２７日に行われた日産、ガバナンス改善特別委員会の会見。
フランスレゼコー紙“Nissan : la charge du comité de gouvernance contre Carlos Ghosn”の書き出しは
C'est une charge de 32 pages qui peut être résumée en quelques mots. Tout est la faute de Carlos Ghosn. （報告書は３２ページに及ぶが、数語で要約できます。すべてカルロス・ゴーンのせい。）
これをフランス紙もカルロス・ゴーンが悪いと認めたと取るか、エスプリの国の強烈な皮肉ととるか？
それはお任せしますがヨーロッパを見ると激動の予感がします。
まずは次のニュースをご覧ください。
“仏ＰＳＡ、フィアット・クライスラーに合併打診＝協議は破談－米紙報道”
以下引用
【ニューヨーク時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（電子版）は２２日、仏自動車大手グループＰＳＡ（旧プジョー・シトロエン・グループ）が今年に入り、欧米自動車連合フィアット・クライスラー・オートモービルズ（ＦＣＡ）に合併を打診していたと報じた。ただ、両社の協議は破談に終わったという。
報道によると、ＰＳＡのタバレス最高経営責任者（ＣＥＯ）は、同社として約３０年ぶりとなる米国市場への復帰を望んでおり、合併によってＦＣＡが米国に持つ販売網を活用できるとの思惑があった。
しかしＦＣＡの経営陣は、ＰＳＡとの合併で事業が欧州市場に偏り過ぎることを懸念。フィアット創業家のアニェリ家もＰＳＡ株の大部分を受け入れることなどに反対したという。同紙の取材に対し、両社はコメントを拒否した。
ＰＳＡとＦＣＡの昨年の販売台数は合計で８７０万台。仮に合併が実現すれば、米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）を抜いて世界４位の自動車グループとなる。
これはもし実現していたらかなりインパクトがあります。
“フィアット” は日本では地味なイメージですが、傘下にはアルファロメオやランチア、そしてマセラティやフェラーリがあります。
すごい顔ぶれですが、フェラーリF １ といえば開幕戦こそ４位という不本意な成績に終わりましたが、現在最も速いといわれる、メルセデスと双璧のチーム。
そしてプジョー・シトロエンといえばWRC(世界ラリー選手権）の名門。
ともに日本人が考えているよりも、はるかにブランドイメージの高い両者。
破談になってくれてよかったと思います。
余談ですがこのミシュランからやってきたのがルノーCEOのスナールさん。
紳士ですが手強いお方です。
ところが日産がガバナンス改善特別委員会をやっている時、Bloombergにはこのようなニュースが流れていました。
“ルノー：日産との合併目指す、フィアット買収視野に－ＦＴ紙”
以下引用
フランスの自動車メーカー、ルノーは日産自動車との合併協議を12カ月以内に再開することを目指す。さらに、より巨大な自動車グループを築くため、フィアット・クライスラー・オートモービルズなどの買収を模索する。英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）が27日報じた。
ルノーのジャンドミニク・スナール会長をトップとする新たな「アライアンスオペレーティングボード」が発足したことで、ルノー・日産が合併に向けて進展できるとの自信が深まったと、両社の計画について知る複数の関係者の話を基にＦＴ紙が報じた。
また、ルノー・日産・三菱自動車の３社連合は早ければ2019年終盤に、新戦略を発表する方針で、22年までに販売台数を1400万台とする目標は撤回される見込みだと、ＦＴ紙がアライアンスの幹部１人を引用して伝えた。22年までに経費を合わせて100億ユーロ（約１兆2450億円）節減するシナジー目標は棚上げされるという。両社の取締役会の再編は計画に含まれている。
ルノーと日産の担当者にコメントを要請したが、現時点で返答はない。
ルノーとフェラーリじゃF1でバッティングするじゃないか
というような話はさておいて、どうも「関係者によると・・・・・」という、日本の新聞の報道とは大分違う方向に計画は進んでいるようです。
果たしてどちらの方向に進みますか。
ちなみに日産の販売実績をみると、やはり欧州での落ち込みが大きいようです。
出典：https://newsroom.nissan-global.com/releases/190227-02-j?lang=ja-JP
出典：https://newsroom.nissan-global.com/releases/190328-01-j?lang=ja-JP