東京シティ・フィル定期演奏会
指揮:高関 健
ヴァイオリン:南 紫音R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」作品59、第1幕および第2幕より序奏とワルツ集
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 作品35
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
シティフィル、2024年度シーズン開幕。
最初の「ばらの騎士」からの序奏・ワルツ集は珍しい。よく取り上げられる組曲版は、他の作曲家がアレンジしたもので「あまり好きでない」と高関さん。
きょう取り上げた序奏とワルツ集は、1945年にシュトラウス自身が管弦楽用にアレンジしたもの。オリジナルを見ないで、記憶の中で譜面を書いたので、オリジナルとは違った展開にもなっているとプレトークで話してくれました。
15分弱ほど。「ばらの騎士」の世界観が繰り広げられて良かったです。(でもやっぱり最後の三重唱の場面は欲しいなとも)
2曲目は南紫音さんが登場してのシマノフスキ。個人的には南さんの演奏を聴くのはかなり久しぶり。
ずい分と立派なヴァイオリニストになりました。確固たる芯のある音で、ピンと張りつめた緊張感が素晴らしかったです。
オーケストラも大編成で咆哮する大変な作品ですが、ソロが出るところは高関さんが上手くコントロールしていて、バランスが見事でした。
後半は名作エロイカ。弦楽器群はきれいに対抗配置になり、まさに翼を広げているような編成がきれいでした。
とくに第1楽章が素晴らしい演奏でした。やや速めのテンポ設定で、フレーズの切れ目や音楽の転換点で食いつくように前のめりな演奏で、推進力が心地よかったです。
第2楽章の葬送行進曲はわりとあっさり目の音楽作りで、この作品の古典的なフォルムを明確にしたような演奏でした。
高関さんは10年目の常任指揮者としてのシーズンに突入。2027年3月までは契約済みとのことですので、まだまだこのコンビの名演が期待できそうです。
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