トランプ大統領は温暖化を否定するが、地球は温暖化か寒冷化か? | 夢老い人の呟き

夢老い人の呟き

願い望むは願望  夢は寝てみるもの 儚く叶わぬもの
  人に夢と書き儚  夢に人と書き夢人 
    夢と人の中に老いが入り夢老い人  儚く老いる独り言

温暖化を否定していたトランプ大統領はパリ協定に復帰したいようだが、温暖化容認に転じたのではなく、単にアメリカ経済にとって得か損かというだけの事。

では実際はどうなのか?

それは何年か経たないと分りませんが、これから、あるいはすでに寒冷化に向かっているという説もあるので紹介します。

 

■現在宇宙線は強まっている

一昨日の記事に書きましたように、現在太陽活動は低下しています。

太陽活動は約11年周期で強まったり弱まったりを繰り返してきましたが、下図の赤く書かれた部分(マウンダー極小期)から数え始め現在はサイクル24ですが、サイクル22からサイクル23、24とだんだんと弱まってきています。

 

図出典:http://spaceweather.com/archive.php?view=1&day=28&month=03&year=2016

 

太陽は平時で地球の100倍、黒点からは1万倍の磁力線が出ていますが、この磁力線が銀河宇宙からの宇宙線が地球に到来するのを防いでくれています。

このため太陽活動が低下する(黒点数が減る)と地球に降り注ぐ宇宙線が増えます。

実際に観測データで2017年1月は2015年3月よりも13%強まっています。

 

          【カリフォルニア上空高高度バルーンによる宇宙線量測定】

出典:spaceweather.com

 

 

■スベンスマルク効果

デンマークの学者ヘンリク・スベンスマルク(Henrik Svensmark)は太陽の活動度宇宙線の量雲の量の間に相関関係があり、太陽の活動度が高くなると宇宙線が減少雲が減り逆に太陽の活動度が低下すると宇宙線が増加雲が増えるを発見しました。

そして雲が減れば地球は温暖化し、雲が増えれば寒冷化します。

これをスベンスマルク効果といいます。

 

 

■雲が出来るメカニズムはまだ完全に解明されていない

スベンスマルク効果を肯定する学者もいれば否定する学者もいますが、そもそも雲が出来るメカニズムは完全には解明されていません。

雲の粒(水滴)は水蒸気が10の14乗個結集すれば水滴になるそうですが、大気中にそんなに水蒸気がある事はなく、またあっても安定した雲にはならず、完全に綺麗な空気中では雲は出来ないそうです。

 

雲が出来るのは大気中のエアロゾルと呼ばれる微粒子(土ぼこり、火山灰、工場の煤煙、海の波しぶきが蒸発してできた海塩粒子) が核となって水蒸気がくっつき雲の粒(水滴)になるとされます。

しかしそれだけでは海洋の真ん中の雲などは説明がつかず、 宇宙線も雲の形成を促進し、雲の量と宇宙線の強さの相関が高いと見られます

 

スベンスマルク効果はまだ雲の形成の実験には成功していませんが、現在の太陽活動の情況はダルトン極小期(一番上のグラフで1800年代のDulton Minimumと書かれている部分)の前に似ているといわれますが、マウンダー極小期やダルトン極小期はヨーロッパにおける氷河の拡大に象徴される小氷期の一因になったといわれます。(http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2011/2011_01_0081.pdfご参照)

 

またWikipedia「スベンスマルク効果」では否定的に書いていますが、「温暖化への影響」の項目の下から5行目と4行目に次のように書かれています

オタワ大学のヤン・バイツアーが、5億年以上前から生息しているブラキオポッドの化石中の酸素16と酸素18の存在比を分析したところ、1億4千万年周期で平均気温が最大3.5℃低下する寒冷化が起きている事が判明した

 

これはスベンスマルク効果を否定する意味で書かれた文章のようですが、実はこれこそスベンスマルク効果の証拠でした。

その理由はこの動画の3分からに述べられています。

 

 

という事で宇宙線が雲を形成するメカニズムはまだ実証されていませんが、どうも相関関係がありそうな宇宙線と雲と寒冷化。

 

しかしこれを認めてしまうとCO2が温暖化に与える影響も見直さなければならなくなりそうですが、温暖化に対する影響が大きかろうと小さかろうと、化石燃料を燃やさない事は地球の大気を汚さないためにも重要な事ですし、現在アメリカが行っているシェールガスの採掘などは環境破壊だと思います。

 

また現在すでに走り出している温暖化ビジネスはもう止められません。

トランプ大統領が否定して止めさせようとしても、アメリカが温暖化ビジネスに乗り遅れるだけでしょう。