すかいうぉーかー -35ページ目

すかいうぉーかー

CRAZY=SPELL−BOUND



















ええ

3走行目なんて 走る気無くなりましたよ







仕事がずっと忙しくて
この日の朝も早く

体力も集中力もガッツリ使って




血液は全部、膨れ上がった胃袋に「みんながんばれ」状態



しかも
1、2走行目が 結構楽しめちゃったもんだから

本当にお腹いっぱいと言うか









こんなんで走ったところで、そんなに良い方向にはならないもんだ








だが、なんつーか

企画の言い出しっぺで、色んな人が来てて


しかも、主役はモトさんやオカくんである






恐らく、ここで「俺、もう いいや」なんつった日にゃあ

俺も俺もと走らない奴が出てしまい
水をかける事になるかも知れない
















よっしゃ 行きますか(脂汗)









ダルダルな精神に喝を入れ、うっとおしさの極みのような装備を纏い

よっこらしょとWRに跨って、エンジンをかける


ああ・・・なんて、体が重いんでしょう





待機エリアに着いた途端に、猛烈な眠気が襲う

コレは、本気でマズい





兎に角、コースに出ちゃえば みんな勝手に走るのだから

もしも、本当に辛かったら適当に流せばイイ



逆に、何も考えないで
コースの各所で、一番気持ち良い速度で走るつもりで


何も、いちいち目を三角にする事は無いのだ・・・

































スタート?


え? スタートなの? ← 熟睡









何の縛りも無い状態で、コースに飛び込む





んー


とりあえず、こんなんかなー




ギクシャクさせずに
綺麗な線を繋ぐ感じで



WRのファイナルを意識して
良さげな射角と、回転数を探りながら

細かいヘアピンどもの、一番速い繋ぎ方なんぞを プラプラと研究する



まあ、こんな書き方ではあるが
スピードはさっきとそんなには変わらない

研究してるか 遊んでるかの違いだ


朝イチ 面倒くさくてサボってたギアチェンジをサクサクやって

なるべく美味しい所で立ち上がるようにする






(んー、やっとコースには慣れて来たかな)



スピードレンジが高いので、逆に あんまりちゃんと攻略は出来てないのだ

来るコーナー 来るコーナー、イチイチ バッサバサ斬り捨てても
それはそれでガタガタだったりする



レースや殺し合いだったら、1つのコーナーで頑張って前に出たりもするが
基本的には、一周を綺麗に繋げる方が大事





そんな感じで、フニャフニャしながら数週

段々眠気が取れて来た










「ん?」







最終の手前

連続コーナーをショートカット出来る、エスケープみたいな所に
ウッちゃんが停まっていた



何かあったのかと、横につけて停める





「どした?」






「あっ♪」


コチラを見た両目が、異常にキラキラと輝く








"待ってたよ!"


そう、言っている
いやむしろ絶叫に近い




非常にマズい、ビックリ箱を開けてしまったような

















・・・あー


そう







遊びたいのね










「遅かったら、置いてってな」

DTの性能は、全然分かっていない









どうすっかー

慣らしはー


なー















他の車両の切れ目を待って、ゆっくりとコースインし












俺達は、ムンズとハンドルを絞り上げると
けたたましいスキール音を上げて





最終コーナーへと飛び出した




(続









Android携帯からの投稿




















もう 食えねぇっす














コンビニおにぎり×2

カップヌードル

肉いっぱい

野菜少々

ヨーコちゃんおにぎり×2

ウッちゃん家秘伝 青唐辛子の醤油漬け

ノンアルコールビール500ml×3

その他 何か視界に入ったモノ

























(続


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何時以来だろうか









マフラー交換して

走ってみて








"凄い"




