南こうせつさんのコンサートに行った影響もあるだろうが、なんかちょっと妹のことを書きたくなった。あの歌では兄が妹の嫁ぐ前日に色んな思いを抱えて、それを詞にしている。私は姉にあたるし、妹もとっくに結婚しているので、状況は全く異なるけれど。

 

 

 父が生前よく言っていたのが

「兄弟姉妹仲良く、ってのが一番うれしい。親として子ども同士がいがみ合っていたら、一番悲しい」

ってことだ。私たち3人はまあまあ、良い方だと思っている。

 

 兄弟姉妹の仲が悪いって話、周りから結構聞く。何がそうなってしまうのか、かと言って、私たちが偉いわけでもなく、何が違うんだろう?

 

 中には親として

「自分の子どもの中でも好き嫌いがあるよ」

と堂々と言う人もいる。

「私はお嫁ちゃんは好きなんだけど、顔が嫌い」

っていう友人がいて、みんなで

「何それ?」

って、突っ込んだ。彼女に

「タレントの〇〇に似ている」

と言われても皆で頭をかしげるばかり。

 

 弟は私と年子だったから、小さい頃の思い出は弟とのものばかり。妹は年が離れていたせいもあって、お互いに共通の思い出がない。流行った歌にしてもドラマにしても。

 

 先日は

「ピンクレディーとキャンディーズは小学生」

と言われて、まあ、年の差を感じたね。高校生だった私は、男子がさかんに

「どっち派か?さらにだれ派か?(今でいう推し)」

で盛り上がっていたのを思い出す。女子は

「スーちゃんとミキちゃん、かわいい」

と言っているのに男子はあの何とも言えない色気に魅了されてしまうのか

「断然ランちゃん」

と叫んでいたわ。

 

 と、話はそれたが、それだけ離れていても最近はもっぱら妹とのおしゃべりが楽しい。先日は初めてお泊り旅をした。楽しい2日間だった。

 

 「いつも偉そうにしていないだろうか?」

「妹に対して『尊敬といたわりの心を持ち続けろ』という態度をとってやしないか?」

常に私は心に留める。

 

 その昔、妹がおしゃべりが上手になってきたころ、私は「おねえちゃん」と呼んでほしくて、強要していた。弟には「beachan!」と呼ばれていたから、「おねえちゃん」に憧れがあった。確かに頻繁に

「私を呼ぶときにはbeachanじゃなくて、おねえちゃんだからね!」

って言ってたわ。今更だけど、ごめん。

 

 海外に住む彼女は、母のことを私に任せきりにしているといつも私を気遣い、感謝してくれる。年に一度の里帰りは数ヶ月にもなり、その間は様々母のために時間を割いている。病院付き添いに始まり、普段私の手が及ばない庭の木を切ることや家の中の細かいお掃除等々。


 私はここぞとばかりになるべく時間を作って妹とのアルコールとおしゃべりに興じる。私にとって大切な妹だ。


 母の介護と、高齢者仲間入りした姉のお付き合いと……妹にとっては忙しい帰国だね。