日本人の英語能力とAIの功罪 | 東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

最近AI翻訳やリアルタイム通訳機の精度が飛躍的に向上しました。あっという間の事でした。しかし、そんなテクノロジーの進化とは裏腹に、日本人の英語力が深刻な低迷期に直面していると言うのです。

 

国際教育機関EFが発表した「EF英語能力指数2025年版」において、日本の順位は世界116カ国中96位でした。アジア平均や世界平均を大きく下回り、英語教育先進国であるフィリピンやマレーシアとの差は開く一方です。

 

今回の調査で特筆すべきは、初めてAIによるスピーキング・ライティング評価が導入されたことです。これにより、日本人の英語能力の歪な構造が浮き彫りになりました。従来の「読む・聞く」といった従来の学校教育で教わるスキルに比べ、「話す・書く」というアウトプット能力が極端に低いことが、数値として明確に証明されたのです。それは、「知識として知ってはいるが、道具として使いこなせていない」という、長年の課題が改めて突きつけられた形です。

 

さらにショッキングな事実は、18〜25歳の若年層のスコアが全世代で最も低かったという点です。学校教育やオンライン学習で最も英語に触れているはずの世代が、なぜ最下位なのでしょうか。それは、デジタルネイティブゆえの効率化の罠があります。翻訳アプリやSNSの字幕に頼りすぎるあまり、「自分の頭で考え、自分の言葉で発信する」という泥臭い経験が圧倒的に不足しているのです。便利なツールが、皮肉にも「英語を自律的に使う必要性」を奪ってしまっているのかもしれません。

 

一方で、オランダやドイツなど上位の欧州諸国では、英語を学ぶのではなく、他教科を英語で学ぶ実践的な教育が主流です。彼らにとって英語は、何かを成し遂げるための「生きた道具」です。

 

AIが瞬時に翻訳してくれる今、私たちが英語を学ぶ本当の真の意味とは何でしょうか。それは、ビジネスや信頼構築の現場で求められるのが、翻訳機を通した無機質な情報伝達ではなく、生身の人間による直接的な思考と対話だからです。相手の目を見て、自分の声で議論し、感情を乗せて伝える。このプロセスこそが、AIには代替できない「人間ならではの付加価値」となるのです。

 

テクノロジーが進化すればするほど、機械を介さないコミュニケーションの希少性は高まります。普段からのコミュニケーションも、メールやLINEなどのSNSで簡単に済ませてしまっていませんか。今こそ、へたくそでも感情が直接伝わる「自分の言葉」を磨き使うことが、私たちには求められているのではないでしょうか。