そう、思ったのは











FMFの『Q4』と、『power bomb』



フルエキなので、当然 EXUP(純正排気デバイス)も使わない



普通はワイヤーだけ外すのだが

ウザいので、サーボモーターごと取っ払う



鍵を挿して回すと、インジケーターにエラー表示が出るが キャンセルするのも面倒くさいので放置



跨って

セルを回す







快音が鳴り響く

現実の銃撃のような
小粒で芯が太くて、パルスの強い







夜なので、とっとと出る










「・・・!」






流れ出した景色は
別物だった




下(低回転域)が無くなるって話は、あちこちで見たが


何のこたぁ無い
アクセル開ければ良いだけだった




ちょっと高めの回転で出れば
もの凄い綺麗な吹け上がりで、一気に持って行かれる




何かの抵抗が無くなったのが、嫌になるぐらい分かる




逆に、エンブレや 加速時のギクシャクが無くなり
点と点だったのが、綺麗な線になった感じだ






泳ぎやすい




それが、一番しっくり来る表現だ


全身に鱗が生え
大きくて鋭い鰭が付いたような













そして


つい、口角が上がる






































WRって

こんなに速いバイクだったのかと







Android携帯からの投稿










































ホームストレートを立ち上がる俺の横を、砲弾のような勢いで蒼い影が吹っ飛んで行く




今回、カトーは唯一の1000cc
R1での参加だ


1コーナーにフルバンクで突っ込んで行くのを見ながら
何をどう考えても、追い付けないのが分かる






だが、まあ あれは別格だ

「今日は、かなりのとこまでやろう」と決めた俺は


次々と皆を抜きはじめた




1コーナー
最終からパンパンにGを張らせて、アウトからノーブレーキで

軽く・安定した強靱な車体を、軽々と振り降ろす




熱を帯びたタイヤが アスファルトを舐る





前を行く知らないマシン


フロントを叩き付けて減速しながら値踏みする



早めにインにつくのを見た瞬間に アウトに回り

一呼吸で抜き去る





年1回とは言え、モタードは経験者だ

逆に、アラブさんやウッちゃんが絡まないのは 速度域が似たようなものだからであり

ウッちゃんの順応の早さは、さすがの1言である




まだよく分からないが
200ccとは言え2ストのDTの性能が、4ストのWRよりも上なのだとしたら、到底かなう話ではないだろう





だが、俺のスタンスはいつもと変わらない


特定の誰かと"殺し合い"をするのでない以上

『俺より速い奴は速い・遅い奴は遅い』

そして、それは俺の速さには関係が無い




何よりも、ここの雰囲気を壊すような事をしたくない

無理にイン側にねじ込んだり、突っ込みで目を三角にすれば
もうちょっと上の方も抜く事は出来るが

ここでは、誰もそんな事はやっていないのだ




WRとの対話に意識を傾ける


これぐらいの速度なら、ここまで減速出来て



寝かせた時の安定は?


どうホールドする? どうやって力を逃さずに繋ぐ?





これぐらいでも、車体は暴れないか?



色んな力が、無駄を削ぎ落とされ
少しずつ 少しずつ集束されて行く


足の下を流れるアスファルトが
ステップを踏むフロアのように












「シャッ!」










は?

何だ? 今の音





































2走行目






俺は、WRのステップを擦った



(続




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駐車場の車と車との間

砂利から砂埃を上げながら
計10台のバイクが次々と戻って来た





メットを脱ぐと満面の笑顔が溢れ出す








モトさん「やべぇー、超楽しいw」


オカくん「ですね!」







それぞれがそれぞれの笑顔


単車くんも、タニさんも、ターミも


皆、本当に楽しかったみたいだ





気軽にやれて

本格的




この、サーキットの 本当に良いところだ





次の走行までは1時間

ツナギを脱ぐ者、余韻と面倒くささでそのままの者



椅子に座り

煙草に火を点け




燃焼して来た身体を、ゆっくりと解放しながら

バイクの話に花を咲かせる




ギスギスする奴も ウジウジする奴も居ない

これだよ
これが、バイクの楽しみ方





生身では出せない力を、右手の一捻りで

肉体と全神経を使って操り
重力と摩擦と加減速の流れを生み出して踊る




ウッちゃんなんかもう、初めてのオモチャに 物凄いはしゃぎようで

DTの速さや、コーナーだの走り方だのを マシンガンのようにまくし立てている




すぐ脇の川っぷちの土手では、リサキンちゃんが ダイジローとタカ坊と遊び

ヨーコちゃんが、ビデオカメラを回しながら歩き回る






(平和だなぁ)





