其処は
レトロな雰囲気の喫茶店風占い館
カランカラン
一人の冴えない様子の男性が店内に入ってくる
お待ちしておりました
どうぞお掛けになってください
あ、あの…
何も言わなくていいです、此処に来た理由もわかってますのでお答えします
し、しかし、あのですね…
いえ、結構
では、はじめますね
そう、言うと花魁姿の女?は口火を切った
あなた、お遊びが酷いですね
それはもうおやめになりなさい
人は幸せを手にすると今まであなたを応援してきたり愛情を注いできた人間を蔑ろにする
運を気にせず地に足を付けて仕事をしたりすることはとても素晴らしいことです
しかし、損得勘定関係なくあなたを愛してきた人間を裏切らないこと。
私レベルになると他人に妬まれるだけで逆に相手が誰と話そうが付き合おうがなんとも思わないがあなたの周りは違うはず。
結婚式などがあればそこの主役があるように全ての中心は各々ではなく、今誰が大事かを考えるべき
自分が自分がと前に出ることを控えなければならないはず
それを理解しない人間もいるはず
みんなの為に、怒るという正義感も私情を挟んではいけない
正義感というのは公平で真っ直ぐなもの
そこに自分の主観を入れる人間がいるが相手の立場を思えば普通は妙な正義感や怒りは生まれないもの
い、いきなりなんですか?意味がわからないんですけど
と、男は言う
今、私の口から発してるのは全て言わされているものです
黙って聞いてください
あなたはあなたを愛してきた人間をこれ以上蔑ろにしてはいけない
あなたは十分幸せだ
何度も言うが私レベルになると他人の幸せなんてなんとも思わない
運を得て難を逃れ要領よく生きることは大切だ
しかし、欲張ると大切なものを失ってしまう
今生かされているのは誰のおかげかをよく考えること
もし、それでもモテたいなら一途な人間になれ
意外かもしれないがモテる人間は自ら動かなくても放っておいても人が集まるのだ
人と距離を置き孤独を知っている人間
それがモテる人間なのだ
しかし、そういう人に限り相手は一人で充分だと思っているのだ
は〜、ではどうすればいいのですか?
欲張らないこと 以上です
は、はぁ
全て見透かされた男はぐったりして店をあとにした
店内からは
TRUE LOVEが流れていた。
オカルト妄想日記終わり