ビートルズ東芝シングル(第46回「フロム・ミー・トゥ・ユー」)(第47回「ラヴ・ミー・ドゥ」) | ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

THE BEATLES PERFECT JAPANESE RECORD GUIDE(BPJRG)を目指して、研究しています。

またまたしばらく間が空きましたが、困ったときのシングル・ガイド頼み(笑)、77年発売のシングルから紹介します。76年6月にLPは国旗帯シリーズとして新装盤が発売されましたが、シングルは1年遅れて77年の5月よりジャケットを変更した「結成15周年記念」シリーズが発売されました。このシリーズは基本的には旧譜の再発になりますが、UKオリジナル・シングルのカップリングで発売するといったシリーズのコンセプトにより、これまでUKオリジナル・カップリングで発売されたことがなかった2枚のシングルが、新規発売になりました。1枚は「ラヴ・ミー・ドゥ/P.S.アイ・ラヴ・ユー」で、もう1枚は「フロム・ミー・トゥ・ユー/サンキュー・ガール」です。

これまで国内では、「ラヴ・ミー・ドゥ」は「オール・マイ・ラヴィング」とのカップリングで発売され、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」の国内発売シングルはありませんでした。また、「フロム・ミー・トゥ・ユー」は「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」と、「サンキュー・ガール」は「ドゥ・ユー・ノウ・ア・シークレット」とのカップリングで発売されていました。なお、「オール・マイ・ラヴィング/ラヴ・ミー・ドゥ」は結成15周年シリーズの24番目で再発されていますが、「フロム・ミー・トゥ・ユー」と「サンキュー・ガール」のそれぞれの国内オリジナル・カップリング・シングルは、80年11月の国内オリジナル・ジャケットによる再発盤まで待たないといけませんでした。

 

【シングル「フロム・ミー・トゥ・ユー/サンキュー・ガール」】

■結成15周年記念(東芝EMI EMIオデオンEAR-20223、77年6月5日発売)

<ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

77年デビュー15周年記念シングルは5月5日、6月5日、7月5日の3回に分けて発売されましたが、発売順に規則性はなく、ランダムに振り分けられたようです。前年発売の国旗帯シリーズLPはある程度人気の高いLPから発売したということを聞いた記憶はありますが、シングルはそこまで考慮しなかったと思われます。このシリーズの2枚の新譜でも、UKシングル第3弾の「フロム・ミー・トゥ・ユー」のほうが、UKデビュー・シングルの「ラヴ・ミー・ドゥ」よりも1か月早く発売されています。シリーズの2回目発売の77年6月5日発売になりますので、ジャケット裏のLP広告の「ビートルズ・スーパー・ライヴ」の写真が印刷されているタイプ9Aになります。

 

■シングル・ボックス「ザ・ビートルズ・シングル・コレクション」(東芝EMI EMIオデオン EAS-17313、83年3月1日発売)

<ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

UKではオリジナル・シングル発売のちょうど20年後に同じタイトルのシングルを発売するという企画を行い(曜日の兼ね合いか、まったく同一日ではない場合もあり)、通常のシングルとピクチャー・シングルの2枚がタイトルごとに発売されています。シングル・ボックスは、デビュー20周年記念としてUKで82年10月6日に発売されましたが、国内では翌年の93年3月に発売され、本シングルが収録されています。ジャケットの写真は発売後20年にUKで発売されたシングルのジャケット、ピクチャー・シングルの写真にも使用されています。

 

【シングル「ラヴ・ミー・ドゥ/P.S.アイ・ラヴ・ユー」】

■結成15周年記念(東芝EMI EMIオデオンEAR-20221:76年7月5日発売)

<ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

結成15年にして、国内で初めてUKデビュー・シングルと同じカップリングのシングルが発売されました。本シリーズの1番です。77年7月5日のシリーズ3回目の発売になりますので、こちらもジャケット裏はタイプ9Aになります。

なお、64年5月に発売されたシングルのタイトル表記は「ラヴ・ミー・ドゥ」ですが、今回は「ラヴ・ミー・ドゥー」と「ドゥ」に長音の「ー」が付いています。このシリーズは英語の発音により近く表記するコンセプトからか、通常とは異なる表記がされているタイトルがいくつかあります。

 

