Still aloft (2) | 英語学習雑感ブログ

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社会人、超難関大学の難易度

 

 

 

第2パラグラフ

In anticipation of this welcome turn of events the S&P 500 index of American stocks has risen by nearly 8% since the start of the year. Companies are valued at about 18 times their forward earnings—low by post-pandemic standards, but at the high end of the range that prevailed between 2002 and 2019. And in 2024 those earnings are expected to surge by almost 10%.

 

 

第1文In anticipation of this welcome turn of events the S&P 500 index of American stocks has risen by nearly 8% since the start of the year.

この文はinからeventsまでがM、the S&PからstocksまでがS、has risenがV、byから8%がM、sinceから文末までもMという構造になっています。

「このような歓迎すべき事態の進展を予想して、アメリカ株式のS&P500指数は、今年のはじめから、ほぼ8%増加してきている」。

 

第2文 Companies are valued at about 18 times their forward earnings—low by post-pandemic standards, but at the high end of the range that prevailed between 2002 and 2019.

この文はcompaniesがS、are valuedがV、atからearningsがC、ダッシュより後ろの部分はlowとatから文末までの前置詞句で形容詞句がandで組み合わされて、このC部分の補足説明になっています。

forward earningsというある程度専門性のある用語をなんの補足説明もなしに使っています。このようなものが多すぎると、本来の英文読解より、用語解説の方の説明が膨大になってしまって、英文を読む意義が損なわれてしまいます。このような書き方は本当にやめてほしいものです。The Economistは超専門の経済新聞ではないのですから(基本的に、経済を重要視した総合紙という位置づけです)。

「様々な企業は、フォワード・アーニング(通常はある企業がこれから12ヶ月間に生成する見込みの1株あたりの収益を意味する)のおよそ18倍の価値評価を受けている。これは新型コロナウイルス感染症蔓延後の基準によれば低いが、2002年から2019年の間に支配的に見られた価値範囲の最上位になっている」。

 

第3文 And in 2024 those earnings are expected to surge by almost 10%.

この文の構造は簡単です。

「しかも2024年に、これらの収益は、ほぼ10%急増すると予想されている」。

 

 

ここで第2パラグラフは終了です。このパラグラフの内容は、次の第3パラグラフの内容と合わせて、第4パラグラフの第1文でthisと簡潔に表現することを可能にする状況説明からなるtransition sentencesの集まりのような役割に特化しているので、topic sentenceを含まないと判断することができます。

 

 

 

第3パラグラフ

It is not just American markets that have jumped. European stocks have risen even more, thanks partly to a warm winter that has curbed energy prices. Money has poured into emerging economies, which are enjoying the twin blessings of China abandoning its zero-covid policy and a cheaper dollar, the result of expectations of looser monetary policy in America.

 

 

第1文It is not just American markets that have jumped.

この文はit is X thatの強調構文であることを指摘するだけで充分でしょう。

「価値が急増してきているのは、アメリカ株式市場だけではない」。

 

第2文 European stocks have risen even more, thanks partly to a warm winter that has curbed energy prices.

この文の構造は簡単です。

「一部にはエネルギー価格を抑制してきている暖冬のおかげで、ヨーロッパの株式は、アメリカの株式よりもさらにもっと価値を上げてきている」。

 

第3文 Money has poured into emerging economies, which are enjoying the twin blessings of China abandoning its zero-covid policy and a cheaper dollar, the result of expectations of looser monetary policy in America.

この文はmoneyがS、has pouredがV、intoからeconomiesがM、emerging economiesを先行詞としてwhichから文末までが非制限用法の関係代名詞節になっています。関係代名詞節の中を詳しく見てみると、whichがS、are enjoyingがV、theから文末までがOという構造で、a cheaper dollarと直後の名詞のかたまりが同格になっています。

「新興経済諸国にお金が投資されてきており、それらの国々は、中国がゼロコロナ政策をやめたことと、アメリカでより金融政策が緩和されるという予想の結果である、ドルの価値下落との2つの恵まれた状況を享受している」。

 

 

ここで第3パラグラフは終了です。このパラグラフも、第2パラグラフと同様の役割を果たすことに特化しているので、topic sentenceを含まないと判断することができます。

 

 

 

第4パラグラフ

This is a rosy picture. Unfortunately, as we explain this week, it is probably misguided. The world’s battle with inflation is far from over. And that means markets could be in for a nasty correction.

 

 

第1文This is a rosy picture.

この文の構造は簡単です。このthisで簡潔に済ませることを可能にしているのが、第2パラグラフと第3パラグラフであることに注意してください。

「今説明したのは、楽観的な状況理解である」。

 

第2文 Unfortunately, as we explain this week, it is probably misguided.

この文はunfortunatelyがM、asからweekまでが例えを表す副詞節で、explainのOに相当するものは主節の内容と重複するので省略されています(日本の英語教育は、これを擬似関係代名詞と説明しますが、海外の文法書や辞書でそのような概念を紹介しているものはありません。この世界に通用しない日本だけ通じる変な英語は早く消滅してほしいものです)。itがS、is がV、misguidedがCという構造です。

「残念ながら、我々が今週号で説明するように、その状況理解はおそらく見当違いである」。

この文は「なぜそうであると言えるのか」という疑問を喚起し、その疑問を後の議論展開によって解消していることが確認できるので、topic sentenceであると判断することができます。

 

第3文 The world’s battle with inflation is far from over.

この文の構造は簡単です。

「物価上昇率との世界の戦いは、決して終わっていない」。

 

第4文 And that means markets could be in for a nasty correction.

この文はmeansの直後に接続詞のthatが省略されてそこから文末までがOとなっています。

「しかもそのことが意味するのは、株式市場は厄介な修正に入るであろうということである」。

 

ここで第4パラグラフは終了です。この段階で疑問は解消してはいないことは明らかなのでsupportはまだ続くと判断します。このパラグラフは、第1文がtransition sentenceで、第2文がtopic sentenceで、第3文と第4文がそのsupportの一部であると判断することができます。