形式的な決まり文句を覚えるよりも大切なこと (2) | 英語学習雑感ブログ

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高校1年生レベルの理解力

 

「歩きスマホ危険」とは、「歩いている最中にスマートフォンを使うのは危険である」と、「和文和訳」をし、このきちんと書き換えた「和文」を英訳するのが、正しい英作文力である、とまことしやかに説明する英語教師がいます。

 

とんでもないインチキです。

 

そのことをきちんと示しましょう。とりあえず上に書いた、書き換えた「和文」をもとに英訳をしてみましょう。

Using smartphones while you are walking is dangerous.

あるいは

It is dangerous to use smartphones while you are walking is dangerous.

 

全く問題がないように思えます。しかし、「歩きスマホ危険」は、このような内容を示しているわけではないのです。

実際に、歩いている途中で、スマートフォンを使うのは、ポッドキャストを、骨伝導イヤフォンを使って、聞いているのも含まれます。しかし、これが危険であるならば、次の英語と全く同じことを述べていることになるのです。

It is dangerous to keep smartphones on while you are walking.

つまり、歩いている最中に、スマートフォンの電源をオンにしておくことが危険であるということです。電源をオンにすれば、自動的に、スマートフォンのプログラムなどが実行された状態になり(GPS、現在時刻確認、自動翻訳など)、これがスマートフォンを利用することと実質的に同じになってしまいます。

先ほどの英語を知らされた英米人は、「携帯電話は歩くときはスイッチを切っておかないと危険である」と解釈してしまい、これでは何のための携帯電話であるか分からないのです。

「電源を切っている電子機器がポータブル(可搬性がある)といっても、何の意味もありません。移動途中で利用できてこそ可搬性があるということでしょう」

 

このように、和文をきちんと書き換えたつもりの和文が、元のメッセージが全く別に解釈するように促しているのです。

ちなみに、携帯電話で音楽を聴くためにも、改札機や電子マネーの支払いをする場合にも、とりあえず、歩行を止めて、足を止めた状態で、行わなければならない、というとんでもないメッセージが伝わってしまいます。

 

これが和文和訳を訴える英語教師がインチキであることの証明です。

 

むしろ、英語自体から、状況をイメージできて、それが本来のメッセージとは全く異なったものにならないことを確認できる英語力が必要なのです。

 

この話にはまだ続きがあります。問題点がそれほど山ほど出てくるからなのです。それらの問題点を確認した上で、本当の学びがやって来るのです。正解そして本当の学びまでしばらくお待ちを。