本日5時50分頃、新千歳発の日本航空516便エアバスA350機が羽田空港に着陸中、滑走路に入っていた海上保安庁機と衝突し炎上しました。
いずれかの航空機が管制塔の指示に従わなかったのか、あるいは管制官の指示ミスか、原因は今後の調査を待たざるを得ませんが、機体停止後の日本航空機は消火作業を続けるにもかかわらず、炎上はますます大きくなり胴体全体に炎が拡がり、胴体後部が崩れ落ち脱落にまで至っています。
胴体全体が激しく燃えるニュースの後半の映像を見ると、乗客の脱出は出来なかったのではないかと心配になりますが、幸い炎が拡がる前に乗員乗客全員脱出したとの事です。
私も長年航空機に関わってきましたが、このような機体の炎上は全く経験がありません。
この最初のニュース映像では日本航空機が着陸して滑走路を滑走中に海上保安庁機と衝突した瞬間が移っており、衝突した瞬間大きく炎が上がりましたが、これだけなら通常外部だけの炎上で、胴体内部にまで炎が拡がる事は無いと思われます。
次にこのニュース映像ではまだ機内にまで炎は広がっておらず、乗客は脱出避難しています。
ところが消火作業を行っているにも拘らず炎上はどんどん拡大し、機内あるいは胴体そのものの炎上が激しくなっております。
この後、主翼後方の胴体は崩れ落ち、後部は地面に付いてしまっています。
かつての常識では考えられない航空機事故の炎上ですが、考えられる要因は胴体に使用されている新素材CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics :炭素繊維強化プラスチック)の燃焼だと思います。
炭素繊維は、消防法では不燃物に分類されており、マッチやガスバーナーの炎をあてても着火しませんが、但し、空気中、高温(400℃以上)にさらされると燃焼し、燃焼すると、温度が 650℃まで、上昇、ガス、および極小の素粒子を排出し、ちょうど、アズベストと同様の有毒性があります。
ドイツ防衛大学とハノーヴァー(Hannover)にあるフラウンホーファー研究所(Fraunhofer Institute)のナノ粒子研究チームによると。炎上すると 3‐5μm の素粒子が飛び散り、呼吸器の粘膜、皮膚を傷つけ、発がん性要因になる確率が非常に高いと追加報告が発表されている。(カーボンファイバーに潜む危険 より引用)
長年航空機の事故に関わって人たちにとっても、航空機の機体構造そのものは不燃性であるという事が常識だと思いますが、現在炎上中の日本航空機を見れば分かるように高温にさらされれば燃える素地で、しかも燃えると消火が困難であり、しかも有毒性が危惧されます。
軽量で高強度の新素材ですが、安全性について再検証をする必要があると思います。