あ~ん、心配なんてしていませんよ。愚痴を柔らかく伝えたんですよ。全く響かなかった。
やる人が自分しかいなかったら、やるしかない、生きていくためには……、そう考えるのは当然ですが、私の予感として、夫は娘や義娘、息子になんとなく頼んじゃうことがありそう。私としては、子どもたちには手を患わせたくない。
ここが夫のいいところかなぁ。自分本位に何でも感じたままを良い方に素直に捉える。そしてすぐに人を頼っちゃう。
どうしてこうも男性(我が夫)は自分より妻の方が長生きすると信じて疑わないのだろうか。確かに平均寿命は女性の方が長いけれどね。私だって、
「何があるかわからないわよ」
と脅してみるが、彼は笑うだけ。
「オレよりは何かある確率が、絶対低い」
と言って。