東京シティ・フィル定期演奏会(高関健、南紫音)2024-04-19 東京オペラシティ | sakagumoのブログ

sakagumoのブログ

会社員です。クラシック音楽と読書と温泉が好きです。あと万年百十の王だけど、楽しくゴルフ⛳をすることが好きです。
最近は筆不精がたたって、読む専門です。

東京シティ・フィル定期演奏会

指揮:高関 健
ヴァイオリン:南 紫音
音符R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」作品59、第1幕および第2幕より序奏とワルツ集
音符シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 作品35
音符ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

 

シティフィル、2024年度シーズン開幕。

最初の「ばらの騎士」からの序奏・ワルツ集は珍しい。よく取り上げられる組曲版は、他の作曲家がアレンジしたもので「あまり好きでない」と高関さん。

 

きょう取り上げた序奏とワルツ集は、1945年にシュトラウス自身が管弦楽用にアレンジしたもの。オリジナルを見ないで、記憶の中で譜面を書いたので、オリジナルとは違った展開にもなっているとプレトークで話してくれました。

 

15分弱ほど。「ばらの騎士」の世界観が繰り広げられて良かったです。(でもやっぱり最後の三重唱の場面は欲しいなとも)

 

2曲目は南紫音さんが登場してのシマノフスキ。個人的には南さんの演奏を聴くのはかなり久しぶり。

 

ずい分と立派なヴァイオリニストになりました。確固たる芯のある音で、ピンと張りつめた緊張感が素晴らしかったです。

 

オーケストラも大編成で咆哮する大変な作品ですが、ソロが出るところは高関さんが上手くコントロールしていて、バランスが見事でした。

 

後半は名作エロイカ。弦楽器群はきれいに対抗配置になり、まさに翼を広げているような編成がきれいでした。

 

とくに第1楽章が素晴らしい演奏でした。やや速めのテンポ設定で、フレーズの切れ目や音楽の転換点で食いつくように前のめりな演奏で、推進力が心地よかったです。

 

第2楽章の葬送行進曲はわりとあっさり目の音楽作りで、この作品の古典的なフォルムを明確にしたような演奏でした。

 

高関さんは10年目の常任指揮者としてのシーズンに突入。2027年3月までは契約済みとのことですので、まだまだこのコンビの名演が期待できそうです。