石油産出都市が推進するゴミ再生システム | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

さて、沖縄からデンマークの次は、
デンマークからカナダへとお話は更に飛躍します。
沖縄の「情報特区」や、デンマークの「エネルギー自給率100%の島」は、
政府が立ち上げていた事業企画を上手に活用して成果を上げた事例でした。
で、今回は、
自治体自体が確固たるビジョンを持って事業を立ち上げ、
住民を巻き込んでの長期的で継続的な取組が、
時代の要請にピタリと適応して世界から注目されている事例です。
 
カナダのエドモントン市は~
アルバータ州の州都。人口75万人。郊外を入れると100万人の北米最北の大都市です。
1988(平成元)年から同市が取り組んでいるのが「ゴミ再生システム」です。
人が環境に対して与えるダメージを徹底的に排除する事を行政の命題として、
市民生活から観光施設に至るまで、
市を上げてリサイクル、リユース、地球温室効果ガス削減等々のための、
様々な取組を推進しています。
 
実際にこの都市で生活する事になった日本人が、
その徹底したゴミ再生システムについて詳しく紹介しています。
①リサイクル可能ゴミ(紙類、プラスチック類、缶類、ガラス類に分別)は「青いゴミ袋」で
②粗大ゴミはEco Stationへ(殆ど無料です)
③リサイクルしてペイバックを希望するならBottle Depotへ
 → これが「デポジット制」ですね。ミルクのボトル1本で25セント(約20円)だそうです。
再生された堆肥などは、市民が気軽に安価で購入できるようになっています。
 
現在のところ、市の処理場に運ばれてくるゴミの約60%が、
リサイクル、リユース、堆肥化により再生されています。
2012(平成24)年には、同市に建設中のバイオ燃料工場が稼働する予定であり、
(同市で分別収集された廃棄物を利用してバイオ燃料と無公害薬品製造します。完成すれば、毎年3,600万ℓのエタノールを生成する事になります。)
再利用率は約90%にまで及び、
更に利益まで生み出す、と云う壮大な計画の実現が目前となっているのです。
一つの自治体の内で、
ゴミの排出から再利用までのサイクルがきちんと出来上がり…
更には、そのサイクルが新たな雇用と経済効果を作り出す…
と云う環境が構築されているのが実に印象的です。
 
今でこそこの取組は合理的だと評価されていますが、
カナダ有数の産油地域であるアルバータ州の中心地として産油と石油精製を主要産業に持つ大都市において、
様々な利害関係が複雑に絡む中にあってもなお、
北米で最先端と評価される生活環境システムを四半世紀に渡って維持している事に…
敬服する思いです。