東大学医科学研究所・佐藤研氏のBA.2.75ケンタウロス株の論文。

東京大学医科学研究所の佐藤研氏がケンタウロス株についての論文を発表しました。

#拡散希望 🔔速報🔔 新型コロナ研究コンソーシアムG2P-Japan🇯🇵のプレプリント第13弾を、bioRxiv @biorxivpreprint に発表しました。本研究では、#オミクロン BA.2.75株（通称 #ケンタウロス）のウイルス学的解明を解明しました。
以下、本研究の概要です。1/11https://t.co/r4eCi2QWJR

— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) August 8, 2022

Virological characteristics of the SARS-CoV-2 Omicron BA.2.75

以下概要を引用します。

Abstract

SARS-CoV-2 Omicron BA.2.75 emerged in May 2022. BA.2.75 is a BA.2 descendant but is phylogenetically different from BA.5, the currently predominant BA.2 descendant. Here, we showed that the effective reproduction number of BA.2.75 is greater than that of BA.5. While the sensitivity of BA.2.75 to vaccination- and BA.1/2 breakthrough infection-induced humoral immunity was comparable to that of BA.2, the immunogenicity of BA.2.75 was different from that of BA.2 and BA.5. Three clinically-available antiviral drugs were effective against BA.2.75. BA.2.75 spike exhibited a profound higher affinity to human ACE2 than BA.2 and BA.5 spikes. The fusogenicity, growth efficiency in human alveolar epithelial cells, and intrinsic pathogenicity in hamsters of BA.2.75 were comparable to those of BA.5 but were greater than those of BA.2. Our multiscale investigations suggest that BA.2.75 acquired virological properties independently of BA.5, and the potential risk of BA.2.75 to global health is greater than that of BA.5.

概要

SARS-CoV-2 オミクロン BA.2.75 は 2022 年 5 月に出現しました。

BA.2.75 は BA.2 の子孫ですが、現在優勢な BA.2 の子孫である BA.5 とは系統発生的に異なります。ここでは、BA.2.75 の有効再生産数が BA.5 よりも大きいことを示しました。 BA.2.75 のワクチン接種および BA.1/2 突破感染による体液性免疫に対する感受性は BA.2 と同等でしたが、BA.2.75 の免疫原性は BA.2 および BA.5 とは異なりました。

3 つの臨床的に利用可能な抗ウイルス薬は、BA.2.75 に対して有効でした。

BA.2.75 スパイクは、BA.2 および BA.5 スパイクよりもヒト ACE2 に対して非常に高い親和性を示しました。

BA.2.75 の融合性、ヒト肺胞上皮細胞における増殖効率、およびハムスターにおける固有の病原性は、BA.5 のものと同等でしたが、BA.2 のものよりも大きかったです。私たちのマルチスケール調査は、BA.2.75 が BA.5 とは無関係にウイルス学的特性を獲得したことを示唆しており、世界の健康に対する BA.2.75 の潜在的なリスクは BA.5 よりも大きい。

BA.2.75は、BA.5と同様、BA.2の子孫として出現した変異株ですが、BA.5とBA.2.75は、系統的には異なる変異株です。

BA.2.75は、BA.2から派生した変異株で、BA.2の75番目の亜種です。

BA.2.75の感染力はBA.5の1.2倍高く、毒性はBA.2よりも高くBA.5と同程度です。

まとめ▶️ BA.2.75は、
1️⃣BA.5より流行しやすい
2️⃣BA.5の感染で獲得した免疫が効かない可能性がある
3️⃣病原性ポテンシャルはBA.2よりも高い
ことがわかりました。
BA.5による第7波の動向に加え、BA.2.75という高いリスクポテンシャルを持つ変異株が出現していることにも留意すべきと考えます。11/11

— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) August 8, 2022

BA.5が猛威を奮っている中でも各地で広がり始めており、BA.5と入れ替わるか、また入れ替わるとしたらいつ頃か、警戒が必要です。