少し強いぐらいの陽射しで、汗ばんだ肌を清涼な風が優しく撫でて行く


ゆったりとした時間

すぐ隣りからは、次のクラスのマシンのエンジン音


カトーとハチが「観に行こうぜ!」と、立ち上がって歩き出す







ぼんやりとWRに視線を戻す


街乗りでは、イマイチ"乗れてない"感じがあったのだが

ココに来て、全く印象は変わった







違うのだ

強過ぎるのだ、何もかも





押し出して

追い込んで

圧迫して

捻り上げる事で




頑強でしなやかな"芯"のような物が 顔を見せる






信号待ちから加速したり、注意しながら十字路を曲がったところで




このバイクの乗り方なんて、微塵も見えて来ない








(次は、どうしようか)





それなら と

出来る事、まだ出来てない事が
頭の中に、とめどなく浮かんで来る





(早く走りたい)








ふと、皆を見渡すと





















そこには、同じ笑顔が並んでいた


(続




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WE ARE THE WORLD






この、サイディング屋さんのiPodか












JOHNY BE GOOD







BORN TO LOVE

























WE ARE THE WORLD



(以下 エンドレス)









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黒い猟犬が、後ろ脚で力強く路面を蹴る



軽く魂を抜かれる加速で、ホームストレートを駆け抜け 勢い良くアウトに跳ぶ

一瞬で1コーナー進入の体勢を作らされる





(速い)





明らかにDトラとはランクが違う

"足りない"と感じない






タイヤとフレームの感触を伺いながら

一応 アクセルを弛めて倒し込み、緩やかな左





すぐに かなりキツい左


純正のウェーブディスクが、キャリパーに"ムンズ"と掴まれ

大きな力が車体を押し返す





ストレート



既に
その先の左のヘアピンを睨んでいる


後ろ→前と、身体を引っ張られながら
殆ど徐行に近い所まで減速し

これも様子を見ながら、倒し込む






(どんぐらいだ?)





結構なバンク角だ

路面の手触りに神経を集中
アクセルは、まだガバ開けはしない



軽く加速してすぐに右だ

180度回頭
我慢の時間



そのままS字になる

切り返しのまま加速して、蛇の腹のようなクリップを舐め

何処からどれぐらい減速すればイイのか分からないまま、右→左




ここで、崩れる
最も詰める必要があるのは、多分ここだ

落とし過ぎた速度にGが抜け
早くからアクセルを開けられる状態が作れない



トドメの左を回り込むと、加速し過ぎたコチラの足下をすくうように また左






最終コーナーが見えた


勢い良く飛び出して、あっという間のフルブレーキ


ここも肝だ

ホームストレートへ出るのに、最後の右なのだが
絞ったように回らされるRに、脱出の角度が決め難い



その先が道幅がある為、適当に加速しながら コース幅いっぱいに立ち上がると、大きくアウトに戻らなければならない









「え!?」




3周もしただろうか

ホームストレートの加速で、エンジンがレブった

タコメーターが無いので分からないが
状況に速度が引っ張られて、つい回転を上げてしまっていた





だが WRは凄かった


車体は綺麗に安定したまま

全くコケる気がしない



回転を抑えて走ろうと意識しても、シフトダウンがとっ散らかり 立ち上がりでうまく前に出ず

結局は感覚が不和を唱えて、右手を捻らせる








"Gを張れ"






自然に

内足が横に



俺独特の「バンクセンサー」



シートの角に座り始め

胸の下で、フロントタイヤが カチリと収まる






(そうだ)








トリッカーじゃ、得られない感覚




懐かしき「OVER-ALL」









モタード









Dトラッカー












帰って来た

































最初の15分は





あっという間だった


(続




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1周目は、全員がゆっくりと











(いいね)




