両親は共に兄弟姉妹が多かったから、私には伯父伯母、叔父叔母がたくさんいる。が、既に鬼籍に入られている方のほうが多い。お元気でいらっしゃっても高齢になり、そうそうお会いすることはない。悲しいかな、どなたかの葬儀で、とか法事で、てな具合となる。

 

 そんな時に、話題になるのが

「お義姉さん(私にとっての母)はお元気?」

「1人で暮らしていらっしゃるのはすごいわよね」

と実家のことになる。

 

 母は年のせいか、60で患ったくも膜下出血がきっかけか、人前に出ることを避けるようになった。商売を営んでいた頃は明るい笑顔で張り切っていたのになあ。そんなわけで、親戚の集まりなども私にお役が回ってくる。

「beachan、私の代わりに出て」

そうして叔母たちとそんな会話をするのだ。

 

 私が言う。

「私が運転免許を持っていたら、母をいろいろな場所に連れて行かれるのに」

「私が運転免許を持っていたら、この前の低温やけどの時もすぐに病院に連れて行ってあげられたかもしれない。母だって私ならば甘えたかもしれないけど、私の夫や子ども(母にとっての孫)にまで迷惑はかけられないと病院行きを頑なに拒否したのかも」

それに対してA叔母さんが言った。

「beachan、自分を責めちゃあいけないよ。じゅうぶんにできることをやっているんだから」

 

 B叔母さんに聞かれた。

「beachanがいつもお義姉さんのところに行っているんでしょ?」

私が答える。

「はい、弟も妹も海外だから。でも妹はこちらに戻ってきたときは私より働きます。妹は私より、ずっとフットワークがいいから」

笑い声がおこる。そして、B叔母さんが言う。

「近くに住んでいるからねぇ。beachan、偉いわね。でもさ、出ちゃったもん勝ちよね」

 

 実家から遠く離れたところに住んでしまえば、何もしなくていい、何もできない、そういうことを意味したのだろう。何もしなくていいとは思わずとも、遠くに住んでいることが何もできない理由になる、そう言いたかったのだろうか。

 

 私は、自分を責めるのはやめようと思った。ただ、結婚してからも実家からそう遠くない場所に住んでいることを負けたとは思っていない。