我が職場の近くに「関釜フェリー」のフェリーターミナルがあります。
下関と韓国の釜山を結ぶ航路ですね。
時間を節約するようなビジネスや一般観光でなら、
高速艇が就航している博多がノーマルですが、
お金が節約出来て、時間もあるなら、
この関釜フェリーのもんです。
ただし、生活臭たっぷりですから、ある程度の「開き直り」が必要です。

時々昼食で、ターミナル内の食堂を利用するのですが、
その隣の待合スペースは、
韓国語が飛び交っていますから、とても異国情緒があります。
今日は、特に利用客が多かったです。
個人手荷物で直輸入した商品を下関で売り捌くのを生業としている「ぽったりさん」と称されるおばちゃん軍団は、
自分の身体よりひと回り大きな背負い袋を通路に無造作に投げ出しています。
ハングル文字のダンボール箱が積み上がっていますが、
誰が管理しているのか判然としません。
近くの椅子で寝転がっているおじいちゃんは只の酔っ払いなのか、
これらの荷物の持ち主なのか…
そのうち、待合室が賑やかになったかと思うと、
そこでは、観光案内ブース用のカウンターに鍋を広げて調理を始め出すおばちゃん達…
近くで監視している警備員のおじさんも苦笑しています。
「リトルプサン」と称される韓国商店が並ぶ地区があるほどに、下関は韓国との繋がりは濃いものがあります。
今日も、下関のあちこちでは混沌とした怪しげな活気が溢れています。

那覇の市場を歩いていると、
そんなシャッフルされて無警戒ですっとぼけたようなシーンに出会うことがありますね。
画像は、農連市場の食堂「のりちゃん」の光景です。
市場にとってはちょっと遅い朝の時間帯、
仕事前の混乱した食事風景が、その瞬間切り取られ、
人だけが消滅した状態とでも言いましょうか…
食べ散らかした後の食器はそのまま放置され、
店主はエネルギー切れか何かで突然の店仕舞いでしょうか。
本土のヒステリックでギスギスした世の中で、
一部だけポッカリと開いたオゾンホールのような、
あっけらかんとした雰囲気に出会う事が、
日常の生活でささくれ立った心を慰めてくれるようで…
私にとっては興味の尽きない年中行事になっています。