2015年9月13日19:03キックオフ@フクダ電子アリーナ 天候:曇

千葉 1ー1 京都


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、バヤリッツァ、下畠翔吾。MF右から伊藤優汰、田森大己、原川力、駒井善成。FW有田光希、宮吉拓実。
SUB:杉本大地、山口智、磐瀬剛、内田恭兵、佐々木勇人、フェホ、大黒将志
監督:石丸清隆

(選手交代)
53分、有田→大黒:ポジションそのまま。
74分、田森→フェホ:フェホと大黒のツートップ。原川のワンボランチになり、駒井がトップ下、宮吉が右、伊藤が左に。その後、下畠が右CBに入って、宮吉がFWに上がり、3-4-3に。
87分、宮吉→佐々木:ポジションそのまま。同点後、下畠が左SBに戻って、佐々木は中盤右へ。


【千葉メンバー】
GK高木駿。DF右から大岩一貴、キム・ヒョヌン、栗山直樹、中村太亮。MF右からペチュニク、富澤清太郎、パウリーニョ(91分:→金井貢史)、井出遥也(80分:→田中佑昌)。FW森本貴幸(59分:→アン・ビョンジュン)、松田力。
SUB:岡本昌弘、田代真一、谷澤達也、水野晃樹
監督:関塚隆


【審判団】
主審:柿沼亨 副審:村田裕介、角田裕之


【得点】*サイドは攻撃側から見て
36分、森本(千葉1-0京都):ペチュニクが下畠からボールを奪い、すぐさま松田へスルーパス。ここは飛び出した清水がブロックしたものの、こぼれ球を森本が左足で流し込んで決める。
87分、大黒(千葉1ー1京都):下畠のロングフィードをフェホが頭で逸し、左サイドで受けた伊藤が仕掛けて、タイミングをずらしたクロス。これを千葉DFがクリアしきれず、背後を取っていた大黒が右足アウトサイドで流し込んで決める。


【警告】
千葉:なし
京都:石櫃(68分)



天皇杯での中断期間を経て、3週間ぶりのリーグ戦となりました。
アウェーでの千葉戦、都合がついたので、フクアリに行ってしまいましたw


噂にはかねがね聞いていましたが、本当にいいスタジアムですね。
ソーセージも唐揚げも美味しいし(笑)
亀岡のスタジアムがこんな素敵な空間になってくれるといいですねー。
試合前には千葉サポの方とも交流でき、お互いの状況を情報交換。なんと言うか、いろんな意味で親近感を覚えますよね(苦笑)

天皇杯でのテストを経て、京都は左SBに下畠を起用。流通経済大戦のメンバーと同じですね。
対する千葉は佐藤健太郎が出場停止、佐藤勇人がコンディション不良とのことで、パウリーニョと富澤のダブルボランチ、CBに栗山、右SBに金井ではなく大岩が入り、後方のメンバーが大きく変わった印象。スロベニア代表での試合を戦ったペチュニクもスタメンで出てきました。



千葉のパワーに押し切られてリードを許すも執念のドローゲーム


立ち上がりは京都のペースで進みます。
千葉は後方が変わったことも影響しているのか、慎重な構えでほとんど前に出てきませんでした。
京都の守備も追いかけるところと引くところをしっかりバランスが取れていましたし、攻撃時もCBにはほとんどチェックに来ないので余裕を持って押し上げてパスを回していたことも影響したでしょうか。
ツートップの飛び出しをチラつかせながら、中央に入ってくる駒井と伊藤を使って攻撃を作る形はだいぶまとまった印象がありますね。ただ、リズミカルに回して相手を剥がそうとしたものの、千葉もスペースを消しながら球際に激しく来ていたので、決定機はさほど作ることができませんでした。

こうなってくると、ややリスクを犯しすぎる傾向があるのは京都のナイーブさでしょうか。
高い位置で奪おうと無理に体を入れようとして、菅沼が入れ変わられて決定機を与えたシーン(井出がネットを揺らしたものの、その前にファールがあったとの判定)から千葉にペースが移ります。
ペチュニク、森本、松田力の前線はパワーもあるし、走れるしというところで、警戒をするあまり守備陣が引きすぎる様子もありましたし、逆にだからこそ「キープされると危険だ」という意識が働いたのかもしれませんが。
パワフルさは千葉も長所として認識しているでしょうし、慣れない左SBである下畠とペチュニクのマッチアップを狙った攻撃を増やしてきましたね。
そして、ビルドアップのミスをペチュニクに奪われたところから失点。
下畠のトラップ際を奪われたのですが、下畠に限らず内田も磐瀬もビルドアップ時に左足を使って幅を取るプレーには苦労しており、その弱みが出てしまった失点のように思います。


