2015年8月8日19:04キックオフ@ヤマハスタジアム 天候:曇のち雨

磐田 3ー3 京都


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、バヤリッツァ、磐瀬剛。MF右から伊藤優汰、田森大己、原川力、駒井善成。FW有田光希、宮吉拓実。
SUB:杉本大地、内田恭兵、下畠翔吾、永島悠史、佐々木勇人、フェホ、大黒将志
監督:石丸清隆

(選手交代)
61分、石櫃→内田:ポジションそのまま。
68分、有田→大黒:ポジションそのまま。
77分、宮吉→フェホ:ポジションそのまま。


【磐田メンバー】
GKカミンスキー。DF右から櫻内渚、伊野波雅彦、藤田義明、駒野友一。MFボランチに上田康太と宮崎智彦、前に右から太田吉彰、小林祐希(39分:→松浦拓弥)、アダイウトン(75分:→松井大輔)。FWジェイ(85分:→森島康仁)。
SUB:八田直樹、坪内秀介、田中裕人、川辺駿
監督:名波浩


【審判団】
主審:中村太 副審:竹田和雄、木川田博信


【得点】*サイドは攻撃側から見て
2分、ジェイ(磐田1-0京都):右CK、駒野のクロスはクリアされるものの、クリアボールを拾った駒野がもう一度クロス。ファーサイドで受けたジェイが宮吉と競り合いながら右足で押し込む。
19分、宮吉(磐田1ー1磐田):ロングボールの競り合いでこぼれたボールをセンターサークル付近で受けた拾った宮吉から右サイドを走る伊藤へパス。伊藤がDFを2人引きつけ、後方から裏へ飛び出す宮吉に浮き球パス。宮吉はワントラップで上田を振り切り、右足でゴールに突き刺す。
54分、ジェイ(磐田2ー1京都):左CKから始まり、連続して磐田のクロスが上げられ、京都が弾き返す。クリアボールを繋ぎ、右サイド後方で受けた上田がDFラインの裏へ浮き球パス。そこに飛び出したジェイが頭で合わせて、清水の頭越しに決める。
77分、大黒(磐田2ー2京都):バヤリッツァから磐瀬へ繋ぎ、縦パスを駒井が受ける。追い越した磐瀬が縦パスを引き出し、クロス。中央で大黒が左足で合わせて流し込む。
79分、ジェイ(磐田3ー2京都):右サイド、太田のクロスを磐瀬が手でブロックしてしまい、PKに。ジェイがゴール左に決める。
85分、大黒(磐田3ー3京都):伊藤からのパスを受けたフェホが強引に縦に突破してクロスを上げると、カミンスキーが処理できずにこぼれる。ここに大黒が詰めて、右足で蹴り込み決める。


【警告】
磐田:なし
京都:石櫃(17分)、磐瀬(93分)



前節・札幌に勝利して連敗をストップした京都。
今節はアウェーで2位に付ける磐田との対戦となりました。

前回対戦は第2節 。ジェイの高さとアダイウトンの迫力ある突破を止められずに前半に2失点を負い、後半に巻き返しを図ったものの手数は多く出せずという試合でしたね。

今節のスタメンは両チームとも前節と同じで臨んでいます。
なお、京都は新加入のフェホが初めてベンチ入りしました。



素早いサイド攻撃が機能して3得点


磐田の武器であるジェイの高さとアダイウトンの突破は今節も健在。
開始直後から早いタイミングでサイドからジェイに入れる攻撃を何度も繰り出すとともに、アダイウトンも中央に入って攻撃に参加しようとします。櫻内、駒野の両SBも高い位置を取って攻撃に厚みを加えてきました。
序盤、京都はこの動きに対応しきれず。
バヤリッツァがジェイ、菅沼がアダイウトンに注意を引っ張られるあまり、ラインが下がるとともにバランスも崩しがちに。
そしてセットプレーの流れから開始2分でジェイに先制点を許してしまいました。

