読売日響 日曜マチネーシリーズ
指揮:シルヴァン・カンブルラン
ピアノ:ピエール=ロラン・エマール
♪ベルリオーズ/歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲
♪ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番
♪ベルリオーズ/幻想交響曲
2010年から9年に及ぶ常任指揮者としての最後の公演ということで、広い芸劇も満席の盛況ぶり。
「幻想交響曲のあとのカーテンコール時は写真撮影OK」も出るお祭りぶり。
幻想のあと、万雷の拍手の中、オケから「天国と地獄」序曲の後半部分が始まる。
男女2人ずつ(誰か分からなかったけど)、ボンボンを持って踊り始める。これがまた実に上手い。けっこう練習したのかな。
後方には「ありがとう。シルヴァン、また日本で会いましょう!」の横断幕もセット。
シルヴァンも途中からボンボンを持って一緒に踊る(どこかのオケの二番煎じだが)。
そして、オケから大きな真っ赤な花束をシルヴァンに渡す。明るく、からっと、笑顔でラストを飾る。何だか楽しいけど、涙が出てきた。
シルヴァンが読響に残した功績は大きい。多彩なレパートリーで大いに楽しませてくれた。
前後したけど、本公演も素晴らしい演奏。
最初の「ベアトリ・・」序曲は、幻想から焼く30年後の、ベルリオーズ最後の作品。幻想のような毒はなく、熟練の作曲技法が光り楽しい作風。
中間部の抒情的な部分の演奏が実に美しかった。
エマールが登場してのベートーヴェンの協奏曲。明快なタッチだけど、重さはなく、短調だけど、明るい感じ。緩徐楽章がしっとりしていて良かった。
後半メインの幻想交響曲。第1楽章、第4楽章と主部の繰り返し有り。
勢いにまかせない、しっかりとした作り込み。サウンドが華やか。べた足にならず、常にかかとを上げているようなフットワークの良さ。
デモーニッシュな感じが無いのはちょっと物足りなさも感じたけど、いかにもシルヴァンらしい、センスの良い洒落た幻想だった。
横断幕に書いてあったように、また日本に来て、読響を振ってもらいたい。
カーテンコールのところ、写真撮ったけど、ピンボケでした。