ヒヌカンと「庚申信仰」~ウトゥルサムンヌ ミーブサムン | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

この「火の神」(ヒヌカン)は、
旧暦の12月24日の「御願解き」の日に天に昇り、
天の「紫微」(しび)の神様に、
その家族の一年間の功罪を報告しに行く…
と考えられていて、
その日は、台所周りを入念に清掃してお送りする風習があります。
普段からも、「火の神」や台所では、
陰口や悪口、喧嘩や子を叱るなどの行為はご法度とされています。
 
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こうした信仰は、
本土の「庚申(こうしん)の日」の風習と似ていますね。
この風習(「庚申信仰」と言います)は、中国から伝えられました。
「人間は天から120歳の天寿を授かっている」と云うものなんですが、
実際には120年生きられない…
それは何故かと言うと、
人は「悪行」をするから天から強制的に命を縮められると云うものです。
では、その「悪行」を天がどうして認識しているかと言うと…
人の体の中には三匹の虫がいて(この虫を「三尸」(さんこ)と言います)、
その「三尸」が庚申の日になると天に昇ることになっていて、
「○○さんはこんな悪いことをしていますよ」と、
天の北極星の紫微(しび)大帝という神様に告げ口するのです。
そこで神様は「そんな悪いことをしている奴は命を縮めろ」ということで、
120年の命から3年を引いてしまいます。
(何故3年なのかは知りません。)
そしてまた次の庚申の日になると、三尸の虫に神様へ更に告げ口され…
それで、段々と寿命を引かれて早死にする羽目に陥る訳です。
「悪行」をしなければいい訳なんですが、
人は大なり小なり「嘘」や「いじわる」などついやらかしてしまう生き物ですから、
「三尸」の「お眼鏡」に叶うことが出来ないのです。
そこで、人々は考えました…
~寝るから三尸の虫が天へ昇っていく
→だからその晩は眠らずにずっと起きていれば虫は人の身体から抜け出せない
→神様はその悪行を認識出来ない
→長生きが出来る
そう云う訳で、
人が長生きするには「庚申の日」の晩では寝ないで起きておく~
と云う慣わしになったのでした。
 
ここまで記述していて気付いたのが…
考え方の根本は同じでも、
本土のそれは、
「眠らない」ことで、「三尸」を無理矢理騙くらかす狡猾さ…
一方の沖縄では、
「火の神」に気持ちよく昇天して貰うために身辺を清めて構える潔さ…
そんな違いが見えてくるのでした。
何度も繰り返していますが…
人々の自然の事象に対する畏敬の念が沖縄にはある…
その思いを改めて感じています。