俺達以外も含めた全員だ

とりあえず、昔の俺みたいなバカは居ないって事だ
安心して、モトさんを先導出来る






桶川はミニサーキット

簡単に言えば、筑波や菅生のようにコース幅が広過ぎて
ラインとかなんとか言う前に「何処を走ればイイのか分からない」って事が無い



細かく詰めたラインや、ブレーキポイントなんかは後回しとして


普通に免許を持っていれば、走れないって事は無いのだから

"こんなもんですよ"ってのを、落ち着いて見せてあげるだけで良いだろうと





直線での軽い加速

コーナー手前の普通の減速

ただRに沿って周るコーナーリング




ゆったりとやりながら

モトさんが離れていないかだけを、チラチラ確認する







2周目で、軽くロケットのように飛び出す数台のマシン



行ってくれ

安全に抜いて行ってくれ






ゆっくり走るって事は、Gは張らない

ただ、街中ではなかなか無いような 小さくて回り込むヘアピンで綺麗に回って



兎に角落ち着いて
慣れて来たら加減速にメリハリを



それだけだ






走る前に、俺がモトさんに言ったのも「メリハリ」と「無理はしない」って事だけ



最初は出来なくて当たり前

怖くないラインを、少しずつ底上げして行く


いつもの俺の持論だ








大丈夫そうだった

彼は、コースでもなんでもないような所でやるようなスキーなんかもかなりやっていて 運動神経が良さそうなのは分かっていたから








3週目


スピードを出していなくても
コースは値踏みしている





桶川は、排気量のクラス分けと友に コースのレイアウトが4種類ぐらいに変えられる

250以上は全て「大型」扱い



長い加速の後には、最も減速が要求される形になっていて

大きな事故の予防にもなっている



これは本当に感心した

と言っても、ミニサーキットなんて 他は「トミン」と「茂原」ぐらいしか知らないのだが






後ろをチラチラ見る


モトさんと一緒に、他の抜きにかかって来る人の邪魔にならないようにも











3週目のラストのコーナー


立ち上がる直前に振り返ると
モトさんが頷く








WRのメーターはまだ500km
慣らしは1000kmまで



全開はできないけど


今日の俺は、そんなに欲張っても居ない
















「じゃあ」











俺は、前を向き直りながら
左手を上げると

















ホームストレートに視線を向け

アクセルを開けた




(続




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ひと通り、皆が皆のブツを自慢し終わった辺りで 自分のダイネーゼを出す


興味ある人だけが、自由に見ればいいかなと




実際、この日は 白基調+黒アクセントのツナギが多かった
そういう流行りなんだろう

俺のは性能的には折り紙付きではあるが
ターミのアレンネスの方が、見た目はカッコイイと思ったぐらいだ


何だかんだで、この集団は美的センスがある人間が多いから
見てて楽しいし、嬉しくもなって来る




俺のは唯一のブーツアウトシステムなので、目ざといメンツが、興味深げに弄っている



俺は、この最新型のツナギの 初めての実戦テストに
徐々にアイドリングが上がり始めていた







「そろそろだよー」





20分前



気が早い連中は、エンジンをかけて暖気を始める

アンダーアーマーのスパッツとロングスリーブを身に着け
ダイネーゼに足を通す






( ・・・うん!)




家で適当に着るのや、何の目的も無く近所を走るのとは違う意識レベル


様々なモノを削り合う「闘技場」を目の前に
驚く程の動き易さと、拘束の無さに 背筋を電流が走る





皆が、初めてのシチュエーションに たたらを踏み
誰とは無しに、俺に視線が集まるのを感じる









「行こうか」









砂利の駐車場を抜け

移動コンテナ事務所の脇に通路を見つけ


出走待ちのスペースを確認して、WRを停める




他は、CRF KTM GSX-R CBRの400等





前のミニバイククラス
チェッカーが振られたので、スタート前の待機エリアに進み
縦2列に並ぶ



俺は、モトさんを3周引っ張ってあげる話になっていた





コースから全車が出て
脇のシグナルが赤く点灯

皆に軽い緊張が走る















前の車両が出る



俺は、ゆっくりとクラッチを繋ぎ

低い回転のまま、コースに進入した



(続





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