■シングル・ボックス「ザ・ビートルズ・シングル・コレクション」東芝EMI EMIオデオン EAS-17311、83年3月1日発売

<ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

このシングル・ボックスにも当然のことながら、UKデビュー・シングルは収録されています。このボックスには通常盤の他にボーナス・シングルとして、以下に紹介するこのシングルのピクチャー・レコードも収納されています。

 

■シングル・ボックス「ザ・ビートルズ・シングル・コレクション」東芝EMI EMIオデオン EAS-17337、83年3月1日発売

<ピクチャー・ディスク表>

<ピクチャー・ディスク裏>

83年3月時点ですでにUKで発売されていたデビュー・シングルのピクチャー・シングルが、おまけとして国内シングル・ボックスに追加されました。なお、UKで発売されたピクチャー・シングルと同仕様で国内発売されたシングルは、このデビュー・シングル1枚のみになります。と言うか、東芝から発売されたピクチャー・シングルはこの1枚だけです。

 

■東芝EMI EMIオデオン(TOKP-7085、92年10月5日発売)

<ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

デビュー30周年にもUKデビュー・シングル盤が発売されました。ビートルズの国内シングルとしては、82年4月発売の「ビートルズ・ムービー・メドレー」以来、約10年ぶりの発売になります。92年頃には、東芝EMIは自社でのレコード・プレスは行っていなかったので、東洋化成にプレスを委託していたようです。以前報告しましたが、この時期の東洋化成プレスの盤はレーベル内にPMの刻印があり、「4T9」の刻印が見られます。この時期は記号に平成年号が用いられており、平成4年(92年)9月プレスになります。

ジャケットは専用の透明のビニールに入れられ、ビニールの上にステッカーが貼られています。このステッカーがあって完品になります。

 

■EMIミュージック・ジャパン パーロフォン(TOJP-40002、12年10月5日発売)

<ジャケット・スリーヴ>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

デビュー40周年の発売はありませんでしたが、50周年記念として全世界でデビュー・シングルが発売されました。国内でもEU盤に解説・歌詞シートが追加された輸入国内盤として発売されました。今回もビニール外袋にステッカーが貼られています。この時点では国内盤の発売元がEMIミュージック・ジャパンに変更となっています。

これまで国内発売のシングル「ラヴ・ミー・ドゥ」には、すべてアンディ・ホワイトがドラムスのバージョンが使用されていましたが、今回のシングルで初めてリンゴ・バージョンが収録されました。80年発売のLP「レアリティーズVol.2」で、既にリンゴ・バージョンは国内発売されていましたが、シングル発売は初めてになります。なお、82年発売の12インチ・シングルにも収録されていましたが、このレコードは収録曲数が異なりますので、今回は取り上げません。

このシングルが海外で発売された際に話題となったのが、収録バージョンのエラーの件です。リンゴ・バージョンを収録する予定が、発売初期はアンディ・バージョンを収録したシングルが発売されました。間違いに気づき、アンディ・バージョンは回収されてリンゴ・バージョンに変更されましたは、国内盤は初めからリンゴ・バージョンが収録されましたので、回収問題は生じませんでした。

EU盤は、マトリックスBC88258-01A1がアンディ・バージョン、BC91232-01 Aがリンゴ・バージョンで、国内盤もリンゴ・バージョンのマトリックスです。B面のマトリックスはすべて同じBC88258-01B1になりますが、レコード番号がR-4714と印刷されており、これは修正されませんでした。もうガタガタですね(笑)。ちなみにR-4714は60年発売のマット・モンローのシングル「ポートレート・オブ・マイ・ラヴ」の番号になります。さすがにマット・モンローの曲が収録された盤が発売されるといったエラーはなかったようですが…(笑)。

 

その他、ユニバーサル・ミュージックに発売元が変更となって 年に発売された、各国で発売されたジャケットを復刻したシングル・ボックス「ザ・ビートルズ・シングルス・コレクション」も19年11月に発売され、今回紹介した2タイトルも収録されていますが、またの機会に紹介したいと思います。

 

■シングル「フロム・ミー・トゥ・ユー/サンキュー・ガール」(EAR-20223:77年6月5日発売、EAS-17313:83年3月1日発売)

■シングル「ラヴ・ミー・ドゥ/P.S. アイ・ラヴ・ユー」(EAR-20221:77年7月5日発売、EAS-17311・EAS-17337:83年3月1日発売、TOKP-7085:92年10月5日発売、TOJP-40002:12年10月5日発売)