形式的な決まり文句を覚えるよりも大切なこと (1) | 英語学習雑感ブログ

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高校1年生レベルの理解力

 

 

このことを理解してもらうために、実際に、生きた日本語のメッセージを英語で表すのが、いかに大変かを通して理解することができます。

 

以前に紹介したものですが、次の日本語のメッセージを伝えるような英語を考えてください。

 

「歩きスマホ危険」

 

これは、実際に、ある地方自治体で、和英辞典を引いて作ったとしか思えない、おかしな英語が紹介されました。

 

Walking Smartphones Dangerous.

 

単語を引いただけで、しかも述語動詞のようなものも抜けています。

とりあえず

歩き = walking

スマホ = smartphones (= mobile phones; cell phones)

危険 = dangerous

ということで、これらの単語を並べるだけで、意味が伝わると思ったのでしょうが、全く通じません。

 

walking smartphonesは、walkingの直訳が「歩き」であると、そんな存在しないものがあると思い込むと作ってしまいますが、

walking smartphonesの後ろに、areがあると、「歩き回っているスマートフォン」がかなりいるけれど、そいつらはいきなり人間にかみついたり、毒を吐いたり、とても危険な存在である、という訳の分からないメッセージが伝わります。

walking smartphonesの後ろに、isがあると「スマートフォンを何匹かまとめて散歩させると」という動名詞の意味になり、walkがで「散歩させる」という意味になることが分かります。これを見ても、直訳なるものはないのです。文構造で意味が決まってくるのですから、そのようなものは直訳とは言えないのです。

とりあえず「スマートフォンを何匹かまとめて散歩させると、危険なことになる」というメッセージが伝わってしまいます。それを嫌って、walking a smartphone is dangerous.としてしまうと、「あるスマートフォンを散歩させるのは危険である」とaつきの名詞に焦点が合ってしまいます。それはiPhone 13です(あるいはボブのスマートフォンですとかも)、などとなってしまいます。

 

このように、英語でメッセージを作ったときに、意図しない英語で伝わる内容が次から次と出てきうることに気づくことが、英語の決まり文句を覚えるよりも遙かに、学ぶことが多くなります。

この話にはまだ続きがたくさんあります。とりあえず、和英辞典で単語を並べて、「直訳」などとうそぶいても、問題が山積みであることが分かるはずです。