しゃっほー9 ~9回の裏2死満塁~ | 54分室 B館

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○月×日、夢と現実の間にて。


こんにちは、しゃっほーです…じゃなかった、といづです。

今日はしゃっほー9の開催日です!

しゃっほーというのは…
参加者同士でお題を出し合い、それをプレゼント交換のように交換。
そして当たったお題でイラストを描く、という企画です。

2回目の参加にして、またも0時提出が出来ませんでした;
すいません本当にすいません…っ;

と、とりあえず、こんなになりました!



+ * + * +


54分室 B館-しゃっほー9

俺の返事が先か、手を入れたのが先か、木戸はそっとそのうちの1つを取り出した。
まるで宝石でも眺めてるみたいに、それを見るのが初めてみたいに目を輝かせて、彼は息をついた。

「蜜柑なんて、久しぶりだ」

彼はいつもとまるで違って、何だかとても子どもっぽかった。

正直、蜜柑一つでこんなに喜んでもらえるとは思ってなかった。
俺は嬉しいような照れくさいような気分でいっぱいだった。
しばらくは黙って様子を見ていたが、そのうちとうとう耐え切れなくなって、
俺はポケットから携帯を取り出した。
意識もせずにガチャガチャとボタンをいじくって、おもむろに彼に向ける。

冷えた空気に、ピローン、と間の抜けた音がやけに響いた。




木戸と目が合う。
俺はとっさに笑ってみせた。
彼はといえば、それまでとは打って変わって、睨むように目を細めていた。
「お前なぁ…」
そう言った彼は、次の言葉でも考えているようだったが、結局何も言わずに
すぐに視線を手元に戻して、ぎこちなく蜜柑の皮をむき始めた。

呆気に取られた俺も、仕方なく手元の窓を見つめ直す。
今さっき切り取ったばかりの世界がそこにはあった。
一秒にも満たないその世界で、彼は―。

「ニヤついてないで早く消せよ、気持ち悪いな」

呆れ声に顔を上げると、いつもの仏頂面がこっちを見ていた。
ただいつもとは違って、それはちょっとだけ、赤く染まっているようだった。




+ * + * +

…というわけで。

今回担当させて頂いたお題は

「一秒にも満たないその世界で、」 (フリーお題:蛇の目さま)
  +
「蜜柑」 (キーワードお題:ぎんなんさま)


でした。

色々こじつけすいませせせ;
作業話や上のストーリーの前編などなどは後夜祭にて、お話したいと思います〃



一応、携帯用に縦長のもの。(一部ですが)

54分室 B館-携帯用



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