牛のゲップとオナラの真面目なお話 | 夢老い人の呟き

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お約束どおり今回は牛のゲップとオナラの話です。

 

■地球温暖化の問題

牛には4つの胃があります。

最も大きい胃は “ルーメン” とも呼ばれる第1胃で、成牛の場合、その容量はおよそ150~200リットルにもなります。

第1胃には1g当たり250億個という膨大な数の微生物が存在し、植物性繊維を発酵分解しています。発酵の際には副産物として水素が発生し、そして、第1胃に常在する “メタン細菌” と呼ばれる微生物群が、この水素をメタンに変換します。

そしてメタンはゲップやオナラとして放出されます。

 

地球上には15億頭の牛がいます。

牛1頭がゲップやオナラとして発するメタンガスの量は、1日160〜320リットルに上ります。

そしてメタンにはCO2の28倍の温室効果があります。

2019.01.09 WIRED 

牛の「おなら」と「げっぷ」を退治せよ──科学者たちの大真面目な温暖化対策”より引用

 

 

国連は、家畜の飼育が温暖化ガスの全排出の18%を占めると推計。

その約4分の1が牛のオナラとしています。

一方、国連食糧農業機関(FAO)家畜開発部門担当者は、「温暖化ガス排出ではオナラよりゲップが原因となっており、牛のゲップは全体の4%に達している」と述べています。

2018年10月5日 ロイター

スイス企業が牛のげっぷとおならを抑制する飼料開発、温暖化対策で”より引用

 

 

FAOによると毎年家畜から放出されるメタンガスの量は、石油約1億4400万トンに匹敵し、これは、南アフリカ全体に電力を供給するのに十分な量に相当します。

FAOの報告書が明らかにしたところによると、温室効果ガスは飼料の製造・加工過程で最も多く排出され、その排出量は全体の約45%を占め、一方、動物が放出するガスは全体の約39%に上ります。

2013年10月1日 AFP

地球温暖化ガスの14.5%、家畜に由来 FAO報告書”より引用

 

 

このように家畜からのメタンガス、特に牛のゲップとオナラの排出を減らすことは重要で、企業や科学者により、メタンの生成を抑える飼料の研究が行われています。

 

そしてアメリカ・カリフォルニア州では、「30年までにメタン排出量を40パーセント削減することを農場経営者に義務づける法案」が可決されています。

いったい家畜のメタン排出量などどうやって測定あるいは換算するのか、いったいどのような法案なのか興味が湧きますが、残念ながらこの法案を見つけることはできませんでした。

 

しかし、いずれこういう動きは他国にも波及するのではないかと思います。

そして低メタン生成飼料が商品化されれば、その動きは一気に加速されると思います。

自国で生産できない国は輸入して買わざるを得なくなるのではないでしょうか?

 

 

ところが影響はこれに留まりません。

 

■穀物の大量消費、水の大量消費、環境破壊

  • 牛、豚、鶏を飼育するために、人間の4~10倍の餌が必要で肉1kgを生産するには、エサとなる飼料用穀物が、牛肉で11kg、豚肉では7kg、鶏肉では3kg必要です。
  • 2009年、飢餓人口は10億人を超え、人類の6人に1人は十分な食糧を得ることができない状況の中、せっかく作られた穀物が飢えた人に渡らず、その半分以上が家畜の餌となっています。
  • 同じ広さの土地からの収穫量は、肉の重量の、豆はその10倍芋は肉の160倍もの収穫が可能です。
  • 1kgの牛肉を生産するためには、1kgの小麦のために必要な水の200倍以上の水が必要です。
  • 世界的に草地が不足しているため、家畜を飼育する場所を確保するため、自然の森林がつぶされています。畳2枚分の森林がたった牛肉100gのために破壊されます。 放牧地1ヘクタールで飼養できるのは、せいぜい牛1頭です。
  • 畜産では家畜を早く太らせるためや病気治療や予防のために抗生物質などが投与されています。抗生物質が環境および食品に蓄積すると抗生物質耐性が高まり、 世界保健機関(WHO)は畜産業界の薬物乱用が深刻な健康被害をもたらすと懸念しています。

家畜が地球温暖化の要因?”より引用

 

畜産品を代替品に置き換えることができれば、温暖化問題、食糧不足、水不足、環境破壊、健康被害等を抑えることが可能となり、これは人類にとっても地球の未来にとって必要なことです。

 

 

そこで必要になるのが人工肉。

インポッシブルバーガーの意義は大きいようです。

人工肉の将来は人類を、地球を救う救世主となるかもしれません。