台湾問題その2  ニクソンの愚行が領有権問題を生んだ | 夢老い人の呟き

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ペロシ米下院議長の台湾訪問で高まる緊張。

しかし、1971年までは台湾は国連加盟の主権国家であり、日本との間に尖閣諸島の領有権問題はありませんでした。

 

 

それが変わったのは1971年、米国のニクソン大統領によってといって良いと思います。

  • ニクソンが大統領に在任したのは1969年1月20日から、再選後、1972年の‟ウォーターゲート事件”で弾劾発議となりアメリカ史上ただ一人大統領を辞任した1974年89月9日まで。史上最低の大統領と言って良いと思います
  • 1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」という。

 

それまで台北の政府は20年以上にわたって、国連安全保障理事会を含め、国連の中で中国を代表してきました。

そして台湾は、米国、日本、オーストラリア、韓国、ニュージーランド、西ドイツ、イスラエル、南アフリカを含む54カ国と外交関係を持っていました。

 

世界銀行国際通貨基金(IMF)創設メンバーでもあり、1980年に中国が台湾に取って代わるまで加盟していました。

 

 

ところが1971年にニクソン大統領が中国に接近、中国を国連に加盟させました。

中国の加盟自体は当然だと思いますが、しかし同時に国連は台湾を排除「一つの中国政策」となり、 「国連は全ての目的において台湾を中華人民共和国にとって不可欠な部分と見なす」 とした。

 

また日本も 1972年の‟日中共同宣言”第二項で、中国を唯一の合法的政府と認めてしまっています。 

 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

 

 

それが安保理常任理事会の問題、台湾有事の問題、本来存在しなかった尖閣諸島の領有権問題を生み出したといって良く、今こそ国連を正すべき時だと思います。現実的には無理だと思いますが。

 

 

以下引用

――筆者のゲーリー・シュミット氏とマイケル・マッツァ氏は、保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」の外交・防衛問題研究シニアフェローとノンレジデントフェロー

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 国際連合(国連)の場で台湾は、最初からのけ者だったわけではない。台北の政府は20年以上にわたって、安全保障理事会を含め、国連の中で中国を代表してきた。それが変わったのは1971年10月25日のことだ。国連総会はその日の投票で、中華人民共和国の代表の受け入れを決めた。中華民国は国連加盟国の地位を失い、それ以来ずっと仲間外れにされている。この日の2758号決議は、北京の中国政府による台湾の国際的立場への攻撃の第一歩となった。

 

 1970年には、北京の政府を支持する国連内の勢力は、苦しい戦いを強いられていた。そのわずか1年後に、決議が圧倒的多数で可決された。その間に何が変わったのか。1971年7月リチャード・ニクソン米大統領(当時)は、ヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官(国家安全保障担当)が北京を訪問したこと、大統領自身も1972年5月までに北京を訪問する意向であることを明らかにした。そして自身の北京訪問が「両国の国交正常化を目指すものになる」と語った。

 

 1971年には、北京の政府の国連加盟を正当化する十分な条件がそろっていた。北京の政府には国家を代表するすべての資格があったが、本土で生活する8億5000万の人々には国連の場で彼らを代表する存在がなかった。また核保有国を国連に加盟させないことは、次第に難しくなってきていた。

 

 しかし、台湾を排除する正当な理由はなかった。当時台湾は、米国、日本、オーストラリア、韓国、ニュージーランド、西ドイツ、イスラエル、南アフリカを含む54カ国と外交関係を持っていた。台湾と米国の相互防衛協定は、70年代末まで効力を維持することになっていた世界銀行と国際通貨基金(IMF)創設メンバーだった台湾は、1980年に中国が台湾に取って代わってメンバーとなるまで、これら組織に加盟していた。正しい判断が下されていれば、国連加盟資格のある二つの国の存在が認められていただろう。それは、その後に実現した北朝鮮と韓国、東ドイツと西ドイツの国連加盟のような解決策と、大差ないものになっていたかもしれない。

 

 それどころか、国連はここ数十年、1971年の過ちを上塗りするばかりだった。2000年代初頭には当時のコフィ・アナン事務総長が、台湾の外交官による国連報道協会(UNCA)での講演を阻止した理由を説明する際に、国連の「一つの中国政策」というものを編み出した。アナン氏の後継者である潘基文元事務総長はそれをさらに押し進め、2758号決議を持ち出して、「国連は全ての目的において台湾を中華人民共和国にとって不可欠な部分と見なす」と主張した。

 

 しかし、2758号決議はそのようなことは何も言っておらず、台湾に言及さえしていない。国連憲章は領土的な判断を下す権限を国連に付与しておらず、国際法も国連での議決を国境画定の合法的手段とは見なさない。

 

 では、民主主義体制をとる台湾の扱いにおいて、国連が法的および道徳的に不正な行為をとっている理由は何なのか。例えば、台湾が世界保健機関(WHO)の会議にオブザーバーとして参加することさえ不可能なのはなぜか。それに対する明確な答えは、中国に対する国連の服従。中国の外交官はかんしゃくを起こしてパートナーを動かし、中国の利益を押し進める。中国はとりわけ、国際電気通信連合(ITU)など、さまざまな国連機関の権限のある地位に中国当局者を送り込むことができている。

 

 米国とその外交上の同盟国は、中国による威嚇にあらがうことに何度となく失敗してきた。2758号決議後50年を記念し、台湾による国連への関与について中国が大いなる柔軟性をみせなければ、米国が台湾の正式加盟を確実にする運動を起こすことを、米国は中国に対して明確に示すべきだ。

 

 こうした運動は、米外交官が台湾の加盟を公に主張し、年次総会で決議案を提案し、抵抗する加盟メンバーに対して台湾への議席承認を支持するよう促す、という形を取るかもしれない。台湾の正式加盟をめぐる対立に直面した場合、米同盟国および友好国は、少なくとも台湾の部分参加を受け入れるよう中国にそれぞれが圧力を強めることになるかもしれない。

 

 米国が台湾の加盟に関する法的根拠、つまり、台湾が国際法上の主権国家としてのすべての属性を保有すること、を構築するに当たり、米政府は自国の政策を再考する必要が出てくる可能性がある。米国が中国を正式に承認した際、米政府は、「中国は一つだけであり、台湾は中国の一部である」という「中国の立場」を認識し、この問題をめぐる対立は平和的に解決されなければならないと一貫して主張してきた。しかし、中国は軍事、経済そして外交分野で圧力を増し続け、平和的解決は視界に見当たらない。台湾の人々も政府ももはや、中国との統一に関心はない。

 

 台湾の国連加盟をめぐる戦いは、少なくとも国連が2758号決議の怪しげな解釈を変更させ、結果的に国際的な諸機関への台湾の参加拡大にドアを開くことにつながる可能性がある。しかし、この戦いはまた、米国とその同盟国が台湾の民主主義に対し、より原則に基づいた立場を取らせる可能性がある。台湾の民主主義は国連が促進を目指していた国際秩序にとって重要性を増しつつある。

引用終了


しかし今こそ歪み切った国連を正す時だと思います。

そのために必要なのは台湾の主権回復です。

国連改革は無理でも各国が台湾を主権国家として国交を回復することはできないだろうか?

 

そうすれば尖閣諸島は中国の主張する歴史上の領有権を含め日台間の問題となり、中国は主張の根拠を失います。

 

また台湾海峡有事に関しては‟国連憲章第7章第51条に定める「個別的または集団的自衛権」が適用される事になり、国際法上合法的に支援を受けられる事になります。

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。