後半、早々に大黒を投入し、サイドからのクロスを主体とした攻撃に切り換えました。
駒井と伊藤のポジションを入れ替え、右から石櫃、左は伊藤で切り崩しに掛かります。
スローイン時にはバヤリッツァを前線に上げたロングスローも増やしましたね。
60分頃からパワフルさで千葉の攻撃を牽引していたペチュニクが疲労からか守備をサボりがちになったために、左サイドにはスペースができやすくなっていましたし、京都が押し込んでいく展開に。

さらにフェホを投入して3バックに。
攻撃時のリスク管理で怪しい場面もありましたが、全体の意識として何としてでも追いつくというのを前面に出したことによって、プレー選択としてはハッキリできたかもしれません。
フェホのヘディングから伊藤が受け、タイミングをずらしたクロスに大黒が反応して同点。

その後、今度はプレーオフ進出に向けて負けられない千葉が3バックにして総攻撃を掛けて来ましたが、清水のファインセーブなどでなんとか凌ぎ、ドローで試合を終えました。



ナイーブさを振り切って流れを掴み取る力を


リーグ戦では金沢戦 に続いて、追いついてのドローゲームとなりました。
戦い方もだいぶブラッシュアップされ、安定感は増してきています。
とは言え、流れを掴みつつある中でも、今節も軽率な対応からリズムを崩したように、やや「幼い」プレーが出てしまう印象はあります。
それだけチームとしてのレベルが上ったということでもあるのですが、より完成度を高めていく中で、試合の雰囲気に流されない冷静なプレー選択が求められていくことになっていくという段階でしょうか。
追い付こうとする中でも最低限のリスク管理は必要ですが、そこには手が回ってない印象もありますし。

また、磐田戦 でもジェイに振り回されたように、フィジカル能力で劣勢に立たされるような相手と対峙した時に、周囲と連動した守備を徹底できるかどうかも今後の課題でしょうか。
怖がらずにラインを上げるというのも、言うのは簡単なのですが、実際のところ、攻撃機会を少なくさせてしまうことが一番の対策でもあるので・・・。
(とは言っても、ジェイやペチュニクレベルの相手とはなかなか対戦できませんので、貴重な機会でもあります)

ただ一方で、なりふり構わず、何が何でも同点に追いつくあるいは勝ち切るという姿勢を今節の采配からは感じましたし、選手たちもそれに乗って走り切る姿勢を貫徹できたのは非常に良かったですね。
個人的に、久しぶりにゴール裏から試合を見ることになったのですが、専用スタジアムの臨場感も相まって、非常にテンションの高い試合を楽しめたと思います。
どうやら練習でもやっていないポジションチェンジもあったようですが、大きな破綻はありませんでしたし、勢いに乗って戦い方を統一できるところまでは来ているようです。
リスクを負う分危なっかしいなりに守備意識は保たれていましたし。

あとはこれをしっかりと結果に繋げていくことですね。
試合内容は向上し、勝ち点も積み上げているのですが、他チームも上げているために順位は19位に留まっていますし。
緩みなく続けていく中で、結果がついて来れば自信になるでしょうから。そのためにも、細部によりこだわる姿勢は問われてくるでしょう。

次節からはシルバーウィーク期間の連戦となります。



―2015シーズン通算記録―
9勝7分15敗 勝ち点34 36得点 44失点
今節終了時点:19位

【ゴール】
14点:大黒
4点:有田、宮吉
2点:石櫃、ダニエル・ロビーニョ、バヤリッツァ、伊藤
1点:山口、駒井、菅沼、奥川、佐々木

【アシスト】
4アシスト:駒井、伊藤
3アシスト:キム・ナミル
2アシスト:石櫃、宮吉、有田
1アシスト:山瀬、内田、大黒、佐々木、原川、磐瀬

【累積警告】
3枚:ダニエル・ロビーニョ、磐瀬
2枚:山口、大黒、和田、駒井、バヤリッツァ、内田
1枚:佐々木、山田、有田、宮吉、菅沼、キム・ナミル、ファン・ジンソン、伊藤、原川、石櫃


*キム・ナミル、バヤリッツァ、石櫃は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*宮吉、菅沼、磐瀬は一発退場による出場停止が一度あり