ほどほどの難易度の文法・精読問題(解説) | 英語学習雑感ブログ

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明治大学の入試問題くらいの難易度

 

 

 

それでは早速解説していきましょう。

番号順に解説していきますが、実際には、あとの方の問題が解決することによって、消去法や選択肢が少なくなって初めて解決するのが、ほとんどであることはわかった上でそのように解説していると思ってください。

 

( A )の直前にはbe awareという記述があるので、of句が次に来ることを予想しますが、選択肢はいずれもSから始まる文になっています。したがってofがthat節を目的語に取り、thatの直前の前置詞は書いてはいけないというルールに従って、ofが落ちているのであろうと解釈し、さらによくあるthat節ではthat自体も省略されることがよくあるので、その省略が行われているのであろうと解釈します。

そうした上でwas fondからの述部とhad knownからの述部とがandで組み合わさっていることに注目し、大きめの要素を組み合わせるandあるいはbutの前後では言い換え、省略が多用されることに注目して、意味の一貫性が生じることに注意して選択肢を考慮すると、he never would beを入れると、he would never be in love with herのin love with herという表現の繰り返しを嫌って、その部分が省略されていると解釈できます。ちなみに、省略がなければ、neverの自然な位置はwouldの直後ですが、省略がある場合にはneverの自然な位置はwouldの直前という文法ルールも巧みに利用しています。

このように解釈すると、thoughの直後には主節のSとbeのセットの省略で、he wasが省略されていると理解できます。

意味は、

「マイケルは、ヴィヴィアンと恋仲ではないが、彼女のことが好きであり、彼女と恋仲になることは決してないであろうと確信できるのに充分長い間、付き合いがある」

ということになります。

この問題では、文法力を最大限駆使して、省略などを読み取ることがポイントになります。それに対して、選択肢だけを孤立させてとりあえず訳を作るという、やってはいけないことをすると、「彼は決して存在しないであろう」などというわけのわからないものが出来上がります。この例を見ても、訳語を貼り付けながら読むという方法が、英語を理解するのに良くない方法であることが分かるはずです。

 

( B )の直前にはcheck thatのパターンがあり、直後にはas it should beがあるので、as節を従属節として従える主節がthat節の目的語になっていると判断できます。さらに、空欄以外にitで表される対象が明確になる記述はないので、( B )の部分にitで表されるものを明らかにする表現があると判断します。さらに、( B )を含む文が、just to callから始まることを考慮すれば、直前の文の副詞用法の不定詞句になる部分にもなっていることがわかります。それらを総合して、妥当なものを選択肢から選べば、everything wasが正解であると判断できます。everything was as it should beで、「すべての物事がしかるべき状態にある」という意味であると確認できます。

意味は、

「私は、通常は帰宅途中に、1週間に少なくとも2回、彼女を訪問していた。単に訪問して、すべての物事が然るべき状態にあることを確かめるために」

となります。

これも、埋め込む選択肢を選ぶ際に、文法がいかに役に立つかを示しています。それに対して、選択肢だけを孤立させてとりあえず訳を作るという、やってはいけないことをすると、「すべての物事は存在した」などというわけのわからないものが出来上がります。先にとりあえず決める選択肢の「訳もどきもの」はなんの役にも立たないのです。

 

( C )の問題を解く際には、confidentの直後のthat節と、カンマの直後のthat節が、andの代理をするカンマによって組み合わされていることを読み取ることと、それぞれのthatの直前には本当はconfident ofのofがあるのですが、接続詞thatの直前では書いてはいけないというルールに従って書いていないということが分かることが大切です。さらには、( C )の直後にand the rest would come easilyという表現があることから、( C )の文はandによって重文構造を作っていることが分かることが大切で、the restは( C )に述べたこと以外の残りという意味で使われているということが判断できることが大切です。これらの条件をもとに、選択肢の中からふさわしいものを探せば、one only needed enthusiasmがふさわしいと判断できるはずです。

意味は、

「ジミーは、スキーをすることに関して本当に困難なことは何もなく、スキーに関する熱意だけが必要で(スキーに関する熱意さえあれば)、後は、簡単に実現されるであろう、ということに関して全く確信していた。実際はそうではないと判明しつつあった」。

one only needed enthusiasm andは、if only one has enthusiasm (about skiing)ということであると読めることが大切です。

これも、選択肢だけで訳もどきを作ると、「人は熱意だけが必要だった」という全く的はずれな意味が出てくるだけです。

 

( D )の選択肢を先に答えを出すことができる人は、ESPを持っているとしか言えません。この選択肢を決める英語的な手がかりとなるものは、ほぼ0だからです。したがって、( E )を先に考えることにすると、直前にeven whenがあり、直後にthe fact that he has said it seems to be reassuringがあることが分かるので、( E )の部分で、heとitが表すものが明らかになるような記述があると判断できます。それらを総合して、選択肢をチェックすれば、what a doctor has to say is bad newsがhe = a doctorでit = bad newsと解釈できるので、これが正解であると判断できます。それが分かると、直前の文はIt is funny how ( D ).であり、even whenがあることで、the factから後が( D )の例となるような内容であることがわかります。そうすると( E )のところにa doctorと述べているということから、people seem to find comfort in a medical man’s wordsがa doctorと繋がる内容を書いている唯一の選択肢と判断できます。

意味は、

「人々が、医療関係の男性の言葉に安心感を覚えるようであるというのは奇妙である。たとえ男性の医者が言わなければいけないことが、悪い知らせであるときでも、彼がそのことを言ったという事実が、人々を安心させているように思われる」。

 

( F )を含む文がdo itを含んでいるので、keep their jewelry in the bedroomの繰り返しを嫌った表現であると判断できます。ちなみにdo soとすると、直後のso (that)のsoと重なってdo so soのパターンが醜悪なので、do itとしているだけでなく、次のit’sのitも繋がりやすいので、そのようにしていると判断できます。そしてit’s handy whenが空欄( F )の直前にあることを活かせば、they’re getting dressedが正解であると判断することができます。( G )は、直前にthe real reason is thatがあり、直後にsurrounded by gold and diamondsがあることから、女性が寝室に宝石類をしまっておく本当の理由を述べていることであるとわかり、さらに直後が「寝室にある宝石に囲まれている」状態を表すということとを総合すれば、they sleep betterが正解であると判断できます。

意味は、

「女性は寝室に宝石類をしまっておく。女性がそのようにするのは、そうすると身繕いをする時に便利だからであるというのは間違いないと思っているが、本当の理由は、金やダイヤモンドという宝石類に囲まれているとより良く眠れることである、と私は思っている。そのようにすると安心感を覚えるようになるのである」。

 

 

いかがですが、英語を見た時に、英語でどれだけ情報処理をすることができるか、これが本当の読解力を生むのです。訳語を貼り付けて現国力を使うなどというのは、予備校や塾が収益を増やすために広めているインチキに過ぎないのです。

このブログでは、そのようなことに力点をおいて説明してきたので、その説明が正しかったと再確認できるのではないでしょうか。

 

 

ちなみに出典は、慶應義塾大学の看護医療学部で、新設年度の問題です。新設なので、丁寧に作られている問題だと思います。そして何よりも、出題者の英語力をひしひしと感じることができることです。このような人こそ、英語学習に関して積極的に発言してほしいものだと思います。久しぶりに、過去問を見て唸った問題でした。このような良いものを紹介してくださった出題者に感謝と敬意を示したいと思います。