■社会人、超難関大学入試問題の難易度
第5パラグラフ
It is true that Britain’s second-tier cities face some deep-rooted challenges. Manchester and other post-industrial spots share several ailments—poor health, labour-force scarring, too few people and jobs in their centres. But they could achieve so much more if politicians got a few relatively simple things right.
第1文It is true that Britain’s second-tier cities face some deep-rooted challenges.
この文はit is true thatでtrue一語と同じ役割を果たすdiscourse marker(後ろのbutから始まる記述と呼応することを示す)でM、Britain’s second-tier citiesがS、faceがV、someからchallengesまでがOという構造になっています。challengesは、日本人がよく勘違いする「挑戦」などという訳語を貼り付けることをしないように、気をつけてください。
「確かに、イギリスの二流都市はいくつかの根深い難題に直面している」。
第2文 Manchester and other post-industrial spots share several ailments—poor health, labour-force scarring, too few people and jobs in their centres.
この文はManchesterからspotsまでがS、several ailmentsがO、ダッシュより後ろがそれをより具体的に表現したものです。
このailmentsと第1文のchallengesとが対応するように読めることが大切なことなのです。「挑戦」という日本語をいじくり回して、自然な訳をしたふりをする「異訳」の技を競ってもなんの意味もないのです。
poor healthは、その後にカンマで並べられているものを考慮すれば、文字通り人の健康状態を表しているのではなく、地域経済の健康状態つまり活気がないことを指していることに気づくことが大切です。ailmentsやcureという病気に関連する意味を持つ言葉を使ったので、あえて紛らわしい言葉遣いをして、読み手の注意を喚起していることに注目してください。
「マンチェスターなどの大規模産業支配後の地域はいくつかの問題を同じく抱えている。それは、貧弱な経済的活力、労働力不足、中心部におけるひとの少なさと職の少なさである」。
第3文 But they could achieve so much more if politicians got a few relatively simple things right.
この文はtheyがS、could achieveがV、so much moreがO、ifから文末までが条件節で中はSVOCの構造になっているMです。
「しかし、それらの都市は、もし政治家たちが少数の比較的単純なことをきちんとすれば、遥かに多くのことをなしうるであろう」。
この文は「より具体的にはどのようなことを意味するのか」という疑問を喚起し、その疑問をその後の議論展開で解消していることが確認できるのでtopic sentenceであると判断することができます。
ここで第5パラグラフは終了です。このパラグラフは、第1文と第2文がtransition sentencesで、第3文がtopic sentenceであると判断することができます。そして、このパラグラフには、対応するsupport部分が一切含まれていないので、supportの役割をするパラグラフは2つ以上後続すると予想できます。