最近妻が中国のAIドラマにはまっています。今、中国のエンタメ業界が凄まじいスピードで変化している様です。
1話が1分前後のAIショートドラマが爆発的なブームで、映像制作の常識を根底から覆しているのだそうです。中国の巨大なショートドラマ市場において、AIで生成された作品の割合は急速に拡大しており、プラットフォームによっては配信作品の大部分がAIによって生成されるようになっています。
最大の強みは圧倒的な低コストとスピードで、従来の実写ドラマに比べて制作費は最大で1/10程度に圧縮され、数ヶ月かかっていた制作期間が、少人数のチームで数日、あるいは数時間単位へと短縮されています。当初はスマホ向けの縦型動画が中心でしたが、クオリティの向上に伴い、今や映画館の大スクリーンへと拡大しつつあるそうです。
一方で、この急激な変化は既存の映像現場に大きな影響がある様です。世界最大級の撮影所として知られる浙江省の撮影所などでは、実写の撮影チームやエキストラ、スタントマンの仕事が激減しており、制作の現場では人間の労働よりもデータに基づく高速検証が重視されるようになっています。
このような状況を見ると、俳優やタレントは不要になるのではないのかなと思わず考えてしまいますが、すべての芸能人が消えるわけではないとのことです。しかし、仕事のあり方は激変し、二極化が進むと考えられています。影響を最も強く受けているのは、エキストラや若手、無名の俳優たちであり、予算の限られた作品では人間の代わりにAI俳優が起用されるケースが増えて、駆け出しの俳優たちの仕事やギャラに深刻な影響を与えているようです。
一方で、人間ならではの強みを持つトップスターや人気タレントの価値は、むしろ際立ってきています。ファンが映画やドラマを見るのは、単に綺麗な映像が見たいからではなく、推しの俳優が出ているからや、その人の存在感が好きだからという理由があるからです。
AIが顔や声を真似たとしても、本人が持つ社会的影響力やファンコミュニティを完全に代替することはできないでしょう。さらに、有名俳優やインフルエンサーの間では、自分のデジタルクローンを制作会社にライセンスとして貸し出し、本人は現場に行かずに収益を得るという、新しい権利ビジネスのかたちも生まれてくるようです。
日本のテレビ局や芸能界でも同様のことが遅かれ早かれ起きるのではないでしょうか。ただでさえテレビメディアはオールドメディアと呼ばれ衰退の一途を辿っているように思えます。自分はあまりドラマを見ませんが、これからテレビ局が作るドラマには知らない俳優が出てきて、「あれはAIだよ」ってことが普通になる時代が来そうですね。
