ひと昔、いやふた昔前でしょうか、昔は大手銀行には国際キャッシュカードなるものがありました。
その頃の記憶がある方は、海外でもキャッシュカードでお金が下せると思っているかと思います。
しかし現在は国際キャッシュカードは少なくとも大手邦銀では終了しています。
では地銀や信用金庫はどうかというと、海外に住所を移したら取引が停止される可能性さえあり、大手銀行以上に使えません。
フィリピンでビジネスを展開しているブロ友さんたちのように現地に銀行口座を持っていれば、例えば年金生活者なら年金の振り込み口座を現地口座にすることも可能ですが、これから海外に移り住もうという人はそれもできません。
銀行によっては海外銀行の口座に送金できるサービスもありますが、どうもよくよく読むと日本に住所がある人と海外赴任など一時的に海外転居する人向けで、完全に足を抜いてしまったら取り引きできるのか疑問です。
ではレミッタンスはどうかというと、不正送金を防ぐため金融当局の規制が厳しくなっており、最近は住民票と免許証やマイナンバーカードのコピーまで提出させられますので、日本から住所が無くなっても継続して送金できるか分かりません。(問題となるような不正送金は送金限度額の小さいレミッタンスなど使わないと思いますが、お役人様は大きな穴よりもアリの穴を塞ごうというのでしょうか)
となると残るはクレジットカードとデビットカードのキャッシングでしょうか。
手数料と利息がかかりますが、当面確実に現金を引き出せそうなのはカードによるキャッシングかなと思います。
よけいな話ですが、クレジットカードは利用明細や更新など住所を変更しておかないと困ることがありますが、JALカードなど航空会社系のカードは海外にも住所変更できます。しかし普通のカードは国内の連絡先に住所変更するしかなさそうです。
しかし世界はグローバリズム化しているのに、逆に海外への扉を閉じてしまった日本の銀行。
何か今の日本を象徴しているような気がします。
キャッシュカードのセキュリティの問題なのか他の理由なのかは知りませんが、国際キャッシュカードは復活できないのでしょうか?
確かに日本の銀行のキャッシュカードには問題があります。
一番おバカだと思うのはICキャッシュカードに磁気テープが付いていることで、いくらICでセキュリティを高めても(ICも万全ではありませんが)、磁気テープが付いていればスキミングして簡単に偽造可能です。これでは海外では危なくて使用させられないかもしれません。
※磁気テープとICの引き出し限度額は別々に設定できますので、日本国内でも銀行のATMしか利用しないような人は磁気データでは引き出し出来ないように設定しておいた方が安全です。
こちらは以前起きた偽造カードによる大量引き出し事件です。
これはクレジットカードですが、キャッシュカードでも同様の手口は可能です。
こういう事を考えると使えばすぐに金額が通知されるデビットカードが安心かなという気もしますが、但しそのために登録したスマートフォンが必要なので、海外で使用する場合も日本のスマートフォンが必要となり、これも面倒くさい面もありそうです。