池上永一著「黙示録」再考 | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

池上永一さんの「黙示録」読了~
 
時間がタイトでも寸暇を惜しむようにして細切れに読み募り、
池上ワールドはテンポが速いので直ぐに集中出来て夢中になれたのですが…
今回はちょっぴり違和感が…
 
主人公「蘇了泉」の「外道」ぶりが物語の展開に比例して際立つのですが、
読者に媚びない徹底したキャラの描き方…
周囲がそれを理解し受け入れる(寛容な)のが沖縄的だと言われればそうなのかも…
それでも、
彼の周りでこれ程登場人物が死んでしまうのはどうも…
それだけの試練を受けて初めて至る境地を描きたかったようですが、
ちょっと酷…
 
イメージ 1
(KADOKAWA HPより)
池上ワールドの特徴~
物語が最後の第4コーナーで急展開…
意外なキャラの意外なパフォーマンスにワクワクドキドキ感、爽快感…
なのに今回は読後にちょっとしたシコリが残り…
この展開ではこの結末にならざるを得ないのでしょうけど、
私はやっぱり「阿麻呼」の味方になりたいのです!
「蘇了泉」の最後の踊りで「阿麻呼」へ見せた「湛瑞」の存在は、
決して彼女の悲しみを昇華させてなどいないと思うのです。
 
主人公にとっては「黙示録」となった一代記なんでしょうけど…
彼女にとっては「怨念」のプロローグなのでは…
(あ~ワジワジする…)