ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019
今年は1日目と2日目合せて6公演に行きました。
昨日は地元で飲み会があり帰宅が午前様だったので、昨日行った4公演を今書きます。
【152】ホールD
アキロン・クァルテット
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 K.158
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 K.159
♪ハイドン:弦楽四重奏曲第66番ト長調 op.64-4 Hob.Ⅲ/66
女性だけのカルテット。ザルツブルク時代の若きモーツァルトの2曲。こうしてじっくり並べて聞くと、中々に聴きどころ満載。
1stヴァイオリンのエムリン・コンセは、各楽章繰り返しのところでは、装飾音符をつけたりして鮮やかな演奏。
ハイドンは、あの有名な「ひばり」と同じセットの作品66。さすがに若いモーツァルトと違って老練お味わい。
ここでも、第2楽章のトリオで1stのコンセは、アドリブ的な多彩な演奏を披露。ぴったりはまっていてとても楽しかった。
【153】ホールD
児玉麻里/児玉桃
♪エトヴェシュ:コスモス
♪ブラームス:ハンガリー舞曲から 第4番、第5番
♪ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
3曲とも同じピアノ連弾ながら、それぞれ趣向が異なり面白かった。
最初のエトヴェシュのコスモスでは、2台のピアノを「ハ」の字に、しかも客席の端と端くらいに離してセッティング。宇宙的な広がりを描くためか。
冒頭から中々鮮烈な響きで楽しませてくれる。だけど、ワンパターンで10分以上、ちょっと長く感じた。半分くらいなら、面白い響きのする楽しい作品と思えたが。
ブラームスのハンガリー舞曲は、ピアノを中央で向かい合わせて、通常の連弾スタイルに。だけどここでは、1台のピアノに2人並んでの、4手による演奏。体を揺すりながら楽しい演奏でした。
そして「ハルサイ」では通常の連弾スタイル。「ハルサイ」独特の変拍子とリズム、実に面白かったです。
麻里さんの方の譜めくり男子が、ちょっとトロい感じで、麻里さんと息が合わず、ちょっとイライラしてたような。演奏にも微妙な影響も。
【144】ホールC
梁美沙[ヤン・ミサ](vl)
ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団
リオ・クオクマン(指揮)
♪フロレンツ:交響詩「クザル・ギラーヌ(赤照の砂漠)」op.18
♪ブルッフ:スコットランド幻想曲op.46
当初予定の指揮者エンヘが体調不良で降板、クオクマンが代役。最初の「クザル・ギラーヌ」は、ちょっと退屈な曲。
アフリカ独特の世界観が響きに出ていて良かったのだけど、これも約15分と長かった。もっとリズミカルに盛り上がりがあるかと思いきや、意外と不発。
ヤン・ミサさんの「スコットランド幻想曲」。これはどストライク、完全にツボにハマってしまい、涙と鼻水が止まらなかった。
第1楽章のイントロダクションそして主部に入ってからのあの美しいメロディ。第3楽章のアンダンテ、ヤン・ミサさんのあまりにも切ない歌に完全にノックアウト。
第2楽章、終楽章の快活な場面で息がつけて良かった。
若いユース・オケも、ちょっと青臭い演奏だったけど万全のサポート。これは今年一番の、超ど級の名演奏となりました。
【155】ホールD
ミシェル・ダルベルト(p)
♪リスト:巡礼の年第2年「イタリア」
ダルベルトのピアノのタッチの素晴らしいこと!噴水の水しぶきのような繊細なものから、地獄の底から腹にズシンと響くような強靭なタッチまで、職人的な技の多彩さに、年を重ねての巨匠風のスケールの大きさと、圧倒的なリストでした。
やはり有名な第5曲「ペトラルカのソネット第104番」での歌は感動的だったし、何といっても終曲「ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲」での超絶技巧は素晴らしかった。
どれだけけ音符の数が多くても弾き飛ばすようなところはなく、細かい音一つ一つが本当に強靭。奇跡的な演奏。
今年のLFJなかなか当たりが多いです。