7年ほど前から仕事がフルになり、土日しかお休みが無くなった。その貴重な時間も 1週間分の食材購入、掃除、義父、実母のお世話(様子見)に費やされる。孫のスポーツやおけいこの発表会も教えてもらえれば応援に駆けつける。友人とのお出かけもする。ま、これらは好きなことなのでいいけれど。美容院も3カ月に1回がやっと。

 

 長期の旅行もできず、何か何か楽しめる自分時間を持たなければ、と探したら、コンサートなどならば時間が取れると気づいた。今までも映画やミュージカルも見たが、昨年の谷村新司さんのご逝去には心折れた。アーティストさんの本物の姿を見たくなった。そうして最近は、ミュージシャンやらお笑いなどのライブに行くようになった。

 

 先日は、南こうせつさんのコンサートに行ってきた。懐かしい曲と優しい声と絶妙な「間」のトークに笑いあり、癒しあり。歌というのは、一瞬で当時の若かりし頃の自分に戻してくれる。忘れていた思い出もよみがえる。

 

 今どきの歌、相手の気持ちに寄り添うような歌詞が多い。ラップ調のノリのいいリズム、韻を踏んでいる詞に、感心するばかり。ダンスにもふさわしい。


 けれども歌いにくい。単語の途中で区切りがあって、どこで息継ぎしたらいいのやら。歌が下手なので、いいのですが。それに人前で歌うわけでもないし。

 

 私は、絵が描ける曲が好きだ。

 

 そう、もう40年以上も前、私がOL勤めをしていた時のこと。1年後に男性新入社員が私の所属する課に配属になった。私の後輩になる。が、彼は年齢は1つ上だった。現役合格した大学を2年で中退して(仮面浪人で)早稲田大学に入り直したという。

 

 その理由が南こうせつさんの『神田川』に憧れて、ですって。神田川沿いの小さなアパートに暮らしたかったって。歌詞通り、銭湯が近くにあるところを探し当て、ここだと確信して決めた三畳一間の小さな宿。胸に響いたよ。

 

 昭和の曲って実際の体験や経験を歌ったものが多く、固有名詞が結構出てくる。こちらから近づきたくなるものが多い気がする。でも私は、せいぜい、山手のドルフィンに行ったとか、中央高速をドライブしてビール工場を見たとか。


 彼はすごかった。大学の学部も受験できるものはすべて受け、将来のこととか、学費とか、考えずに憧れだけで、夢を実現させた。今の時代にそういう若者、いるのかな?将来をじっくり考え、「やり直し」はなるべく避ける。

「後先考えずに進んでみる」

なんてこと、しなさそう。


 今思えば、一番重要なのは、三畳一間の小さな下宿でもなく、横町の風呂屋でもなく、同棲したってところだったと思うんだけど……。そこはどうだったのか、聞き忘れたと言うか、聞けなかったと言おうか。


 そして今どうしているかな?K君