頭痛外来をしてますと、患者さんは
『危険な頭痛ではないか?』
『1分でも早く検査をしたほうがいいのではないか??』
と不安で来られるかたが来ます。
中には親御さんがこられて自分の息子の頭痛は危険な頭痛ではないか?
『早く検査をしてくれ!!』
と言われる方もいます。
頭痛の中には、痛みの程度がどんなに激しくても、必ずしも危険
とはいえないものもあれば、逆に、痛みの程度が軽くても、そのま
ま放置しておいた場合、命にかかわるようなものもあります。
用は命に関わるような頭痛を悪玉頭痛、命には関わらない頭痛を善玉頭痛とすると。
悪玉頭痛(2次性頭痛):くも膜下出血や脳腫瘍、頭部外傷後に発症する慢性硬膜下血腫、
細菌性の髄膜炎・脳炎、ウイルス性の脳炎などなど・・・
善玉頭痛(1次性頭痛):代表格は片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、神経痛などなと・・・・・
これらの中でも、非常に危険で、一刻を争う処置が必要なものは、『くも膜下出血』による頭痛です。
以前も話しましたがくも膜下出血は、40代以降の中高年の男性に多くみられます。そのほとんどは、脳動脈瘤の破裂によるもので、脳全体を覆っている「くも膜」の下の隙間に出血をきたします。
日本では、年間約1万8000人のくも膜下出血の患者さんが発生していると考えられます。このうち約4~5割は、発症直後に死亡するか手術困難な重症例です。また、手術が可能だった患者さんの約半数は、重い後遺症が残るか死亡します。つまり、くも膜下出血は、最終的に社会復帰が可能になる患者さんが全体の約2~3割程度、という怖い病気なのです。
危険な頭痛が疑われる症状として、最も代表的なのは、「今までに経験したことのない、突然に始まった激しい頭痛」です。これまで頭痛がなかった人が、ある日突然、頭をゴツンと殴られたような激しい痛みに襲われた場合は要注意です。
中高年の男性がこのような頭痛を自覚した場合、くも膜下出血の可能性が強く疑われます。
もっとも、くも膜下出血では、こうした症状を訴える人は2~3割で、最初は軽度の頭痛発作の人もいれば、頭痛を自覚する以前に意識障害に陥ってしまう重症の人もいます。つまり、出血の程度により頭痛の重さも異なるわけですが、軽症の患者さんでも、数時間以内に再破裂により重症化する危険性も高いのであなどれません。程度は軽くても、生まれて初めて経験する頭痛だったり、突然の頭痛、吐き気・嘔吐を伴う頭痛――などの場合は、やはり注意が必要です。
また、脳動脈瘤が破裂する数日~数週間前に軽度の出血が先行することもあり、この場合、ある日突然襲ってきた頭痛が、だんだんとひどくなります。
なお、危険な頭痛の患者さんは圧倒的に夜間の救急外来を受診することが多いのですが、同じように激しい頭痛を訴えて受診する人の中には、「片頭痛」の患者さんもいます。片頭痛は若い女性に多く、同様の頭痛発作が何年も前から始まっていること、家族に同じような頭痛持ちの人がいること――などが特徴です(「ズキズキ痛む「片頭痛」に受診の勧め
」参照)。
片頭痛自体は、特に命にかかわるような頭痛ではありませんが、日ごろから片頭痛や緊張型頭痛などに悩んでいる人も、いつもと違う痛みを感じたときは、危ない頭痛の可能性がありますので注意が必要です。
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