ビートルズ東芝LP-第13回「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」② | ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

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今年も残すところ残り数日になりましたが(この時期はこのいつもこのフレーズから始まります(笑))、LP「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の2回目を報告します。年またぎは避けたかったので(笑)、滑り込みで年内に記事をアップします。

前回は76年発売の国旗帯まででしたので、続きの78年発売ピクチャー・レコードからです。

 

■EAS-90071(東芝EMI EMIオデオン カスタム帯:78年12月25日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<ピクチャー・レコードA面>

<ピクチャー・レコードB面>

70年代後半にピクチャー・レコード・ブームが発生し、78年から79年にかけてビートルズ関係のピクチャー・レコードが3枚発売されました、このブームは世界的なもので、海外でもこの時期に多くのピクチャー・レコードが発売され、東芝もこのブームに便乗した形で発売したようです。ビートルズ関係では翌年の79年月2月にLP「アビイ・ロード」と「バンド・オン・ザ・ラン」の2枚のピクチャー・レコードが発売されています。

また、78年にビー・ジーズとピーター・フランプトン主演の映画「サージェント・ペパーズ」が公開され、同年8月に国内でもサントラ盤も発売されました。映画はこけましたが(笑)サントラの数曲はヒットし、サージェント・ブームが盛り上がっている中での発売で、これまた便乗になるのでしょうか。

以前、記事にもしましたが前回の国旗帯と同様に、最後の「インナー・グルーヴ」が収録されているLPと収録されていないLPがあり、B面のマトリックス「YEX-638 3S」以降のプレスには収録されていないことが確認できています。複数枚所有していますが、「インナー・グルーヴ」収録有無の両プレスともPMはすべて「8-Y」(78年12月プレス)ですので、同月に収録有無2種類のスタンパーでプレスされていたことがわかります。5枚確認しましたが、同じPMでもマトリックスはA面「YEX-637 4S3 26」から「4S4 28」、B面は「YEX-638 2S3 113」から「3S 37」まで1枚1枚すべて異なっていました。ピクチャー・ディスクは1枚のスタンパーであまり多くの枚数がプレスできずにスタンパーを多く使用したのかもしれません。

なお、東芝のピクチャー・ディスクは、日本ミュージカラーというピクチャー・ディスクを専門にプレスしている会社にプレスを委託していました。このLPのB面にも同社のロゴと社名が印刷されています。

 

■EAS-50038(ビートルズ・コレクション初回盤:79年2月5日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

78年2月に発売された13タイトル14枚組ボックス「ビートルズ・コレクション」に収録のLPにはボックス専用のレコード番号が付けられています。レーベルはアップルのままですので、表ジャケット右下のアップル・ロゴはそのまま残り、右上のレコード番号のみが変更となっています。

切り抜きシートも添付されていますが、レコード番号が国旗帯とは異なりますので、左下のレコード番号が変更されています。カセット・ボックスも発売されていますが、こちらのシートにはカセット番号(ZR18-987)が印刷されています。

 

■EAS-66017(「ビートルズ・コレクション」再発盤:82年12月1日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

LPボックス「ビートルズ・コレクション」収録LPを続けて紹介します。82年12月にレコード番号を変更した再発ボックスが発売されました。再発ボックスはすべてのタイトルがEMIオデオン・レーベルに変更されていますので、ジャケット表右下に印刷されていたアップル・ロゴは削除され、ジャケット裏右下にレンタルやテープへの録音に関する注意書きとともにEMIオデオン・ロゴが印刷されています。

切り抜きシートの左下のレコード番号も変更となっていますが、今回はカセット・ボックス収録のカセット番号も併記され、LPとカセット兼用のシートになっています。

 

■EAS-70137(UKオリジナル・モノラル・シリーズ初回盤:82年1月21日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

82年1月に、UKオリジナル・モノラル盤が全10タイトル発売されましたが、その中の1枚として本タイトルも発売されました。このシリーズはEMIオデオン・レーベルで発売されましたが、「ビートルズ・コレクション」再発ボックスよりも早く発売されましたので、初のEMIオデオン・レーベルでの発売となります。

ジャケット表にはレーベル・ロゴは印刷されておらず、右上に大きく「mono」と印刷されています。

 

■EAS-70137(UKオリジナル・モノラル・シリーズ再発盤:86年6月4日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

86年6月に再発されたモノラル盤は初回盤と同じレコード番号ですのでジャケット表は初回モノラル盤と同一になります。ジャケット裏右下のテープへの録音禁止等の注意事項と発売日記号(再発「H・6・4」)の有無が異なります。レーベルはJISマークの有無等の微妙な違いのみです。

なお、モノラル盤の2枚には切り抜きシートは添付されていませんでした。

 

■TOJP-7079(新国旗帯:92年5月27日発売)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

92年に復刻シリーズとして、UKオリジナル盤を中心に新国旗帯シリーズのLPが再発されました。レーベルは上記モノラル盤と同じEMIオデオン・レーベルですが、今回初めてジャケット表にEMIオデオン・ロゴが印刷されました。

切り抜きシートも添付されましたが、左下にレコード番号は印刷されておらず空白です。一方、初めて右下にシート・デザインの作者の2人、「Peter Blake/Jann Haworth」の名前が印刷されています。この名前の印刷されたシート、UKオリジナルLPに添付されていたシートと同じデザインになります。なお、このシートの大きさは発売時期により微妙に異なり、新国旗帯添付シートが最も大きいです。

<切り抜きシートの作者名印刷>

<切り抜きシート:上から国旗帯、コレクションLP初回、コレクション・カセット初回、コレクション再発(LP・カセット兼用)、新国旗帯>

■TOJP-60138(新矢印帯:04年1月21日)

<表ジャケット>

<裏ジャケット>

<レーベルA面>

<レーベルB面>

04年に発売された国内プレス最後のアナログLPには60年代の再発盤に付けられた矢印帯に類似した帯が付けられていますが、これまでこのタイトルが矢印帯で発売されたことはありません。東芝担当者の調査不足によるものだと思いますが、LP「マジカル・ミステリー・ツアー」とこのタイトルの2枚を統一デザインにしようと考えた場合、60年代中後期のオデオン盤に使用されていた矢印帯を選択したのかもしれません。

このシリーズのレーベルにはパーロフォン・レーベルが採用されていますが、ジャケット表右下にはレーベル・ロゴは印刷されず、右上のレコード番号も印刷されていませんので、40年以上経って、オリジナルと同じスッキリしたデザインに戻りました。

切り抜きシートは新国旗帯と同じ、作者名が印刷されたシートになります。

 

このLPが今のところ国内最終プレスLPになります。これ以降は直輸入国内仕様盤になりますので、割愛させていただきます。

おそらく今回が本年最後の記事になるでしょう。本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

 

■LP「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(発売年月のみはPM等より推測)