東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ -4ページ目

東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

この情報はちょっと怪しいところがありますが、個人的にかなり気になったので紹介します。弊社ではろう付と言う工程で水素ガスを大量に使用します。この水素はガスとして購入しているので、毎月かなりの金額を支払っています。

 

この水素ガス、一昔前はあまり注目されていなかったと思いますが、近年100%クリーンなエネルギー源として注目されています。水素は、酸素と結合して電気を生み出し、燃焼してもCO2など温室効果ガスではなく水しか排出しません。従って最近では地球温暖化、エネルギー安全保障、そして脱炭素社会の実現などの課題に直面する中で、水素が次世代エネルギーの有力候補として注目されています。

 

しかし水素は何でも同じではないのです。水素って作り方によっていろいろな種類があって呼び名が違うのをご存じでしょうか。

 

グレー水素: 主に天然ガス、石油、石炭などの化石燃料を原料として製造されます。最も一般的な方法は、天然ガスを水蒸気と反応させる「水蒸気改質法」です。しかし、製造過程で大量のCO2が大気中に排出されます。現在、世界で最も多く生産されている水素ですが、環境負荷が高いとされています。

 

ブルー水素: グレー水素と同様に化石燃料を原料としますが、製造過程で発生するCO2をCCS(二酸化炭素回収・貯留)」やCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)」といった技術で回収し、地中に貯留したり、別の用途に利用したりします。CO2が大気中に排出される量を大幅に削減できますが、完全にゼロではありません。

 

グリーン水素: 太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーによって発電された電力を用いて、水を電気分解して製造されます。製造過程でCO2をほとんど排出しない、最もクリーンな水素とされています。脱炭素社会の実現に向けて、最も期待されている水素です。

 

ホワイト水素: 製鉄所の溶鉱炉など、他の製造工程で副産物として発生する水素を指します。生産量は限定的です。

 

ゴールド水素: 地下に自然に存在する天然の水素を指します。まだ研究段階であり、商業規模での利用はこれからの課題です。

 

現在日本国内で購入している水素は、実はグレー水素がほとんどで、その他はホワイト水素で賄われています。つまり水素が安直にクリーンなエネルギーとは言いにくいのです。

 

ところが最近、英国のオックスフォード大学とダラム大学、カナダのトロント大学の共同研究チームがこれを総合的に分析し、天然水素の資源潜在性を推定した研究結果を、国際学術誌「Nature Reviews Earth & Environment」に発表しました。

 

これによると、過去10億年の間に地球の地殻の深部で生成された天然水素は、現在の全世界の石油消費量を基準とすると17万年分に相当するそうです。1日の石油消費量の1億バレルを基準として計算すると、約320兆トンに相当する量になります。それが地表近くに存在しているらしいのです。しかし、これからどうやってどれほどの量が抽出可能なのかは、現時点では不明なのだそう。

 

それでも夢がありますね。もしこのゴールド水素の採掘が商業的に確立され大量に供給されるようになれば、カーボンニュートラルの実現にも大きく寄与出来ますし、何より価格が下がれば現在高額を支払っている水素ガス料金がかなり低減できます。

 

水素社会は「未来の夢」ではなく、「今、始まりつつある現実」です。水素社会の実現は簡単な道のりではありませんが、確実に世界の流れはカーボンニュートラルに向かっています。水素はその主役となるか、それとも脇役にとどまるか、注目したいところです。

 

水素自動車のイラスト

 

先日のブログで取り上げましたが、トランプ大統領の政策でハーバード大学の留学生は非常に厳しい状況に置かれています。留学生受け入れ資格の停止と学生ビザの新規予約停止と報道されています。さらに、既にハーバード大学に在籍している留学生についても、滞在資格の取り消しや転学の要求が検討されています。

 

ふと、ハーバード大学の日本人留学生は何名いるのだろうと思いました。報道を見ていると、どうやら約120名だそうです。果たしてこの数字は多いのか少ないのか。最も多い留学生は中国からで、約1,200名だそうです。やはり日本は相対的に少ないような気がします。

 

ハーバード大学に限りませんが、近年日本人学生の海外志向が低くなっていると思います。その理由には、心理的・経済的・社会的・制度的な要因が複合的に絡んでいると思われます。

 

まずは、経済的な不安とコストの高さがあると思います。留学には渡航費・学費・生活費など多くの費用がかかります。奨学金制度はありますが、返済型が多く、借金への不安から敬遠されているようです。また、家庭の経済状況の悪化も大きく影響していると思います。つまり日本は貧しくなったのです。

 

次に日本では若い世代では海外への関心が低下しているとも感じます。日本は安全で、すべてに満たされています。安くて美味しい食事、SNSや動画でいつでも手に入る海外の情報など、

海外に関心を持っている人がいても、手軽に見るだけの情報で満足する層が増えているのではないでしょうか。

 

就職問題も影響があるかも知れません。多くの日本企業は未だに新卒一括採用しています。海外に長期留学すると、就活に間に合わない、卒業が遅れる、といったリスクがあります。また、海外経験が就職で十分評価されないこともあると思われます。しかし、これは30年前から変わらないことなのですがね。

