以前、ブログに母と妹と私の3人でラッキョウ漬け作業をしたことを載せた。なんだかいい感じに終わっているけれど、本当のところは

「大変です」



 今年、注文してからなかなか入荷のお知らせがなかった。6月に入っていた。せっかちな母は待てなかった。当たり前だが、ラッキョウは、工場で生産するものではない。その年の気候による。雨が多い、寒の戻りがあった、などで野菜の収穫時期は 異なる。昨年までは、5月20日過ぎにはゲットできていた。

 

 そのせいか、母は

「まだなのかねぇ。beachan、八百屋さんに聞いてみてくれない?」

と言う。

 

 私は土曜日に八百屋さんに行ってみた。そこで言われた。

「今年は遅れているんだよね。鹿児島産ならば店に並び始めたけど、やっぱり、鳥取のふくべ産だよね?」

それを母にそのまま伝える。

 

 数日後には

「まだ?夜も眠れない」

が始まる。

「夜も眠れないなんて、もう来年はやめたら?」

と私は実娘として容赦なく意地の悪い言葉を投げかける。母は、下を向いてしまう。

 

 そして、私は八百屋さんに電話する。

「お手数おかけして、申し訳ないですが」

の言葉を添えて、入荷予定を聞いてみると、そろそろ入ってきているけれど、質も価格もまだ安定していないから、もう少し待った方が良いとのこと。

 

 母にそのように言うと

「値段が高くてもいいから今すぐほしい」

と言い出す始末。なんとかなだめて、数日後やっと八百屋さんから

「beachan、ようやくいいのが入ったよ」

と電話があった。

 

 そうして、母、妹、私で下作業をしたと思ったら、本漬けの日は自分で勝手に決めていて、ヘルパーさんに

「今度の月曜日はお風呂はお休みでいいです」

と介助のお断りをしていた。その日は妹がかり出された。やれやれ。

 

 年齢を重ね、自分中心に事を運ぼうとする。

 年齢を重ね、頑固になった。

 年齢を重ね「考えると夜も眠れない」が脅し文句    になった。

 

 母に振り回されるのはごめんだけど、今年もおいしくできあがった。そして、いつからやっていたのかと聞いたらば、なんと50年前からだということが判明した。半世紀……これはもう、店出せるわ。

 

これらが我が家分、この袋がほかにいくつも
用意され、私が現在親戚に配達中OK

 

 「ラッキョウ漬け」

高齢の母の頑張りを応援したい気持ちと面倒だからやめたい気持ちと……私はその狭間で揺れ動く。年にたった1度のこと、頼まれたら、動くしかないか……。それに、半世紀続けてるって聞いたら、やめられないかな。