都響スペシャル
指揮:エリアフ・インバル
マーラー/交響曲第10番嬰へ短調(クック版第3稿第1版)
初台での「シューマン室内楽マラソンコンサート」の第1部のあとこの公演へ。
室内楽マラソンの様子は以下に記しました。
シューマン室内楽マラソンコンサート 2024-02-23 東京オペラシティコンサートホール | sakagumoのブログ (ameblo.jp)
で、インバルのマーラー10番。
何でもインバルは、マーラーの10番を補筆完成したデリック・クックがいるところで演奏しいろいろと協力したようです。
で、出来上がったのが第3稿第1版。その後、手が加わって第2版も出たけど、納得できない部分があるので、第1版で演奏するとのこと。
もの凄い集中力で、素晴らしい演奏となりました。
まず弦楽器群のアンサンブルが凄い。
コンマスの矢部達哉さん以下、一心不乱の演奏で、艶やかで濃厚。なかでも重要な役割を担うヴィオラが素晴らしく、3月で退団される店村さん、篠崎友美さんの2TOPがぐいぐい音楽を牽引していきます。
インバルはやや早めのテンポでどんどん音楽を進めていきます。インバル指揮のときの都響はいつもにも増して集中力が高いです。
第4楽章の消防士の葬列でのバスドラは、あまり余韻を残さずやや硬めの音。そのまま終楽章へ突入します。
終楽章冒頭の松木さやさんのフルートソロは泣けました。孤高の響き。
クック版のマーラーはこうして素晴らしい演奏で聴くと、ちょっとマーラーにしては華美な感じ(とくに第4・5楽章)がしないでもないですが、それでもマーラーの精神を色濃く表現できているように思います。
インバル/都響のマーラーにすっかり満たされ、満腹状態で再び初台へ。