都合の良い日本? | 東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

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世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

日本は技術大国と言われてきました。確かに昔はそうでしたが、果たして今はどうでしょうか。もちろん今でも日本が科学技術で進んでいる分野はたくさんあります。しかし、そこに追い付け追い越せと各国がどんどんと抜かしてきていることも事実です。

 

ビジネスの世界に目を向けると、80年代までは家電や半導体関連など日系企業がそのリーディングカンパニーでした。しかし今はどうでしょう。日系企業はまだ頑張っているところもありますが、ほとんどが諸外国にその座を奪われてしまいました。昔は一流上場企業で、そこに就職出来たら「一生安泰だね」なんて言われた会社が今は外資に買収されたり、その存在すらなくなってしまっています。

 

ある時こんなニュースを見ました。「日本の、日本人の研究開発能力は素晴らしい。研究は人材の育成が必須でお金と時間がかかる。しかし、日本はその人材育成に時間とお金をかけて来た。しかし、今その人たちが日本国内でくすぶっている。だから、自国に招いて活躍してもらうんだ!」と。

 

ぞっとしました。実際に起きて来たことではないのでしょうか。日本はバブル景気がはじけて経済停滞期が30年以上続いてきました。企業の業績低迷によるリストラや研究開発費の削減など、その中で製造業の研究者たちはその活躍の場を失ってきたのではないでしょうか。そこに目を付けたのが中国、韓国をはじめとする外国資本なのです。彼らから見ると日本は都合の良い研究国家で、時間がかかって大変な研究開発は研究者自身を日本から買い、製品製造は彼らが安く作って儲けるのです。

 

しかし聞くとその外資で働いた人たちもほとんどが使い捨てだったようです。日本では考えられないような高給で働き始めても、その人の持っている知識や技術が吸い取られた後は簡単に首を切られたのです。自国民ではないので、基本的にそのような技術者は守られません。技術も日進月歩なので、次から次へと使い捨てられたのです。

 

日本は何をしてきたのでしょうか。産学連携はどうなっているのか。ここでも政治の無策さが露呈していると思います。ほとんどが文系出身の政治家は未だに日本は技術大国だと信じているのです。これでは経済安全保障もなったものではありません。でも日本人はおとなしいので、ここに異を唱える人は少ないのが現状です。

 

残念ながら人口減少の日本で、子どもが減っているだけではなく、理系の人材がどんどん減ってきています。このままでは日本の技術は衰退の一途をたどってしまいます。自社は製造業に関わる会社ですが、人材と技術を育てる会社組織にして、この現状を打開する一助になりたいと思います。