AIバブル? 時価総額世界第2位になったNVIDIA | 夢老い人の呟き

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皆さん株価時価総額世界第1位の企業をご存じでしょうか?

これは想像しやすいかもしれませんがマイクロソフトです。

 

では第2位は?というとアップルだと思うでしょうが、つい最近アップルは3位に落ちました。

ではアップルを抜いて第2位になった企業はというとNVIDIAという企業です。

 

ちなみに第4位はアルファベット(Google Inc.(現・Google LLC)およびグループ企業の持株会社として設立された、アメリカ合衆国の多国籍テクノロジー・コングロマリット)と上位はAI企業が占めています。

なお日本最上位のトヨタ自動車はテスラの12位に続く32位で、自動車会社では第2位です。

 

 

NVIDIAとAI・自動運転 

 

NVIDIAという企業は日本ではあまり知られていませんが、自動運転やAIに興味がある人には良く知られた企業で、当ブログでも7年以上前から取り上げてきました。

 

Google DeepMindによって開発されたAlphaGo(アルファ碁)以来ディープラーニングが脚光を浴びましたが、ディープラーニングに最も適したプロセッサーがで GPU(Graphics Processing Unit)という画像処理に特化したプロセッサーあると、GPUとAIに力を入れてきたのがNVIDIAです。

 

リブログは2017年の記事ですが、この頃すでにAIや自動運転のプラットフォームとしてNVIDIAは中核となっていました。

 

GPUCPUの処理の違いを表現するデモンストレーションが次の動画です。

カメラの画像処理をCPUでやったらいっぱい演算しなければなりませんが、GPUなら一発ですよというようなことかと思います。

 

 

 

 

AIバブル?

 

今年に入ってからAI企業の投資額はものすごく、ちょっと日本企業には太刀打ちできそうにありません。

 

例えばEVメーカーでAIも自社で開発しているテスラは、AI開発に新たに1兆5千億円を投じる予定で、今年に入ってからだけでもNVIDIAからGPUを6000億円以上購入したとのことです。

 

 

 

またテスラやスペースXのCEOであるイーロン・マスク氏がオープンAIに対抗して立ち上げたxAIは米国時間5月26日、同社の評価額を240億ドル(約3兆8000億円)とするシリーズBラウンドで60億ドル(約9400億円)調達したとのこと。

 

しかしxAIが特別に資金がすごいかというとそうでもなく、既にAnthropicは60億ドル以上を調達し、MicrosoftはOpenAIに130億ドルという巨額を投資しているなど、今AI企業はものすごい金額を投資しあっています。

 

そういう背景で、株式市場で他の企業が株価が下がる状況でも関係なく、株価が上昇しているのがNVIDIAです。

 

 

 

台湾海峡有事は日本の有事か?

 

高性能なNVIDIAのGPUを支えているファウンドリ(半導体の製造会社)が台湾のTSMCで、世界最高性能のiPhoneのチップもTSMCが製造しています。

現在回路幅10ナノメートル以下の半導体を量産できるのはTMSCとサムスンだけで、中でもTSMCは圧倒的なシェアです。

 

従ってTSMCは米国にとっては非常に重要で、台湾を中国から守らねばならないのではないか?

 

アメリカはオランダのASML社しか製造できない、10ナノメートル以下の半導体の製造に必要なEUV(極端紫外線)露光装置を中国に輸出できないよう制限していますが、台湾が中国政府に統治されるようになってしまっては水の泡です。

 

アメリカも日本も国連も台湾を国として認めておらず、一つの政府、一つの中国を認めています。

ですから「台湾海峡有事が日本の有事」だなんていうのはおかしな話で、本来であれば中国の国内問題ですが、アメリカの経済安保としては台湾を中国の支配下としてはならず、そのために日本の有事としようとしているのでしょう。

 

 

なぜアメリカも日本も国連も台湾を国として認めていないのか?

 

第二次大戦後、中華民国は連合国の一角として国連安保理常任理事国でした。

しかし国民党軍は共産党軍に敗走し台湾に政府を移しました。

 

一方アメリカは出口の見えない泥沼のベトナム戦争を終わらせるため、インドシナ情勢に強い影響力を持つ中国と手を組もうとしました。

 

そして中華人民共和国と仲の良いアルバニアが、国連から蒋介石を追放するアルバニア決議を提出して採択され、中華人民共和国が中華民国に変わり安保理常任理事国となりました。

 

アルバニア決議の内容(Wikipediaアルバニア決議

国連総会は、国連憲章の原則を思い起こし、中華人民共和国の合法的権利を回復させることが、国連憲章を守り、かつ国連組織を憲章に従って活動させるためにも不可欠であることを考慮し、

 

中華人民共和国政府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表であり、中華人民共和国が国連安全保障理事会の5つの常任理事国の1つであることを承認する

 

中華人民共和国のすべての権利を樹立して、その政府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表であることを承認し、蒋介石の代表を、彼らが国連とすべての関連組織において不法に占領する場所からただちに追放することを決定する

 

そして日中共同声明では第2項と第3項で台湾が中国の一部であることで合意しています。

二  日本国政府は、中華人民共和国政府中国の唯一の合法政府であることを承認する
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

 

ですから台湾有事を日本の有事とするのは全く筋がとおりません。

 

とはいえTSMCが中国企業となり、メインランドチャイナの企業が最先端半導体を製造出来るようになるのも、日本にとっては死活問題です。

 

このままそっと、曖昧なままで波風立てずに現状を維持してゆくしかないと思います。