池袋のプリウス事故 | 夢老い人の呟き

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10月8日から池袋暴走事故の公判が開始されました。

 

 

これについては「上級国民」なる者に対する反感とトヨタに対する陰謀論が交錯していますが、テクノロジーオタクの観点から、私なりの見方を述べてみたいと思います。

 

まず最初に感じるのは事故調査に対する日本の後進性です。

航空機事故にしろ交通事故にしろ事故調査の専門機関が無く、警察署レベルの調査しかできません。

また現在の乗用車にはほとんどの車種にEvent Data Recorder(EDR)という装置が装備されていて、アクセル開度、エンジン回転数、車速、ブレーキON/OFF、ハンドル角などが記録されています。

ところが現在の日本ではこれが生かせていません。

 

EDRについてはこちらをお読みください。

 

 

 

 

次に感じるのはデジタル制御に対する盲目的な不信感でしょうか。

科学的という言葉が好きな国民性ですが、それとは裏腹な蒙昧ぶりです。

私の感想としてはプリウスという車は、ヒューマンエラーに対する対処が十分かといえば疑問ですが、誤作動に対してはほぼ十分に対策がされていると思います。

 

少なくともブレーキを踏んでいるのに加速するようなことはあり得ないと思いますが、その理由はこちらに書きました。

 

 

現在は技術の進歩が加速しており、従来までの考え方ではついて行けなくなっています。専門の技術者でも日々勉強に追われ、最先端の技術について行くのに苦労する時代です。

そんな時代の事故調査を警察だけに押し付けて良いのか?

反新自由主義などと唱えながら「公務員を減らせ」「構造改革しろ」という人たちに事故調査機関が必要だといっても一蹴されるでしょうが、日本人の科学に対する妄想は何とかならないかなと思います。