 

一方で変わり始めている側面もあるようです。リスキリング(学び直し)やグローバル人材育成に関心のある層が増加しているそうです。英語を使う企業や海外インターンを重視する学生も現れているとのことです。国の支援(トビタテ!留学JAPANなど)や大学の制度強化も進んでいるらしいです。

 

自分が30年前に留学した経験から、偉そうなことを言う訳ではありませんが、やはり海外で生活したり、自分自身が外国人になる経験は代えがたいものです。世の中の見方や自身の考え方に大きく影響します。それは一生の宝物になります。現在は状況がかなり変わり、海外に出て行くことは確かに難しいかも知れませんが、若い子達にはもっともっとチャレンジしてもらいたいと思います。

 

留学に慣れた女性のイラスト

今年も気候が温暖になって来て、そろそろ登山のシーズンになってくるのではないでしょうか。登山に無知でほぼ経験の無い自分はそう思っていますが、知り合いの登山愛好家は一年中どこかの山へ出かけています。そんな人からすると、「登山のシーズンなんて無いよ」と言われてしまいそうです。

 

それでもやはり登山にはシーズンがあります。富士山には山開きと山閉めがあり、登山ルートによって異なりますが、今年は山梨側の吉田口で7/1~9/10、静岡側の富士宮口、御殿場口、須走口で7/10~9/10が予定されているそうです。自分も若いころ一度だけ富士登山をしたことがあります。須走口から登りました。

 

ところで富士山はシーズン以外に登ってはいけないのでしょうか。調べたところ、「登山道は閉鎖され山小屋は営業を終了しているので登山はしないで下さい」とあります。これは実質の登山禁止だと思います。ただ、法律で禁止されているわけではないのです。

 

だからと言うことではないと思いますが、毎年シーズン以外に無理な登山を行って、おまけに救助までされる輩がいるのをニュースで見ます。そのたびに、何だかやるせない気持ちになってしまいます。

 

なぜなら、閉山期における遭難事故の救助活動にかかる費用は、原則として公費(税金)で賄われています。例えば、静岡県では、民間業者に依頼してブルドーザーで遺体を搬送する場合でも、その費用は県が税金から支出しています 。一部の自治体では、救助費用の自己負担を求める条例を施行している例もありますが、富士山に関しては、救助費用を遭難者に請求する制度は整備されていません。

 

しかし、最近では閉山期間中の無謀な登山による遭難事故の場合、救助費用の自己負担や罰則の導入を求める声が高まっています。例えば、2024年4月には、5日間で2度も救助要請をした中国籍の男子大学生に対し、救助費用の自己負担や高額な罰金を求める意見が多く寄せられました。そんなの当たり前と思うのですが、なかなか条例化・法令化されません。なぜなんだろう?

 

個人的にはすぐにでも法的規制の整備を行う必要があると思います。閉山期間中の登山を制限する法的根拠を明確にし、違反者に対する罰則を設けることです。救助費用の自己負担制度の導入も必要だと思います。遭難者に対して救助費用の一部または全額を請求する制度を整備することです。

 

最近はインバウンドで海外からの登山者も増えています。今も現場では頑張っていると思いますが、ここにこそ税金を投入して更なる啓発活動の強化を行った方が良いと思います。それは閉山期間中の登山の危険性の周知徹底や登山者に対して登山計画書の提出を義務付けなどのルールを多言語で周知し、登山者の意識向上を図ることです。まあ、日本人登山者に対しても同じだと思いますが…。

 

富士山は日本一の高さを誇る「高山」でありながら、多くの人にとって「観光地」でもあります。このギャップこそが、無謀な登山を生む原因なのだと思います。登る自由は大事ですが、安全は自由の前提です。登山者は自己責任を徹底して欲しいですね。

 

山登りをする夫婦・カップルのイラスト

トランプ大統領の政策が、アメリカの大学における留学生に対して大きな影響を与えています。実際に30年前留学生だった自分は、現在の留学生たちの状況が想像できないだけでなく、アメリカの大学のありかたも心配になってしまいます。

 

今年5月にトランプ政権はハーバード大学に対し、連邦政府からの30億ドルの研究助成金の凍結を発表しました。これは、同大学が留学生の名簿提出を拒否し、政府の要求に応じなかったことや反ユダヤ主義への対応が不十分であるとされたことが理由とされています。さらに、リベラルな思想を持つ教授陣の雇用を続けていることも問題視されました。

 

もちろん大学側も黙ってはいません。ハーバード大学は、これらの措置が憲法違反であり、大学の学問の自由を侵害するものであるとして、トランプ政権を提訴しました。また、大学の財政への影響を最小限に抑えるため、学長の給与削減や資金調達の強化などの対策を講じています。

 

ハーバード大学以外にも、コロンビア大学やペンシルベニア大学などが、トランプ政権の政策により助成金の削減や監視の強化の対象となっています。

 

トランプ政権は、NASAの科学部門予算を約50%、国立科学財団(NSF)の予算を56%削減するなど、主要な研究機関への資金提供も大幅に減少させました。これにより、多くの研究プロジェクトが中断や延期を余儀なくされています。