しかしその後は落ち着きを取り戻せたでしょうか。
DF陣と中盤の距離を短く保ち、強力な外国人選手に対応していきます。
ジェイに入ってくるボールにはバヤリッツァが競るとともに、周囲がセカンドボールへの反応を早くする。アダイウトンの突破は中に誘導してCBやボランチと挟み込む。
石櫃はやや苦労していましたが、サイドを縦に行かせないような体の使い方をして、京都の人数の多いところに誘い込むように守っていた印象です。

そしてそこで奪い取ると、京都のサイドハーフが空いてきました。
磐田はサイド攻撃を主眼に置き、両SBも高い位置を取ろうとするのですが、攻撃から守備への切り換えはやや遅め。中央へと京都が誘い込んだこともあって、スピードのある伊藤と駒井の切り換えの速さがより攻撃時に活きる形となりました。
また、磐田がかなりボールに食いつくこともあって、サイドに展開した後、今度は中央のケアが甘くなることも多かったですね。
宮吉の同点ゴールはまさにその形でしたし、その後の得点もカウンターでのサイド攻撃から生まれました。
久しぶりに大黒が抜群の得点能力を発揮してくれたことに加え、新加入のフェホも迫力ある突破を披露。
サイドを起点に枚数を掛けた速い攻撃を何度も繰り出せたことは良いポイントでしたね。



撃ち合いのドローゲームから得られた収穫と課題


内容としては京都が大きく上回ったと言っても良いかと思いますが、磐田もさすがに2位につけるチームだけあって、簡単に勝利するまでは行かなかったですね。
アダイウトンの突破も完全には防ぎきれなかったですし、太田の驚異的な運動量も含めて前線の破壊力はさすが。
小林祐希を前半で下げるなど、磐田としても上手く行かないなと感じていたと思います。名波監督も試合後に上手く行かない憤りから不満を口にしていましたね。
けれども、上田のピンポイントクロスにジェイが合わせた2点目に象徴されるように、悪いなりにももぎ取ってしまえる強さがありました。
磐瀬が与えてしまったPKも含め、ペースを握りながらも3度リードを許すことになりましたし。
ジェイの強さはリーグ屈指とはいえ、かなり引っ張られてしまうシーンもありましたし、パワーのあるFWに対する守備のポジショニングは再確認する必要があるでしょう。
ああいった攻撃陣をいかに防ぐかということは、さらなるレベルアップに向けて重要な指針となってくるでしょうから。

全体的に見れば、3度先行されてもその度に追い付けたことはチームとしての戦い方がハマった結果であるとともに、メンタル面での成長を感じさせます。
流れの悪い時にはリードを許しただけで、しばらくの時間思考停止に陥ってしまうような試合も多かったですからね。

攻撃面では狙い通りに行ったゲームだと思いますし、守備でも良い粘り強さを発揮できたことも含め、手応えのあるゲームだったと思います。
しかし、それでも勝ちにまで持って行けなかったことは頭に留めておくべきで、次はこのレベルのチームからもしっかりと勝ちを奪えるように意識していく必要はあるでしょう。



―2015シーズン通算記録―
8勝5分15敗 勝ち点29 32得点 41失点
今節終了時点:19位

【ゴール】
12点:大黒
4点:有田
3点:宮吉
2点:石櫃、ダニエル・ロビーニョ、バヤリッツァ
1点:山口、駒井、菅沼、奥川、佐々木、伊藤

【アシスト】
4アシスト:駒井
3アシスト:キム・ナミル
2アシスト:石櫃、伊藤
1アシスト:山瀬、内田、有田、大黒、佐々木、原川、宮吉、磐瀬

【累積警告】
4枚:石櫃
3枚:ダニエル・ロビーニョ、磐瀬
2枚:山口、大黒、和田、駒井、バヤリッツァ
1枚:佐々木、山田、有田、宮吉、菅沼、キム・ナミル、ファン・ジンソン、内田、伊藤

*石櫃は次節出場停止
*キム・ナミル、バヤリッツァ、石櫃は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*宮吉、菅沼、磐瀬は一発退場による出場停止が一度あり