「離見の見」と言う言葉があります。
世阿弥という室町時代の能学者の
能楽論で、演者が自分をはなれ
観客の立場で自分の姿を見ること。
また、 自分の演技について客観的な
視点をもつことを言うそうです。
自分のメンターには、「お前はこの力が
必要だ、離見の見を身に付けろ」と
言われ続けています。
なのでいつも「離見の見」を心がけています。
離見の見を行うためには、時には自分が
得意な事や好きな事から離れてみることが
必要です。逆に、苦手な事や嫌いな
ことを意図的にやってみることも必要です。
そうすると何が見えてくるか。
若い頃、親元を離れて生活をしたら
親のありがたさが分かりました。
海外に住んで初めて日本を外から見る事
ができ、日本の良さや弱点がわかりました。
一人暮らしは色々と面倒だったし、親元は
楽だったけれど、結果的には良かったです。
海外も元々興味がなかったし、英語なんて
話したいとも思っていませんでした。でも、
海外に住むことで日本では得られない
多くを得ることが出来ました。
自分自身や自分の家族、自分の仕事など、
分かっているようで本当は良く分かって
いない、見えていないことが実は
多いのではないでしょうか。
「離見の見」、是非やってみて下さい。