さくらの季節 | 東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

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世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

少し季節外れになって来てしまいましたが、本日はさくらのお話し。

 

さくらが咲く季節ってなんだかいいですよね。春になると日本中がさくらの開花を待っていると思います。さて、さくらはなぜこんなに人の心を惹きつけるのでしょう。

 

まずはなんといっても満開のインパクトでしょう。すべての花がほぼ同時に咲き、そして一斉に散っていく。この劇的なタイミングが、人々の心を惹きつけてやまない理由の一つなのだと思います。白に近い淡いピンクの花びらが、まるで空気に溶け込むように咲く様子は、どこか幻想的で夢の中にいるような気分にさせてくれます。

 

そしてさくらが咲くのはほんの一瞬。早ければ1週間、長くても10日ほどで、花びらは風に舞い、地面を淡いピンクに染めていきます。そのはかなさゆえに、美しさはより一層際立つのかもしれません。まるで人生の一コマのように、一瞬一瞬が愛おしく、儚く、美しい。そんな風に感じるひとも多いのではないでしょうか。

 

そんなさくらの美しさは、日本だけにとどまらず、世界中の人々を魅了しています。春になると多くの海外からの旅行者が日本を訪れ、さくらの名所を巡り、花見文化を体験しに来ています。「こんなに静かで、やさしい風景は見たことがない」、「ただ花を見ながら過ごす時間に、心が癒される」そんな感想が観光客から聞かれます。

 

さて、さくらと言ってもたくさんの種類がある様です。でも、日本の春を象徴する存在といえば「ソメイヨシノ」でしょう。現在、日本に咲くさくらの約8割がこの品種だと言われており、まさに春の風物詩の代表格です。ソメイヨシノは、江戸時代末期に東京・染井村(現在の豊島区駒込)で園芸品種として誕生しました。エドヒガンとオオシマザクラの交配によって生まれたこのさくらは成長が早く、見た目の美しさもあり全国に広く植えられるようになったのです。

 

昨今では世界各国で植樹され楽しまれるようになってきたさくら。でも、それらのさくらの樹はソメイヨシノなのかな?自分勝手な意見ですが、やはり日本で開発され長年咲き続けるソメイヨシノが世界一だと思います。

 

最期になりますが、さくらの季節には淡い思い出もあります。亡き父を介護していた頃、一年に一度だけ咲くさくらを見せようと車で連れ出したことがありました。「今年もさくらがきれいに咲いたね」、「また来年もさくらを見に来ようね」と父に言ったと思います。父は何も言いませんでしたが、その時何を思ったのでしょう。今では知る由もありません。その数か月後、父は旅立ちました。

 

さくらはどんな時でも、いつでも同じように咲きます。毎年きれいに一片の迷いもなく誇り高く咲きます。感情が揺れ動くのはそれを見ている人間だけです。最近はさくらの季節になると、さくらのようにいつでも平常心で自分に誇りを持ち輝いていたいと思うようになりました。

 

春の木のイラスト