この本、結構な値段しますが、かな~~り読み応えがあっておもしろいからボクシングファンなら読む価値はあるとおもいます!
題名に沢村忠ってあるからキックボクシング主体で純粋なボクシングファンは毛嫌いしたりするかもしれませんが食わず嫌いはもったいない。
そういうとキックの話が意外と面白いのか?と、とられるかも知れませんが違います、純粋にボクシングの読み物としてもかなり面白いんですよ。(キックの話はそれはそれで面白いんですが)
自分は元ボクサーなんでボクシング以外のスポーツはそれほど詳しくもないし他の格闘技もそれほど見ません。
でも、漫画原作者の梶原一騎が大好きで空手バカ一代やプロレススーパースター列伝なんかは夢中で読んでた漫画オタクです。(ボクシング始めたのはもちろんあしたのジョーの影響)
もちろん、キックの鬼も持ってますがキックの鬼は有名な作品にも関わらずなかなか復刻されず、漫画を読んだのもアニメを観たのものは大人になってからですが。
その漫画にもアニメにも野口修はしっかり登場してます。
ちょい役じゃなく準主役です。
この野口修って人は沢村忠をヒーローにしたてたプロモーターとして有名なわけですがボクシングの日本王者の息子にして兄貴でもあるんですよ。
そう、親子で日本王者になった野口進、野口恭の家族、進の息子であり恭の兄なのです。
この辺りもしっかり書かれてます。
父親の進はボクサーとしてだけでなく右翼関係の大物だったことや、興した野口ジムの選手、後の三迫ジム会長で野口ジムのエースだった三迫仁志についても詳しく書かれてます。
戦後間もない頃の日本ボクシング界の動きや状況、世界戦を組むためには今とは本当に難しさが比べものにならなかった事情、そういった話を丁寧に取材して書かれてます。
半分ぐらいまでは沢村忠も出てこず、野口ジム関係の話が中心です。
純粋なボクシングファンで沢村?、キック?興味ないよ!って思ってた人でも興味わいてきたでしょ(笑)
まぁ格闘技ファンは逆にボクシングのこと興味ないと思うかもしれませんが、日本格闘技界の歴史を語る上では欠かせない話でもあります。
で、この野口修さん、格闘技だけではなく芸能界にも進出するんです。
五木ひろしを世に出したのもこの人なんです。
でも、ボクシングファンにとってそんな話、どうでもいいやん!っておもいますよね?
自分も読む前は後半そんな話だからおもしろくなくなっていくのかな?って思ってたんですが、作者の筆力と丹念な取材でどんどん引き込まれていってこの野口修という人にどんどん興味がわいてきちゃうんで最後まで面白く読めると思います。
かな~り分厚い本なんですが夢中で読んじゃいました。
で、ちょっと私的な話になるんですがこの本の作者、自分のグリーンツダジム時代の後輩の友達だったんですよ!まぁ自分は会ったことないんですが。
正直、自分はほんのちょっとキックには興味あった時期もあるし「真空飛び膝蹴りの真実―“キックの鬼”沢村忠伝」なんて本も読んだことがあるんでそういう興味本位でこの本をAMAZONのほしいもリストに入れてたんですよ。
でも高いんで中古で安くなってから買おうとセコイ事を考えてほったらかしてたんです。
そんな時、ツダの後輩と電話で長話してたらこの本の話が出たんですよ。
後輩のいのきくんはツダジムの合宿生で当時、前田日明の先生という触れ込みで有名になった田中正吾という人が経営する中華屋さんでバイトしてたんですがそのときにこの本の作者である細田昌志さんと出会ったと言うてました。
それで俄然、この本に興味がわいて読みましたが本当に面白い良い本でした。
この本の取材にはかなりの時間が費やされたようですが本当に丹念な取材をしてるなって思います。
面白いんでお勧めです!
沢村忠に真空を飛ばせた男: 昭和のプロモーター・野口修 評伝 | 細田 昌志 |本 | 通販 | Amazon