 

3月にNature誌が実施した調査によると、アメリカ在住の科学者のうち約75%が国外での職を検討していると回答しました。特に、博士課程の学生やポスドクなどの若手研究者ではその傾向が強く、約80%が移住を考えているそうです。このような状況下では当たり前ですよね。

 

アメリカは移民の国です。労働者はもちろんですが、30年前のその時でさえ、海外からの研究者をたくさん受け入れ、各分野で研究が進み、その分野の研究者たちがアメリカや自国に帰って活躍をしました。30年前に流行っていたのがTelecommunicationです。今で言うところのITですね。この分野がものすごい勢いで発展したのはもちろんアメリカの功績も大きいですが、アメリカで最先端の研究を行った世界中の研究者やビジネスマンのおかげだと思います。

 

トランプ大統領の政策によって、今のアメリカは長年築いてきた科学研究のリーダーシップを失う危機に直面していると思います。研究者の国外流出は、イノベーションの停滞や経済成長の鈍化など、広範囲な影響を及ぼしています。結局アメリカとしてはメリットよりデメリットの方が多いのではないでしょうか。

 

アメリカの大統領のイラスト2

 

今年のゴールデンウィークは最大11連休の大型連休なんて言われていましたが、これってメディアの悪いところですよね。実際は飛び石連休になっていて、学校も会社も普通に動いていたと思います。また昨今の物価高で国内の消費も鈍く、結局は巣ごもりのゴールデンウィークだったと思います。

 

連休後、次にメディアで目立ったのが「五月病」と若者の退職の話題でした。ゴールデンウィーク明けの出社初日、体調不良を訴える人が増えて、新学期や新年度の環境変化によるストレスで、「五月病」が発症するのです。これも毎年メディアで取り上げられていますが、毎度毎度余計なネガティブ情報を流さなければいいのにと思います。

 

そして、最近は若者の中で「退職代行サービス」を利用して辞める人が急増しているとメディアで報じられています。果たして本当にそうなのでしょうか。

 

ある企業では、大卒の総合職ではそういう非常識な辞め方をする社員はいないそうです。ただ、高卒のオペレーターやパート社員では、ごくまれに退職代行を利用するケースもある様です。

 

またある大手企業では、過去に1人だけ退職代行を利用して辞めた従業員がいますが、数千人の従業員がいてたった1人だそうです。あたかも退職代行が大流行しているかのような最近のメディアの報道には違和感を覚えると人事担当者は言っています。

 

なお、東京商工リサーチが2024年6月に発表したアンケート調査では、全5149社中、約1割の会社で利用があったという結果でした。

 

では、退職代行を通して従業員から退職の意思表示をされたら、人事担当者はどう受け止めるのでしょうか。まず、多く人事担当者は”大迷惑”と言っています。

 

「本人は退職してスッキリでしょうが、こちらはその後も、給与・ボーナスの精算、貸与物の返却、社内手続きなどがあり、本人とやり取りをする必要があります。ところが、退職した従業員とは連絡が取れず、退職代行業者も知らん顔。事後処理が滞り、大迷惑でした。」

 

なお、退職代行という行為は合法ですし、それ自体を否定しているわけではありません。また、会社と利用者の間に入って綿密にコミュニケーションを取ってくれる業者もあるようです。

 

人事担当者は他にどういう印象を持っているでしょうか。

 

「お客様や関係者の迷惑を省みず突然行方をくらますって、社会人としていかがなものでしょうか。たとえ新人であっても、意思表示くらいは自分でちゃんとするべきで、擁護の余地がないと思います。」

 

「退職代行を使うのは、『私は礼儀も常識もなく、最低限のコミュニケーションもできません』と宣言しているようなもの。呆れると同時に、その後の人生がどうなるのか、ちょっと心配してしまいます。」

 

一方で、会社側にも反省するべき点があります。

 

「若手が上司に相談せずいきなり辞めるというのは、明らかに職場のコミュニケーションに問題があります。各職場には、辞めた従業員を非難するのではなく、パワハラなど職場運営に問題がないかを点検するようお願いしています。」

 

退職代行を利用した退職者が会社に戻ってくることはまずありません。退職代行の利用という結果を嘆くよりも、その原因となっている自社の問題点に目を向ける必要があるでしょう。

 

最後に、退職代行ビジネスを肯定的に捉えるメディアや社会の風潮、また行政の無作為に憤りを感じている人が多くいます。

 

「ブラック企業が存在する以上は必要なサービスだ、などと退職代行を肯定するメディアがあるようですが、納得できません。関係者は迷惑を被るし、退職する本人にとっても決してプラスにならないと思います。」

 

「退職代行って、いわゆる情弱ビジネスですよね。さすがに業者の活動を規制できないでしょうが、厚生労働省は、若い人たちに『安易に利用すると、その後の人生に大きな不利益があります』と注意喚起くらいはするべきだと思います。」

 

退職代行もメディア報道も、それ自体が「悪」ではありません。問題はそれをどう使いどう受け止めるかです。退職代行の是非とメディアの功罪、皆さんはどう思いますか?

 

退職代行のイラスト(男性)